段落の論理の行方(2)

4)設計図



再度、引用すると欧州特別支援教育機構(EASNIE)は、EBPMを次のように説明していました。

 

証拠に基づく政策立案 欧州特別支援教育機構(EASNIE)

「政策の目標に直接影響を与えることを目指すのではなく、政策プロセスに情報を提供するための談話または一連の方法」(Sutcliffe and Court、2005、p. iii)。

https://cdn.odi.org/media/documents/3683.pdf

 

デイヴィス(1999)は、証拠に基づく政策立案を「入手可能な最良の証拠を政策の策定と実施の中心に置くことで、人々が政策、プログラム、プロジェクトについて十分な情報に基づいた決定を下せるようにする」アプローチと定義している(欧州委員会/EACEA/Eurydice、2017、6頁)。

https://eige.europa.eu/resources/206_EN_Evidence_based_policy_making.pdf

エビデンスに基づく政策とは、厳密に確立された客観的な証拠に基づいた公共政策です。政策分野全体において、強力なエビデンスを用いて政策介入を選択し、資金配分を優先し、政策・プログラムを実施することで、良好な成果が得られる可能性が高まります(デューク大学、2009年)。

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証拠に基づく政策立案 欧州特別支援教育機構(EASNIE)

https://www.european-agency.org/resources/glossary/evidence-based-policy-making

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これから、EBPMは、政策ではなく、政策の策定プロセスを問題にしています。

EBPMは、政策問題ではなく、メタ政策問題です。

政策は政治を実施するための設計図です。

EBPMは、設計図の引き方を扱っています。

5)メタ問題の所在

問題が発生する原因が、問題の解き方にある場合とメタ問題にある場合があり、この2つを区別する必要があります。

たとえば、少子化対策問題が発生する原因が、少子化対策がわからない場合と、少子化対策の政策決定プロセスにある場合は、区別する必要があります。

参議院選挙があります。選挙の争点は、給付金、または、消費税です。

どちらも、1年程度の間の政策です。

参議院議員の任期は6年なので、本来であれば、6年後を考えた政策を行うべきであると主張する人がいます。

少子化対策のタイムラグは、20年です。つまり、少子対策をするためには、20年後に実現する政策を、いま行うというメタ政策問題を解決する必要があります。

高齢者は、給付金を喜ぶかもしれません。農業者は、農業補助金を喜ぶかもしれません。これらの政策のタイムラグは、1、2年です。一見すると、農業者は、農業補助金をもらって得をしたと感じているかもしれません。しかし、その補助金が、若年層に過度の負担を与えた結果、出生数が低下して、20年後には、村(地方)が消滅しています。

20年前に、農業者(多くは高齢者です)が、補助金をもらうより、若年層の負担をへらした方が、20年後には、得になることを理解出来ていれば、少子化問題は解決していた可能性があります。

参議院選挙にみるように、政治家は、少子化を解決するつもりは全くありません。

20年後に効果が出る少子化対策をすれば、選挙に落選するので、少子化対策はできないと主張する政治家がいるかもしれません。

しかし、その政治家は、メタ問題を無視しています。

6)経済成長のメタ問題

成田悠輔氏は、「22世紀の資本主義」で、民主国家は、非民主国家より経済成長しないと、過去のデータを分析(帰納法)して、主張します。

しかし、この説明は、変です。

民主国家は経済成長を設計図に含んでいません。

鄧小平氏は、「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」、つまり、イデオロギーではなく、政策に、生産性優先の経済成長のシステムを組み込めば、経済は成長すると主張しました。政策の設計図に、生産性優先を組み込まなければ、経済成長しません。補助金は、生産性優先ではないので、経済成長にはマイナスになります。

野口悠紀雄氏は、「賃金と物価の悪循環」という病が、日本を破滅させているといいます。

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消費税減税も現金給付も物価高対策としてまったくの見当違いだ! 日本を破滅させる「賃金と物価の悪循環」という病 2025/07/08 東洋経済 野口悠紀雄

https://toyokeizai.net/articles/-/888658

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実際に、景気は、コロナ禍以来、最悪になっています。

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景気判断、コロナ禍以来の「悪化」 5月動向指数、0.1ポイント低下 内閣府 2025/07/7 時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/6523812e4670b79aff864da764915332cb558c19

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この問題は、メタ問題として考えれば、政策の設計図に、生産性優先の経済成長のシステムが組み込まれているかをみれば、判断できます。

鄧小平氏のように、専門的な経済学の知識がなくとも、容易に判断できます。

ただし、段落の論理(共感の論理)をすてて、パラグラフの論理で考える必要があります。