アーキテクチャの整理~経験科学の終わり

(ここまでのアーキテクチャを整理します)

 

まとめとして、ここまでの検討を一旦、整理しておきます。

 

データからモノを考えることがデータサイエンスのスタートです。図1では、データから、経営を整理しています。

 

図1のように、経営判断の根拠は、過去の経験、歴史などの2次データ、1次データに基づきます。ベンチャー等が、新製品を開発する場合には、過去のデータは使えませんので、開発目標(目標値)がデータの代わりになります。

 

1次データをとらずに、経験を重視した年功型組織を維持して、経験科学に基づく意思決定をする、これが、現在の日本企業の多くの姿であると思います。

 

このアーキテクチャの中で、DXの機材を投入しても、DXに成功することはありません。

 

DXの遅れの問題は、既に多くの経済学者が分析していますので、経済分析で、筆者が付けくわえることはありません。

 

筆者は、経験科学のパラダイムから抜けられないという認知バイアスが、DXの大きな障害になっていると考えています。

 

ダベンポートは、データドリブンな企業文化が、DXには必須であるといいました。

 

図1は、ベンチャーについては、データドリブンな意思決定も万能ではないことを示しています。

 

新製品の開発と販売が、軌道にのれば、データドリブンな企業文化で対応可能になりますので、ビジョンドリブンのシェアは高くないと思われます。




図1 企業経営と科学パラダイム