1)責任の所在
ビッグモータ―問題で、保険会社の責任が問われています。
問題のキーを握っていたのは、保険会社でした。
不正は、ゼロにはなりませんが、保険会社が動けば、不正をしている会社の売り上げが、日本1ということはあり得ません。
2)倫理の問題
ここで、倫理の問題が、全く出てこないので、指摘をしておきます。
事故や、犯罪が起こる場合、倫理の問題を取り上げることが、欧米の基準です。
ビッグモータ―のような問題は、違法性が取り上げられます。
しかし、通常は、違法かどうかわからない(グレー)の場合が多いと思われます。
そうなると、同様な問題の再発回避には、倫理の問題をクリアする必要があります。
倫理の問題は、次ようなレベルの問題に置き換えることが可能です。
L1:倫理的に問題がないー>違法ではない。不正はない
L2:倫理的に問題があるー>違法ではない。
L3:倫理的に問題があるー>違法かどうかわからない
L4:倫理的に問題があるー>違法だが、逃げ切れる
L5:倫理的に問題があるー>違法である
ビッグモータ問題では、不正の責任の所在が問題になります。
これは、郵貯の場合と同じ構造をしています。
直接不正に、手を下しているのは、末端の社員です。
この時に、上司が不正をする指示をだしたか否かが問題になります。
指示を出していれば、上司に責任があります。
指示をだしていなければ、末端の社員の責任であって、上司には責任がないことになります。
郵貯の場合、上司は、責任を認められていません。
このような場合、部下は、倫理的に行動し、責任の所在を明確にするための最低限の行動を起こしておく必要があります。
森友学園問題では、公文書の改竄を命じたと言われる上司の責任は認められていません。
上司から、問題のあると感じる命令をうけた場合、そこでは、倫理的な問題が発生します。
この時に、何をすべきか、何をすれば、部下は、責任を問われないかは明確にしておく必要があります。
ビッグモーター問題でも、上司に指示があったのかも知れませんが、不正をしながら、4000万円以上の年収をえていた社員の話をきけば、末端社員に責任がないとは思えません。
引用文献
経済インサイド 損保ジャパン、ビッグモーターと〝蜜月〟疑いも 求められる説明責任 2023/07/29 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/f99a9316c7b7c459a11165a9f49ace8e684b1192