県南総合防災センター(取手市)
県南総合防災センターは、取手市にある隈研吾氏の設計した建築で、2001/03に竣工しています。
県南総合防災センターは、小貝川の堤防にそってあり、茨城県南西部の8市町村(常総市・取手市・守谷市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・利根町)の共同防災拠点として建設された、県内初の地域防災拠点施設です。災害時には救援物資の供給拠点および避難場所になります。平時は、防災に関する知識の習得などを目的とした学習施設として機能します。
現実問題として、1施設で、広い8市町村で使えるとは思えませんが、県南と言う名称なので、こうした説明になっています。本当に、8市町村で、使うのであれば、スマホアプリを併設すべきですが、2001年には、スマホが存在しなかったので、こうした扱いになっています。
写真1が、案内版です。
写真2、写真3、写真4、写真5が、県南総合防災センターです。
県南総合防災センターの解説には、「屋根が張り出した独創的なデザイン」と書かれていて、写真2のアングルの写真が多いです。
しかし、この屋根は変です。張り出した屋根の下にあるドアは入り口ではなく、防災倉庫のドアです。
写真2のように、駐車している自動車のひさしになっています。
入り口は、写真3の階段をのぼった2階にあり、写真3では、入り口のひさしが見えます。
写真4で、入り口のひさしに、注目すると、入り口の場所が確認できます。
写真4の入り口を入って建物の短辺を突っ切ると、写真5の反対側の2階の入り口にでます。この入り口は、坂道で、写真4の1階の部分につながっています。
言い換えますと写真4の左側の階段をのぼり、更に、写真3の階段をのぼると小貝川に面した入り口に到達します。
写真4の1階の手前の部分を右に進んで、右から建物をとり囲んでいる坂道をのぼると、写真5の小貝川と反対側の入り口に到達します。
写真5の2階の入り口まえの坂道を戻って、建物をまわって反対側の2階の入り口に行くことはできません。建物を回ると1階に降りてしまいます。
写真4の左に階段が見えます。写真2で見ると、自動車が駐車している前の部分です。写真4のこの部分を奥に進むと、堤防から降りる階段にでます。
写真5の2階の入り口は、この堤防を降りる階段と同じ面にありますが、繋がっていません。写真5の入り口の位置から、堤防を下りる階段が見えますが、そこに、行くためには建物を1周しないと行けません。
このように、2つの入り口を繋ぐ階段と坂道が迷路になっています。筆者は、道に迷いました。
通常の用途の建物であれば、迷路を楽しめば良いのですが、夜間の災害時を考えると、防災センターの場合は、もっと、シンプルな構造がよいのではないでしょうか。
なお、県南総合防災センターには、隈研吾氏が多用する木や、すのこは、みられませんでした。