ザイム真理教の終わり(4)

1)外国人労働者に関する問い

7月の参議院選挙で、参政党が「日本人ファースト」(移民反対)を掲げ、得票を伸ばしました。

 

「エリート主義.VS.ポピュリズム」の脇組で考えれば、「日本人ファースト」(移民反対)を批判することは、「移民賛成」になり、有権者は、エリート主義が破綻していて、ポピュリズムが正しいという確信を深めることになります。

 

例えば、新浪同友会幹事は、<外国人と「共存なくして存続できず」 「日本人ファースト」を憂慮>と発言しましたが、この発言には、「リート主義が破綻していて、ポピュリズムが正しいという確信を深める」効果があります。

 

外国人労働者が増えても、大多数の労働者の賃金は上がっていません。

 

つまり、<外国人と「共存なくして存続できず」>を、確認するファクトはありません。

 

最初に、外国人労働者について、何が一番重要な問いであるかを考える必要があります。

 

アメリカ流の学説をコピーして、発言する経済学者は、移民が必要であるといいます。

 

この発言は、ファクトを無視しています。

 

先行事例として、アメリカはいうにおよばず、EUも移民の受け入れを拡大して、いきづまっています。

 

こうしたファクトを無視した「移民が必要である」という主張には根拠がありません。

 

筆者は、「西洋の敗北」を参考にすれば、大きな問題は3つであると考えます。

 

第1に、日本には移民はいないという前提になっています。

 

これは、移民を受け入れるか否か問う問題に対して、合意形成がはかられていないことを意味します。筆者は、最大の原因は、民主主義の基本であるパラダイムの論理の無視にあると考えます。

 

移民と難民は、法律上、ほぼ、いないことになってます。

 

パール流にいえば、表現が先で、データ取得があと、推論は、さらにそのあとになります。

 

移民と難民という表現はありませんので、データはありません。データがないので、検討することはできません。

 

第2に、ドイツを例外として、移民が経済成長には繋がっていません。

 

特に、低所得者層に対する効果はマイナスです。

 

経済成長は、分野(企業)ごとに異なります。

 

アメリカについても、分野ごとの構成人口でみれば、プラスの人口より、マイナスの人口が拡大しています。これは、格差の拡大になります。

 

第3に、移民制度は、制御不可能です。移民を受け入れるのは、比較的容易です。

 

一旦、移民を受け入れると、受入国に、移民社会が形成されます。この段階になると、移民を母国に送りかえすことは困難になります。

 

高度人材であれば、よりよい働き口を求めて、国際的に移動するので、移民が、国内に留まる問題はありません。

 

一方、スキルの低い人材を母国に送りかえすことは困難になります。

 

経済モデルで、移民を受け入れると主張している経済学者の経済モデルには、スキルの低い外国人材を母国に送りかえすコストが含まれていません。

 

経済モデルには、スキルの低い外国人材という表現がありませんので、経済学者は、この問題を無視しています。

 

しかし、イギリスやイタリアの例をみれば、「スキルの低い外国人材を母国に送りかえす」ことが如何に難しいかわかります。

 

2)日本の現状

 

さて、まともなデータは期待できません。

 

データを検索することも容易ではありません。

 

そこで、Copilotに聞いてみました。

 

質問が難しいので、答えが外れである可能性もあります。

 

Q:在留期間を過ぎても、日本国内に滞在している技能実習生は何人いますか

 

現在、日本国内に在留期間を過ぎて滞在している技能実習生(いわゆる「オーバーステイ」状態)の正確な人数は公的に明示された統計が少ないですが、出入国在留管理庁の発表によると、以下のような状況が報告されています:

 

 技能実習生のオーバーステイ状況(参考情報)

2022年末時点で、日本に在留する外国人のうち、不法残留者(オーバーステイ)は約7万人。

 

そのうち、技能実習生出身者が占める割合は約半数とも言われており、約3万人〜4万人程度が技能実習制度からの離脱者と推定されています。

 

技能実習制度終了後に特定技能などへの移行ができなかった場合や、失踪・逃避などによって在留資格を失ったケースが含まれます。

 

背景と課題

技能実習制度は最長5年間の滞在が可能ですが、制度終了後に帰国せずに滞在を続けるケースが増加。

 

一部の実習生は、労働環境や待遇の問題から失踪し、非合法に働くケースも。

 

政府は制度見直しを進めており、2027年には新制度への移行が予定されています。



Q::2017年と2025年の外国人技能実習生の数はいくらですか

2017年末時点で、日本に在留していた外国人技能実習生の数は約25万人でした。

2025年時点で、日本に在留している外国人技能実習生の数は約42万5,714人です

 

技能実習生出身者のオーバースティの約3万人から4万人のうち、何人が、1年未満かは不明です。

 

仮に、3万人が1年未満のオーバーステイであると仮定すれば、3/25=13%がオーバーステイの確率になります。

 

2025年の外国人技能実習生の42万人にも、この確率を使えば、2030年には、5.4万人のオーバーステイを抱えることになります。

 

このオーバースティの対応は、自治体の対応になります。

 

Q:2025年の外国人労働者のうち、外国人技能実習生以外のタイプ別人数を教えてください。

<2025年(令和6年)10月末時点で、日本に在留している外国人労働者の総数は約230万人で、そのうち技能実習生は約47万人です。技能実習生以外のタイプ別人数は以下の通りです:

 在留資格外国人労働者数(技能実習生以外)

在留資格の種類

人数(2025年)

備考

専門的・技術的分野

718,812人

技術・人文知識・国際業務など

身分に基づく在留資格

629,117人

永住者、日本人の配偶者等

資格外活動(例:留学生のアルバイト)

398,167人

留学生のアルバイトなど

特定活動(例:EPA介護福祉士候補者など)

85,686人

特定技能とは異なる枠組み

合計(技能実習生以外)

  • 合計:約1,831,782人
  • 技能実習生:470,725人
  • 総数:2,302,587人

これらの数字は厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」の届出に基づいています。特に「専門的・技術的分野」の在留資格が初めて最多となり、IT・エンジニア・通訳などの分野での活躍が目立っています。

 

ところで、総務省は8月6日、住民基本台帳に基づく2025年1月1日現在の人口を発表しました。日本人は1億2065万3227人で、前年より90万8574人(0.75%)減りました。16年連続の減少で、減少数・率ともに過去最大。外国人は前年比35万4089人(10.65%)増の367万7463人で、外国人の集計を始めた2013年以降最多を更新しました。

<<

住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

https://www.soumu.go.jp/main_content/001023711.pdf

>>

 

外国人労働者数の推移(2003から2023年)

| 年 | 外国人労働者数(人) | 備考 | 

| 2003 | 約38万人 | 届出制度開始直後。日系人中心。 | 

| 2006 | 約48万人 | 東南アジアからの技能実習生が増加。 | 

| 2010 | 約65万人 | 入管法改正で技能実習制度が拡充。 | 

| 2012 | 約68万人 | 東日本大震災の影響で一時減少。 | 

| 2015 | 約90万人 | 円安・景気回復で増加。 | 

| 2016 | 約108万人 | 初めて100万人を突破。 | 

| 2018 | 約146万人 | 特定技能制度導入前のピーク。 | 

| 2020 | 約172万人 | コロナ禍で伸び鈍化。 | 

| 2021 | 約177万人 | 回復傾向。 | 

| 2022 | 約182万人 | 特定技能制度の拡充。 | 

| 2023 | 約205万人 | 過去最多を更新。 

| 2024 | 約230万人 | 過去最多を更新。 

 

2025年の外国人労働者数のデータは、まだありません。

2025年の外国人労働者数は、230万人です。

2024年1月1日時点の外国籍人口は、3,677,463人です

 

単純に考えれば、外国人労働者の人数に、1.6をかければ、外国籍人口になります。






さて、「日本は移民を受け入れるべきである」という議論が、20年以上まえからくりかえされてきました。

 

問題は、段落の論理の発言が続き、パラグラフの論理による問題検討が放置されてきた点です。

 

20年経って、「移民を受け入れた場合の問題点」が、欧米で明らかになっています。

 

しかし、20年前と同じ「日本は移民を受け入れるべきである」という議論が、繰りかえされています。



今回の最後のデータは次でです。



Q:イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国、日本の過去20年間の毎年の外国籍人口の推移を表にして下さい。

各国の外国籍人口推移(2005年〜2024年)

年度 イギリス ドイツ フランス イタリア スペイン アメリカ 日本(万人)

2005 約400  約670 約460 約290  約370  約3700 約197

2010 約460  約720 約500 約430  約470  約4000 約213

2015 約520  約820 約530 約520  約460  約4300 約223

2020 約590  約1050 約560 約520   約510  約4600 約289

2024 約620  約1100 約561 約522   約560  約4780 約377

図表1 外国籍人口の相対比率



 

図表1では、日本の外国籍人口と欧米の外国籍人口の相対比を計算しています。

 

たとえば、2005年のイギリスの49%は、日本の2005年の外国籍人口が、イギリスの外国製人口の49%であったことを示しています。

 

このイギリスの値は、2024年には、61%に増加しています。外国籍人口が1000万人を超えるドイツとアメリカを除けば、2024年の日本の外国製人口は、欧州の60から70%に達しています。

 

日本は、EUとは異なり、島国です。イギリスも島国ですが、ドーバートンネルでつながっています。

 

この違いをかんがえれば、日本と欧州の外国人国籍に対する受け入れには、大きな差はありません。

技能実習生の47万人を除いても、日本には、183万人の外国籍労働者がいます。

この数は、決して少なくはありません。

しかし、外国籍労働者は、年功型雇用にブロックされて、十分なポストを得ることができません。

 

多様性が大事と主張する経営者が多くいますが、実は、年功型雇用の守護神であり、主張は、口先だけで、実際には、多様性を否定している場合が多いです。

 

20年間、データに基づく、パラグラフの論理を使った検討がなされませんでした。

財界の対応は、その場しのぎで、「スキルの低い人材を母国に送りかえす問題」を放置しています。