脳に理解させるためには、具体的なイメージを提示することが有効です。
2035年の日本を脳が理解できるように、わかりやすいイメージを考えます。
1)2040年の東京限界説
現在の日本の地方(過疎地域)は、自ら稼ぐ力が弱まっても、東京圏で稼いだ税収が「地方交付税交付金」として再分配されることで、道路、水道、医療、行政サービスを維持できています。
<東京圏で稼いだ税収が「地方交付税交付金」として再分配>されるメカニズムが、2040年に消滅するという仮説が、「2040年の東京限界説」です。
「2040年の東京限界説」は、一般的には既存の人口動態やインフラ老朽化のトレンドデータに基づいた推計に基づいています。
2040年に社会システムが維持できない(船が沈む)ことがわかれば、社会システム(船)から離脱する人が増えます。
したがって、2040年まで、トレンド予測が通用するという前提には無理があります。
<2030年頃に、社会システム(船)から離脱する人がピークを迎え、2035年までには、「東京限界」に達している>が、筆者の予測になります。
「東京限界」に達した場合、現在の日本の地方(過疎地域)は、「地方交付税交付金」の再分配がゼロの状態で、道路、水道、医療、行政サービスを維持することになります。もちろん、全てを維持することは不可能なので、サービスレベルを低下させて、調整することになります。
「2040年の東京限界説」では、社会システム(船)から離脱する人、円安の効果が考慮されていません。
円安になると原材料が高騰するので、道路、水道の維持管理は、ほぼ不可能になります。レジリエンスが高い道路は、江戸時代のように、穴があいたら周辺住民がボランティアで修理できる道路になります。高速道路は、維持管費が高騰して、幹線以外は、メンテナンスができなくなります。
医療は、高額医療負担補助どころか、国民健康保険のレベルがさがって、実質的には、国民健康保険制度の導入前に、逆もどりすると思われます。
2026年に行われている整備新幹線、赤字ローカル線の存続の議論は、2028年から2030年には、検討対象外になると思われます。
これが、「東京限界」に達した場合の日本の地方(過疎地域)のイメージになります。
2)限界国家日本
「東京限界」に達した場合の日本の地方(過疎地域)のイメージは、「東京限界」に達した場合の日本全体のイメージに重ねることが可能です。
2026年現在、人材と資産は、日本の地方(過疎地域)から東京圏を目指しています。
2026年現在、人材と資産は、日本の東京圏から海外を目指しています。
2026年現在、日本は、大まかにみれば、東京圏(A層)と地方(B層)の二重経済になっています。
2026年現在、東京都は、大まかにみれば、港区などの少数の富裕層(AA層)エリアとそれ以外(A層)の二重経済になっています。
以前に、次の2つの表を示しました。
各国の所得代表値 U20, M60, L20 総合ランキング (2024年 / 単位: USD)
各国の所得代表値 U20, M60, L20 総合ランキング (2011年 / 単位: USD)
以前の分析結果を再度引用します。
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- 「アメリカの中間層」は「日本の富裕層」より豊かである
最も注目すべき点は、アメリカM60($83,000)の値が、日本U20($58,000)を大きく上回っているという事実です。
- アメリカで「ごく普通(中央値)」の生活をしている世帯の所得が、日本で「上位20%(エリート層)」に入る世帯の所得よりも $25,000(約370万円以上)も高いことになります。
- これは、アメリカの二重経済が「超富裕層と、世界標準で見て豊かな中間層」で構成されているのに対し、日本の二重経済は全体が低い水準にシフトしてしまっていることを示唆しています。
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ここには、「2040年の東京限界説」と同じ、所得移転ができる余裕のあるU20層が消滅した日本が示されています。
したがって、2035年から2040年の日本をイメージするには、2026年現在の東京圏で稼いだ税収が「地方交付税交付金」として再分配されることで、道路、水道、医療、行政サービスを維持できている日本の地方(過疎地域)から、「地方交付税交付金」の再分配がなくなった状態をイメージすれば、理解ができることになります。
そこで、本書では、2026年から2040年の日本を「限界国家日本」と呼んでいます。
2035年と2040年の限界国家日本のイメージを示します。
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- 「タイやベトナムの若者が最新のiPhoneを買い、日本人が中古のiPhoneを買い漁る」ようになります。
- 世界のマクドナルド価格比較(ビッグマック指数)で、日本がもはや「安売り途上国」のランクに入ります。
2. 「インフラの消滅」:当たり前が死ぬ日
- 水道管の耐用年数超えと、修繕費不足による「断水の日常化」が起きます。
- 地方だけでなく、都市近郊でも「橋が渡れなくなる」「トンネルが封鎖される」事態が頻発します。
- 「24時間コンビニ」や「即日配送」が、物理的な労働力不足(人口ピラミッドの崩壊)により、法律や政治以前に「物理的に不可能」になります。
3. 「介護の椅子取りゲーム」:2040年の修羅場
- 2040年、高齢者3人に対して現役世代が1人強という比率になります。
- 円安で、外国人労働者の介護者はいなくなります。
- 「老人ホームに入れない」のではなく、「介護してくれる人間が国内に1人も割り当てられない」ので、老人ホームはなくなります。
- 「2026年の若者が払っている年金は、自分たちがもらうためではなく、今すぐ消える砂漠への水撒き」になっていきます。
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