1)トレンド予測
将来何が起こるかを、理論的に予測できる方法はありません。
圧倒的に多用されている推論の方法は、時系列のトレンド予測です。
トレンド予測には、科学的な根拠はありません。経済には、リーマンショックのような激変がある場合をのぞいて、変化が緩やかに起こるという特性があります。
これは、物理学の比喩をつかえば、トレンド予測は、経済現象の慣性効果が大きい場合には予測が当たるが、トレンド予測は、慣性効果が小さい場合には、外れると言えます。
経済現象の慣性効果が中程度の場合には、改良されたトレンド予測を用いることができます。
改良されたトレンド予測は、インデックスファンドで使われています。
インデックスファンドは、業績のよい株式を組み合わせます。
このアルゴリズムは、現在の業績のよい企業の業績は将来もよいというトレンド予測になります。複数の企業を組み合わせることで、変動(ボラリティ)を小さくしています。
インデックスファンドは、企業の業績をみながら、組み入れる企業を頻繁に入れ替えます。このプロセスが、トレンド予測の修正に相当します。この入れ替えの方法は、企業秘密で、インデックスファンドの違いになります。
以上が、改良されたトレンド予測の方法です。
組み入れる企業を頻繁に入れ替えるプロセスがない場合が、日経平均になります。日経平均の企業の入れかえは、ゼロではありませんが、インデックスファンドに比べると無視できるほど少ないです。つまり、日経平均は、トレンド予測と理解できます。
2)推論エンジン
推論エンジン(認知科学を使った予測)のアイデアを説明します。
人間と企業は、推論エンジンを使って行動します。
2026年時点で、自動運転自動車は、人間が運転する自動車の代わりにはなりません。運転とは、将来何が起きるかを想定した、ハンドル、アクセル、ブレーキの操作になります。
「将来何が起きるかを想定した、ハンドル、アクセル、ブレーキの操作」は、自動車の推論エンジン(自動運転ソフトウェア/人間の判断)になります。
科学の基準では、将来何が起きるか(事故/無事故)は、将来のデータが得られるまで、わかりません。
しかし、自動運転自動車がうまくいかないことは、推論エンジンがわかれば、将来の予測が部分的に可能になるという事実を示しています。
自動運転自動車と人間が運転する自動車の間には、ハードウエアの差はありません。この2つの違いは、推論エンジンというソフトウェアの違いにあります。
ここで、次の仮説(推論エンジン仮説)が導かれます。
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推論エンジン仮説
推論エンジンの第1仮説:
推論エンジンに注目すれば、将来何が起こるかを高い確率で予測できる。
推論エンジンの第2仮説:
推論エンジンの異なる2つのシステムでおこる将来の現象(事故/無事故)の違いは、推論エンジンの違い(AI/人間)で、かなりの部分の説明(確率的な説明)をすることができる。
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この仮説は、確率の違いを述べている点に注意してください。将来何が起きるかという決定論の立場では、未来は予測不可能ですが、確率の世界では、将来何が起きるかを部分的に説明できることになります。
この2つの仮説を使えば、トレンド予測が成り立たない慣性の効果が小さい場合の予測が可能になります。
第2仮説は、第1仮説の補助定理のようなものですが、実生活上では、利用できる場面が非常に多いので、切り離す価値があります。