マルクスの期末試験

マルクス先生登場

試験官マルクス先生、データサイエンスの期末試験にようこそ。前回のソクラテス先生の期末試験からは、だいぶ時間がたってしまいました。今回、受験に来ていただいたのは資本論で著名なカール・マルクス先生です。

マルクス:時差ボケで頭はぼけぼけじゃ。お手やわらかに願います。ところで、その「データサイエンス」ってのは何じゃい。試験を受ける以前に、ちんぷんかんぷんでわからんぞ。

試験官:その点は、ご心配なく。データサイエンスでも、先生のお得意な分野の出題ですから。

試験課題は「下部構造が上部構造を規定することを実証しなさい」です。

マルクス:おおそれなら、わしの「経済学批判」の一部じゃ。

試験官:そうです。命題は先生の「経済学批判」から、とりました。

ここは、データサイエンスの試験ですので、データによって命題を検証する必要があります。

ですので、今回は演習の試験で、実際に作業をして、実証していただきます。

先生の命題には、一部、不明確なとことがあります。「規定する」です。これは、包含関係なのか、相関関係なのか、因果関係なか、よくわからんのです。できれば、先生には、その点の説明も加えて、実証していただければと思います。

マルクス先ほどから「実証」「実証」といっておるが、具体的にはそれは何なのじゃ。

試験官:ここに、イギリスのデータを準備したGISが使えるPCがあります。(GISソフトの入ったPCを見せる。)マウスは右利き用ですが先生は右利きですか。

マルクス(PCをみて)この光る箱はなんじゃ。幻灯機でもはいっとるのか。わしはこんなもんの使い方はしらんぞ。それに、なぜ、ねずみが資本論をかじるのじゃ。

試験官:ご心配なさらなくとも大丈夫です。そんなことだろうとアシスタントに来てもらっています。先生は、GISの画面をみて、行いたい処理を指示していただければ、あとは、アシスタントが作業します。(アシスタントが挨拶する。)

そうですね。今は、13時ですから、試験時間は3時間で、16時までにしましょうか。

利用可能はデータは、人口、所得、消費等、50枚程度のレイヤーになっています。GISでは、レイヤー間の演算もできますから、レイヤーの組み合わせはほぼ無制限になります。先生は、「下部構想」、「上部構造」という2枚のレイヤーをお考えだったようですが、現在では、レイヤーの数を制限する必要はありません。ですから、

「下部構造が上部構造を規定することを実証しなさい」という課題を出題しましたが、この課題は、GIS上では、「複数レイヤー間に規定関係がある場合を実証しなさい」と等価と考えていただいて結構です。

マルクス:(目が点になって言葉をうしなう。アシスタントがGISソフトを起動し、簡単な例で、ソフトで何ができるかを説明すると、今度は目が開きっぱなしになる。10分くらいすると、アシスタントに勧められて、自らマウス操作をしだす。)

マルクス:(14時:約1時間が経過したころ、試験中も忘れて突然叫びだす。)おおおーつ。これだ、これだ。これこそが、わしの研究にほんとに必要なものじゃ。

マルクス(16時:試験終了時、さすが、天才マルクス先生、GISをもう使えるようになっている。アシスタンとからキーボードとマウスを取り上げて、放そうとはしない。期末試験はそっちのけで、GISの解析にはまっている。)

試験官マルクス先生は、ご研究に熱中なさっていて、中断するにはしのびません。マルクス先生は、非常に優秀なデータサイエンティストであるとは自明です。試験は合格としますで、どうぞ、引き続き、お好きなだけGISをお使いください。これをもって、本日の試験は終了とします。