暗いところでの見え方を表現するには~ローライトビジョン(darktable2.6,3.0第49回)

ローライトビジョンとは、昼の画像から、夜の画像を作成するモジュールです。

人間の目のセンサーは、光量が減ると、カラーセンサーが効かなくなり、モノクロームセンサーに切り替わります。このモジュールはその機能を代替するもので、カラーをモノクロに変換します。露出を変換する訳ではないので、このモジュールだけでは暗くはなりません。

パラメータは次でテストしました。

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ローライトビジョン パラメータ1

 

処理の結果です。左が、処理前、右が、処理後になります。色の成分が、飛んでいるのがわかります。

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サンプル1


 暗くするには、露出も変えてください。

また、カラーマッピングでも、夜の風景をつくることができます。

ローライトビジョンでは、ブルーシフトを使って、青い夜を演出することができます。

以下では、ブルーシフトを使っています。

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ローライトビジョン パラメータ2


 

ローライトビジョンはどのような場合に、効果的に利用できるのででしょうか。

ここでは、次の2つの場合に、効果が大きいと考えています。

  • 光源、ライトがある画像

  • 夜や、暗所の画像

逆に、普通の昼間の画像に適用しても、臨場感が今ひとつと思います。

例を示します。

サンプル2は昼間の逆光画像で、太陽とその水面での反射が含まれています。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでは、太陽が月のように見え、夜間の画像が出来ます。

 

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サンプル2


 

サンプル3は夜間の東京駅の画像です。窓からライトが漏れています。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでは、夜が更に深まったような画像が出来ています。

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サンプル3

サンプル4は昼間の民家の室内の画像です。障子あかりとライト以外に窓から入る光が光源になっています。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでは、明け方か、月明かりに照らされたような画像が出来ています。

 

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サンプル4


 

サンプル5は昼間の民家の画像です。サンプル4の室外に相当します。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでは、月明かりのような画像になっていますが、月などの光源がなく、ポイントのはっきりしない画像になっています。

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サンプル5


 サンプル6は昼間の銀閣寺の画像です。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでも夜であることは判別できますが、光源がないため、水面に映った屋根にリアリティが薄くなってしまいます。

 

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サンプル6


 サンプル7は夜間のアパートの入り口の画像です。

左が元の画像で、右が、ローライトビジョンの画像です。ここでは、夜が深くなっていく様子が印象付けられます。

 

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サンプル7


 

まとめ

以上のように、単純に昼間の画像にローライトビジョンを適用したら、夜の画像になるとは思われません。効果的な夜の画像を演出するわき役がある場合に、使うべきモジュールと思われます。