問題解決の先送り法

バブル以降、日本経済は、失われた20年とも、30年ともいう停滞状態に陥り、バブル直後には、OECDの中で3位以内に入っていた一人当たりGDPが、現在はOECDの中ではドン尻に近くなり、後ろを振り向いても、誰もランナーはいない状態になりました。

自民党の新しい総裁が決まりました。過去、30年の実績をみれば、過去の総裁の誰の代が悪かったのではなく、総裁は全員経済運営に失敗したと言えます。この状態から、抜け出すには、第1には、過去の政策で、効果のなかったものをやめる、試していない政策を行ってみることが必要になります。

しかし、過去の政策評価は総裁選では出てきませんでした。

第2に、評価するまでもなく、ナンセンスな政策があります。これはやめるべきです。

パターン1は、庁のように、問題の名前をつけた組織を作って、そこに問題を丸投げする方法です。官僚は、部下の数で給与が決まりますので、新しい組織を作ることは大好きです。パターン2は、問題解決ラベルを付けた予算をばらまく方法です。

結局これらの2パターンの政策は、問題点の所在を分析することなく、ネーミングだけでできるのですから、簡単ですが、効果がでないことも、組織や予算を作ったときからわかっています。

第1の問題分析を避け、第2のネーミング組織とネーミング予算に依存することは、問題解決を先送りする一番効果のある方法です。この方法が30年間続けられ、国家予算も、労働人口も、国際的な企業も、後のないところまで毀損してしまいました。

自民党の総裁選を見ていると、誰が総裁になっても、「問題の先送り法」が継続することは必須に思われました。

なぜならば、これは重要だから、今、これを解決すると述べた人は誰もいなかったからです。