パナソニックのMFTのレンズの設計思想は、最小は画質優先で、次いでサイズ優先になっています。GM1が出た2014年頃が、サイズ優先が一番きいています。
GM1のキットレンズの次の2本が典型です。
LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
LUMIX G VARIO 35-100mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
写真1は、12-32mm/F3.5-5.6の望遠端の開放絞りです。
非球面レンズとEDレンズを使っています。
フィルム時代のレンズと異なり、物理特性の大きな欠点はありません。
価格も新品で2万円台、中古なら1万円台で、交換レンズとしては、安価です。
ただし、はっとするような写りではありません。
これは、RAW現像では修正できません。
ここまで小さくすると、ズームレンジが狭くなってしまいます。
このレンズは、ズームの標準のキットレンズです。
GM1の後継機がでなかったので、もう少し、大きく、ズームレンジが広くてもよい気もします。
GM1と同じサイズ優先の設計思想のレンズを使いまわすのは、どうかと思います。
候補になるのは次の2点です。
LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./ POWER O.I.S
LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II ASPH./MEGA O.I.S
14-42mm/F3.5-5.6 IIは、製造中止です。
4-42mm/F3.5-5.6 は、電動ズームなので、評価がわかれます。
14-140mmを比べても変化はサイズです。
1)2009年 5月15日 発売 LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S
最大径x長さ:70x84mm 重量:460g
2)2013年 5月30日 発売 LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S
最大径x長さ:67x75mm 重量:265g
3)2019年 5月下旬 発売 LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 II ASPH./POWER O.I.S
最大径x長さ:67x75mm 重量:265g
2)と3)は、品名がiiになって、防塵防滴に対応していますが、レンズはおなじです。
デジカメInfoでは、Photo Reviewの1)と2)の評価を紹介しています。
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総合評価は8.5点で旧型と同点ですが、画質の評価は8.5点から8.3点に低下しており、一方で使い勝手の評価は8.5点から8.8点に向上しています。
画質の評価は若干下がっていますが、旧型と比べてレンズが明るくなった上で大幅に小型・軽量化されているので、便利ズームとしての魅力はかなりアップしているという印象です。
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つまり、性能を犠牲にして小型化が図られています。
「商品レビュー」では、3)について、次のように書かれています。
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カメラ初心者にマイクロフォーサーズをおすすめするとき、このレンズと広角~標準の単焦点1本の2本をとりあえず買うように進言しています。予算がまだあるなら次は広角ズームかなって感じですね。まぁ、それでだいたい撮れちゃいます。
せっかくの旅行だし、良いカメラを持っていきたい!
でも、コンデジは嫌だ!そして、デカくて重いのも嫌なんだ!!
そんなわがままを叶える本レンズ、旅レンズとしても、着けっぱなしの常用レンズとしても、超おすすめですよ
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「せっかくの旅行だし、コンデジではなく、デカくて重くない良いカメラ」は、設計思想です。
現在のMFTは、こうした設計思想が伝わっていない気もします。
14-140mm/F3.5-5.6 IIは、G6やGH3のキットレンズになっていました。
最近に機種では、キットレンズになっていないと思います。
プロのカメラマンは、フルサイズを使うとカメラメーカーは宣伝していますが、サブ機のMFTを使っているプロのカメラマンが大勢います。
GM1は極端に小さく、操作性を犠牲にしたので、後継機種は出ませんでした。
結局、小さくて手ブレがついた高性能機種は出ていません。
これは、OMシステムも同じで、カメラが大きい方が性能がよくなっています。
レンズも、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7は690gもあります。
小さくて、性能のよいレンズは、LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPHあたりから少なくなっています。
最近では、次のレンズが、小さくて、性能のよいグループに入ります。
かなり売れているようです。
2022年 6月23日 発売 LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.
ブログなどWEBに載せる写真であれば、MFTか、APS-Cで十分です。
レンズのレビューは、単品ですが、設計思想の変化も影響しています。
シグマは、アート・シリーズとコンテンポラリー・シリーズの差が小さくなっています。OMシステムは、最近は、PROレンズを乱発して、便乗値上げに見えます。
発売日順のレンズ一覧(2014年まで)
2008年10月31日 発売 LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S
2009年 5月15日 発売 LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S
2009年 4月24日 発売 LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
2009年 4月24日 発売 LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH
2009年 9月18日 発売 LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH
2009年10月23日 発売 LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S
2010年 6月30日 発売 LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
2010年10月29日 発売 LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S
2010年10月 8日 発売 LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH
2011年 7月22日 発売 LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH
2011年10月13日 発売 LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH./ POWER O.I.S
2011年10月13日 発売 LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./ POWER O.I.S
2012年 6月21日 発売 LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S
2012年 9月13日 発売 LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
2012年10月26日 発売 LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S
2013年 3月 8日 発売 LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II ASPH./MEGA O.I.S
2013年 5月30日 発売 LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S
2013年 7月11日 発売 LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH
2013年11月21日 発売 LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
2014年 2月13日 発売 LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S
2014年 5月15日 発売 LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH
2014年10月23日 発売 LUMIX G VARIO 35-100mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S