空心菜の炒め物

空心菜という野菜があります。園芸店で種を買ってくると「アサガオ菜」と書かれています。種は確かにアサガオにそっくりです。この植物はクレソンと同じように、水辺に生えていて、水耕栽培が容易にできます。夏であれば、茎を水につけておけば、根が出てきて勝手に育ちます。日本では、冬に枯れてしまいますが、東南アジアでは多年草で、どこにも生えている雑草と思われています。ベトナムやタイの人に、「空心菜って美味しいね」というと、あの雑草がと怪訝な顔をされます。とはいっても、タイ料理の空心菜の炒め物(パクブンファイデーン)はとっても美味しいです。タイのレストランの英語メニューでは、morning glory(アサガオ)と書かれていることが多く、辞書にのっているwater spinachや Chinese spinachは見かけません。

空心菜は、スーパーではあまり人気がなく、売れ残って安売り半額セールになっていることがよくあります。空心菜がちょっとしなびて元気がなくなると、特売のシールが貼られたりします。しかし、空心菜は、水辺に生えている植物なので、生け花のように、切り口を切り直して水につけておけば、3時間くらいで、すぐに元に戻ります。なので、ちょっとの元気のない状態で、安売りしていたら、買おうか迷います。

調理は、よく洗って、炒めるだけです。根本の茎の太い方が火が通りにくいので、葉の部分と茎の部分を切りわけて、茎から先に炒めます。

調味料は、普通は以下を使います。

ナンプラーが入っている感じもするのですが、メインはオイスターソースです。問題は、大豆の発酵調味料の「タオチオ」です。通販で取り寄せできますが、スーパーなどでは手に入りにくい素材です。また、通販で入手しても、使い切ることは困難です。「タオチオ」を購入しないで、空心菜の炒めものを作るには、次の2つの方法があります。

  • 空心菜の炒め物の素」のような、混合調味料の使う

  • 日本の味噌で代用する

筆者は、今のところは、前者で調理しています。日本語のタイ料理の本で古いものは、味噌で代用することも多かったです。しかし、風味が変わってしまいます。最近の日本語のタイ料理の本は、この点は、改善されています。また、「空心菜の炒め物の素」の中には、材料に味噌と書いてあるものがあります。この味噌が、日本の「味噌」を指すのか、それとも「タオチオ」を指すのかは不明です。このあたりも、きっちり書いて欲しいです。外れると嫌なので、今のところ、材料に味噌とかかれた「空心菜の炒め物の素」は使ったことがありません。

本当は、「タオチオ」の小瓶がスーパーにあるといいのですが。

なお、空心菜の炒め物はちょっと辛口なのでお酒のおつまみによいという人もいます。