質問Copilot-1
1)解題
ロジャーズ氏の最新の著書のタイトルは<「日銀」が日本を滅ぼす>です。
このタイトルは、穏やかではありませんが、主張は、以下にあります。(p.84-85)
<
日銀や政府における政策立案者たちは皆、自分たちがやっていることを理解していると信じ、互いにそれが正しい政策だと主張し合う。そして、周囲の人々もそのような主張に同意し、政策を実行に移す。
ただ、このような集団思考は日本に限ったことではない。集団思考は非常に一般的な現象だからだ。特に、簡単な解決策が提示されると、誰もが「そうだ、そのとおりだ」と言いがちである。
>
つまり、ロジャース氏の主張は、政府・日銀の集団思考は間違っているというものです。
パールは、「因果推論の科学」で、相関と因果を区別しない(因果を封印した)統計学に汚染されていないグループとして、哲学をあげています。そして、哲学者の主張に耳を傾けるようにしているといいます。
経済学も相関と因果を区別しない(因果を封印した)統計学に汚染されています。
パールの「相関と因果を区別しない(因果を封印した)統計学に汚染されている」は、ロジャーズ氏の集団思考に対応しています。
ロジャーズ氏は、経済学者ではないので、経済学の集団思考に汚染されていません。
ロジャーズ氏は、イェール大学で歴史学を、オックスフォード大学で哲学を学んでいます。ソロス氏は、哲学者ポパーの弟子なので、パールのいう哲学者の主張に耳を傾けることには、価値があるのかも知れません。
今回は、Copilotと「空き家抑制リフォーム補助」を題材に、ロジャーズ氏の主張について議論しました。
Copilotが学習したデータは、集団思考に汚染された経済学の論文です。
したがって、Copilotも経済学の集団思考に汚染されています。
こうした場合には、「パールの因果推論に基づけば」などと、制約条件を加えないと、Copilotの推論は、集団思考の推論になります。
今回は、経済学の集団思考の中の議論です。
Copilotは次のようにいいます。
<
このような関数を用いれば、ロジャーズ氏のような財政保守派の懸念にも応えることができます。
>
「財政保守派」は、科学の言葉でなく、宗教の言葉です。
エビデンスに基づく検証ができれば、「○○派」はなくなります。
筆者には、「○○派」は科学ではない、とても、気持ちの悪い言葉ですが、経済学の集団思考では、気にならないようです。
2)本文
空き家抑制リフォーム補助
総務省によると、放置状態の空き家は年々増えており、2023年は過去最多の385万戸に上っています。
国土交通省は来年度、空き家対策の一環として、主要都市やその周辺にある住宅エリアを対象に、高齢世帯のみが暮らす住宅などを子育て世帯向けの住宅や施設に再生するモデル事業に乗り出します。
同省と参加自治体が対象エリアを選定し、親族宅への住み替え、施設への入居などに伴い自宅が空き家になる予定の高齢世帯や、空き家の所有者に、国が補助して内外装のリフォームや水回りの修繕などをしてもらう。空き家の購入者による改装も補助の対象とする計画です。
<<
都市部の高齢者住宅、子育て世帯向けに再生…空き家抑制へリフォーム補助 2025/10/02 読売新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d53b48ebe7ade72716d8c5a3dbca52edefb685c
>>
ジム・ロジャーズ氏は、空き家が増える原因は、金利が不当に低いため投資目的の新築住宅が増えているためと考えています。
ロジャーズ氏は、政策金利を正常な3%前後の値にもどさない限り、投資目的の新築住宅などの不適切な投資を押さえることはできないと考えています。
リフォームなどに補助金を出した場合には、その支出は、現役世代の税負担増または、国債の積み増しによって、将来世代の負担増になります。
ロジャーズ氏は、少子化と高齢化がぼ確実になっている現在の日本では、「将来の財政破綻のリスクを減らし、現役世代の負担を減らして、少子化傾向に歯止めをかける」ためには、日本国の歳出を減らして、金利の正常化を優先すべきであると考えています。
つまり、ロジャーズ氏は、住宅や施設の再生に補助金をだすモデル事業(空き家抑制へリフォーム補助)による予算増加より、金利の正常化を優先すべきであると考えています。
このモデル事業には、合理性がありますか。
解答Copilot-1
はい、このモデル事業には一定の合理性があります。ただし、ロジャーズ氏の視点と比較すると、政策目的と経済的手段の優先順位が異なるため、合理性の評価軸も変わります。以下に、制度設計の合理性と限界を整理します。
🏠 モデル事業の合理性:空き家抑制と子育て支援の両立
|
観点 |
内容 |
合理性の根拠 |
|---|---|---|
|
空き家の増加抑制 |
都市部で高齢者のみが住む住宅が今後急増し、空き家化が予測される |
事前に空き家化を防ぐ「予防的リフォーム」は費用対効果が高い |
|
既存住宅の再活用 |
建築費高騰の中、既存住宅を子育て世帯向けに再生 |
新築よりも環境負荷・財政負担が少ない。都市インフラの再利用にも貢献 |
|
地域コミュニティの維持 |
託児所・集会施設などへの転用も補助対象 |
|
|
政策のモデル性 |
数年単位で実施し、他地域への展開を想定 |
実証的EBPM(Evidence-Based Policy Making)に近い設計 |
|
観点 |
ロジャーズ氏の主張 |
モデル事業との対立点 |
|---|---|---|
|
金利の歪み |
異常な低金利が投資目的の新築住宅を増やし、空き家を誘発 |
モデル事業は結果への対処であり、原因への対応ではない |
|
財政負担 |
補助金は現役世代・将来世代の負担増 |
モデル事業は歳出増を伴うが、将来の空き家放置コスト(治安・衛生・資産価値低下)を減らす可能性あり |
|
少子化対策の優先順位 |
モデル事業は子育て世帯の住環境改善を通じた間接的少子化対策 |
🧠 視点に照らした評価ポイント
- 科学的合理性:モデル事業は「空き家予備軍の事前対策」という点で、予測に基づく政策設計として合理的です。
- エコロジカル統合:既存住宅の再活用は資源消費の抑制にもつながり、環境面での合理性もあります。
- 財政透明性:補助率や上限額が明示されており、政策設計の透明性は一定水準にあります。
- ただし、ロジャーズ氏のように「金利の歪みが構造的原因である」とするならば、モデル事業は対症療法に過ぎず、根本的な制度改革(金融政策・土地税制・空き家課税など)との統合が必要です。
🧭 結論:合理性はあるが、構造的改革との統合が不可欠
モデル事業は「空き家の予防的再生」と「子育て支援」を両立する点で合理性があります。ただし、ロジャーズ氏のようなマクロ経済的視点からは、金利の正常化や歳出削減が優先されるべきという主張も妥当です。したがって、モデル事業は「部分的合理性」を持つが、「構造的合理性」を高めるには、金融・税制・都市政策との連携が不可欠です。
制度評価モデルに照らすなら、以下のような補強が望ましいでしょう:
もっと踏み込んで制度設計を比較したい場合、北欧の住宅政策や空き家課税制度とのベンチマークも可能です。ご希望があれば、次に進めます。
質問Copilot-2
指摘いただいた分析は、透明性が確保され、利権にともなうバイアスが無視できるという前提にたっているように思われます。
実際には、補助金事業には、利権に伴うバイアスがあり、政策目的の実現より、中間マージンの確保が優先されることもあります。
金利が正常に戻らない原因には、利害関係者の活動が功を奏している可能性があります。
空き家抑制リフォーム補助の費用対効果分析を考えます。
通常の費用対効果分析では、リフォームが完了して10年程度の便益の推定をします。
つまり、通常の費用対効果分析には、将来世代の負担増は含まれません。
道路を建設する場合の費用対効果分析でも、将来世代の負担増は含まれません。
これは、完成した道路が資産であると考えるためですが、現実には、過疎地域にある道路は売却できません(資産ではありません)。
なので、ロジャーズ氏は、財政赤字が積みあがっている状態で、公共投資を増やすことは正気ではないといいます。
利権に伴うバイアスがある場合、評価関数は短期の結果に偏重します。
これは、投資家が、暴落時に売り抜ければよいと考える発想に通じます。
しかし、公共政策としては、短期の評価より、長期の評価を優先すべきであると思われます。
少なくとも、バイアスを放置すれば、利権が作用して、短期優先の評価になります。
透明性の確保以外に、短期と長期の評価のバイアスのずれを補正する方法がありますか。
解答Copilot-2
この問いは、制度評価の根幹に関わる重要な論点です。利権による短期バイアスが公共投資の合理性を歪めるという指摘は、財政健全性・世代間公平・制度設計の透明性に直結します。以下に、短期偏重の評価関数を補正するための方法論を体系的に整理します。
🧮 短期バイアス補正の方法論:透明性以外の制度的・分析的手段
① 世代間会計(Intergenerational Accounting)
- 概要:将来世代の税負担・便益を現在価値で評価し、世代別の純負担を算出。
- 補正効果:現役世代の便益と将来世代の負担を明示的に分離できる。
- 限界:割引率の設定により結果が大きく変動。政治的操作の余地あり。
② 持続可能性指標(Fiscal Sustainability Indicators)
③ 制度設計における「逆インセンティブ」排除
- 手法:補助金の設計において、短期的な中間マージン確保を困難にする制度的工夫
- 例:成果連動型補助(リフォーム後の居住年数・出生数などに応じた段階的支給)
- 例:自治体による第三者評価の義務化
- 補正効果:利権構造の短期収益化を抑制し、政策目的への忠実性を高める。
④ EBPMの時間軸拡張
- 手法:Evidence-Based Policy Makingにおいて、10年超の追跡調査を制度化
- 補正効果:短期成果(空き家減少)だけでなく、長期成果(出生率・地域定着率)を評価可能
- 限界:政治任期との非整合性により、実装が困難な場合がある
⑤ 公共資産の「売却可能性」評価
- 手法:道路・施設・住宅などの公共投資に対し、将来的な市場価値・転用可能性を評価
- 補正効果:資産性の幻想(売却不能な道路など)を排除し、実質的な費用対効果を再評価
- 応用:空き家リフォームが「資産」か「消費」かを明確化できる
🧠 この視点に基づく補正モデルの提案
以下のような評価関数の構造が、短期バイアスを補正し、制度的透明性と世代間公平を両立できます:
評価関数 V = α × 短期便益 + β × 長期便益 − γ × 将来世代の負担 − δ × 利権構造による逸脱リスク
※ α, β, γ, δ は政策目的・制度設計・財政状況に応じて調整
このような関数を用いれば、補助金事業の評価において「短期成果だけを強調する利権構造」や「資産性の幻想」による過大評価を防ぎ、ロジャーズ氏のような財政保守派の懸念にも応えることができます。
🧭 結論:透明性だけでは不十分、制度設計と評価軸の再構築が必要
指摘通り、透明性の確保は必要条件ですが、十分条件ではありません。短期バイアスを補正するには、制度設計・評価モデル・財政指標・インセンティブ構造の多層的な改革が不可欠です。
もしご希望であれば、空き家補助事業に対してこの評価関数を適用し、定量的な費用対効果分析の枠組みを構築することも可能です。さらに、北欧の住宅政策やEBPM制度との比較もできます。どこまで掘り下げましょうか?
ーーーーー