残された3都道県(もう一度データをみる)~コロナウィルスのデータサイエンス(61)

25日問題

25日に緊急事態宣言の解除が動いています。

例えば

東京などの宣言解除「現状なら25日にも可能」西村経済再生相

2020年5月23日 19時00分 NHK


「新規感染者数や感染経路を追いかけられる患者の割合もいい傾向が続いていると認識している」と述べ、新たな感染者数などが現状のまま推移すれば、25日にも宣言の解除は可能だという認識を示しました。


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200523/k10012442501000.html

このブログの視点は、次の2つです。

  • 基準は、後だしじゃんけんで、解除できる数字を選んいる。(基準の意味がない)

  • 解除に対応した施設の再開などの動きは、予告で動いていて、解除には実態(原因としての効果)には影響がない。

さて、東京都は基準10人をクリアしていますが、神奈川県と北海道は基準をクリアしていません。(60)で述べましたように、トレンドとしては、基準をクリアできますが、25日に間に合うかは微妙です。おそらく、そもそもの基準が後出しじゃんけんで、解除できる数字を設定しているので、数字を無視して、25日に、解除する可能性が高いと思われます。

ですが、1日前の時点で、もういちど、数字をみておきたいと思います。(60)よりデータが1日分ふえています。

感染者数(ma7person)は、直近7日の移動平均で左軸(人)です。Google Transitの行動制限率(ma7transit)も直近7日の移動平均で右軸(%)です。

 

東京都

10人の基準は、既にクリアされています。ここで、確認しておきたいのは、過去の10人を切っていたのは3月24日で、東京都でも、この基準は容易にクリアできるレベルではないというとこです。東京都の緩和基準は20人でしたので、10人(10万人当たり1週間0.5人以下)は厳しい基準であることがわかります。

 

 

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図1 東京都の感染者数の推移

 

 

神奈川県

神奈川県の基準は6.5人です。東京都と同じようにかこのデータを見ると、3月27日以前のデータになります。かなり厳しい基準になっています。トレンドでは、月曜日始まりの1週間(注1)のうちには、基準をきると思われますが、月曜日にクリアすることは難しそうです。

 

注1:宗教的には1週間は日曜日始まりですが、ISOでは月曜日始まりになります。

 

 

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図2 神奈川県の感染者数の推移

 

 

北海道

北海道の基準は3.7人です。最近では、減少傾向にブレーキがかかっているので、トレンドからすると、基準達成は、難しくなりつつあります。しかし、Transitデータからすれば、もう少し、下がると思われます。北海道は、札幌とそれ以外で、特性が異なるので、分けるべきかもしれません。

北海道の非常事態宣言は2回目になります。Google Transitデータを見ればわかりますように、1回目の非常事態宣言では、行動制限は大きく減少しておらず、クラスターつぶし対策が功をなしました。そうしたこともあって、最近でもGoogle Transitのデータは、他県に比べると、あまり、効いていません。

過去のデータで、3.7人以下のところを凡例personで示しました。この部分が、3.7人以下になります。

第1回の非常事態宣言の解除は、3月19日でしたので、この時は5人レベルで解除したことになります。3.7人以下になったのは、非常事態宣言が解除されたあとです。

今回も、同じパターンになりそうです。

 

 

 

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図3 北海道の感染者数の推移

 

出典

tokyo

5月21日発表のデータ修正は反映されていません。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

kanagawa

https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/1369/

hokkaido

https://www.harp.lg.jp/opendata/dataset/1369.html

Google report

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2020.05.22>.