2030年問題(1)

1)少子化問題

 

TBSは、2025年6月4日に、次のように報道しています。

去年(2024年)1年間に生まれた子どもの数はおよそ68万6000人で、初めて70万人を下回ったことがわかりました。また、1人の女性が生涯で出産する子どもの数を示す「合計特殊出生率」は「1.15」となり、過去最低を更新しました。

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【速報】2024年の出生数は68.6万人 初めて70万人下回る 合計特殊出生率は「1.15」で過去最低更新 2025/06/04 TBS

https://news.yahoo.co.jp/articles/0f109b042ddc1c3bfeae252696739eb506539404

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2025年2月27日の毎日新聞の報道は以下でした。

 

厚生労働省は2025年2月27日、人口動態統計の速報値を公表した。2024年の出生数は72万988人で、統計を取り始めた1899年以来過去最少となった。速報値は在日外国人や在外日本人を含むため、6月ごろに公表される国内の日本人に限った概数では、出生数が70万人を割る可能性が高い。

 

 出生数は9年連続の減少で、23年の75万8631人から3万7643人減り、前年比5%の減少となった。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(中位推計)では出生数が72万人台となるのは39年で、推計よりおよそ15年早いペースで少子化が進んでいる。在日外国人らの出生数は毎年2万から3万人で、過去10年の平均的な減り幅で計算すると2024年の国内の日本人に限った出生数は69万人台となる見通しだ。

<< 引用文献

24年の出生数、過去最少の72万人 推計より15年早く 厚労省 2025/02/27 毎日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c1bbad5463fca9039df6368d420c347e96ef481

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この時点では、69万人台の予測でしたが、6月の速報値では、68万人台です。

 

このブログでは、昨年の9月にこの問題を取り上げています。

 

「プラグマティズムの研究(8)2024/9/15」

 

そこでは、星野論文を参考にしています。

 

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出生数減少が止まらない 2024/05/27 第一生命研究所 星野 卓也

 

https://www.dlri.co.jp/report/macro/340186.html

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一部を引用します、

 

 

表1 2024年の出生数予測(*は、星野 卓也氏による)



西暦  出生数

 

    万人  減少率

 

2021年 81.1

 

2022年 77.4   -4.6

 

2023年 72.7    -6.1

 

2024年 68.4*  -6.0* 

 

2024年の推定出生数は、68.4万人でした。

 

今回の速報値は、68.6万人です、

 

68.6万人を基準にすれば、予測値は、99.7%になりますので、ほぼ的中といえます。

 

また、次のようにも書きました。

2022年の社人研の予測では、出生数50万人割れは2076年です。



2024年の星野論文を参考にした予測(-6%)では、出世数50万人割れは2030年です。

2023年に、社人研の予測が更新されています、予測は2070年までです。

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日本の将来推計人口(全国)2023

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp

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この値を次に、引用します。

 

2023年の社人研の予測では、出生数50万人割れは2071年です。

 

2023年の社人研の出生低位(死亡中位)推計の出生数50万人割れは2050年です。

 

2023年の社人研の出生低位(死亡高位)推計の出生数50万人割れは2050年です。

 

死亡率の推定幅は小さく変化は問題になりません。

 

2022年の中位推定値の2076年は、2071年になり、5年短縮しています。

 

出生低位の出生数50万人割れは2050年です。

 

出生低位のシナリオを引用した理由は、次にあります。

 

舞田敏彦氏は、次のように言います。

18歳人口の減少により、経営が苦しい大学が増えている。全国の私立大学のうち、入学定員充足率が100%に満たない、すなわち定員割れを起こしている大学の割合を見ると、1990年では4.1%だったが2024年では59.2%にもなっている(日本私立学校振興・共済事業団)。今では、私大の6割が定員割れだ。

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今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実 2025/05/28 Newsweek 舞田敏彦

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/05/553286_1.php

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舞田敏彦氏は明言していませんが、社人研の人口予測が合わないので、2025年に、文部科学省は、大学の再編見通しに使う人口予測を、社人研の中位推定から、下位推定に入れ替えました。その結果、計算上つぶれる大学が急増しています。

 

この見直しは、出生数50万人割れを、2071年から、2050年に変更する対応になります。

 

2026年に大学を受験する18歳人口を2004年の出生数であると考えます。

 

2004年の日本の出生数は111万835人です。

 

2014年の日本の出生数は100万3539人です。

 

2024年の出生数は、68.6万人です、

 

2030年の星野モデルの出生数は、49万人です。

 

2026年(2004年出生111万835人)で、私大の60%が定員割れです。

 

以下、比例で計算します。

 

2036年(2014年出生数100万3539人)で、私大の64%が定員割れです。

 

2046年(2024年出生数68.6万人)で、私大の73%が定員割れです。

 

2050年(2030年出生数49万人)で、私大の82%が定員割れです。

 

50万人割れが、2071年=>2050年=>2030年と変化すると、大学は、大半がなくなります。

 

この予測が、出生数です。総人口の減少は、これより緩やかになります。

 

出生数が100万人を超えていた時代の半分以下になれば、社会システムを再構築する必要があります。

 

大学の数が半分になれば、養成する医師の数も半分にする必要があります。一方、患者の数は、そこまで減りません。つまり、AIによる診断など、社会システムの再構築をしないと医療は破綻します。

 

この検討は、確率モデルを使わないと検討ができません。ベイズ推計をするので、あれば、2025年の標準では、Stan言語をつかってモデルを表現する必要があります。

 

週刊女性は、次のように伝えています。

 

5月27日、朝の情報番組『DayDay.』(日本テレビ系)にこども家庭庁の三原じゅん子大臣が出演。止まらない少子化についてのインタビューの模様が放送されたのだが、その内容が物議を醸している。

 

 この日、同番組MCで1児の父でもある山里亮太が三原大臣を単独インタビューした。三原大臣は7.3兆円もの予算が振り分けられていることに対して、「何をしてるんだとよく言われているのは承知している」「児童手当、育児休業、保育園運営費、ひとり親支援などですぐに7.3兆円になり、一生懸命説明をしているが、なかなか知って頂けないのが現状」と心境を語った。

 

 さらに、改善が見えない少子化について、対策がうまくいっていないことを謝罪した上で、出生数の目標数を掲げることは圧力になるとし、「政府としての目標数値は出さない」とあくまで結婚も出産もその方の自由というスタンスを見せたのだ。

 

「三原大臣は、その後も少子化に対しての検証はどうなのかと問われると、『これからしっかりそこを始めていって、何かによって向上したのなら、その検証はなんなのか』とコメントし、検証は今後実施予定だと話しました。その発言に、インタビューしていた山里さんも思わず『これから今までの検証をしていく?』と首を傾げる場面もありましたね」(テレビ局関係者)

 

少子化対策は、2004年から2022年まで累計65兆円以上が投じられています。20年以上も問題視されてきた少子化ですから、何をやっていたんだと言われても仕方ないでしょう。

 

 「子ども家庭庁」は、2023年4月から新たにできた省庁だが、その成果の見えなさに世間からは“家庭庁不要論”が根強いと、経済ジャーナリストは指摘する。

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「呆れしかない」三原じゅん子大臣、7兆円超えの少子化対策予算も“検証はこれから”発言が大炎上 2025/05/28 週刊女性

https://news.yahoo.co.jp/articles/f264cfc489682fe11f524d8b2cd505b8717838e8

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言語がなければ、「問い」を立てることができません。

 

政府の少子化対策に効果がなかった原因は、言語がなかったので、「問い」を立てることができなかったためと判断できます。

 

既に、日本では医療崩壊が始まっています。

 

しかし、これから起こる医療崩壊は、想像を絶するものになります。

 

イメージとしては、ガザのようになります。

 

医療崩壊は、厚生労働省の設計図(制度)が原因で起こっています。

 

文系の推論である帰納法は間違いで、問題を解決できません。

 

これは、トランプ大統領の関税政策を考えれば理解できます。

 

最近のアメリカは、関税政策をしてきませんでした。

 

過去のデータから、トランプ大統領が何をするかは予測できません。

 

しかし、トランプ大統領は、アメリカ経済復活の設計図を書くつもりでいます。

 

つまり、どのような設計図を考えているかがわかれば、トランプ大統領の関税政策の予測が可能になります。

 

もちろん、その設計図には、間違いが含まれている可能性が高いですが、トランプ大統領に、アメリカ経済復活の設計図を書くつもりがなければ、介入は起きません。

 

厚生労働省は医療の設計図(制度)を今まで書いてきました。恐らく、厚生労働省は、数的言語を持たないので、実現可能な設計図をかくことができませんでした。

 

数的言語で、問題を定式化できれば、解決が進まなかったときに、どこに問題があるかを検討することが可能になります。

 

「子ども家庭庁」は、「問い」を表現する数的言語をもっていないので、推論することができていません。

 

なお、出生率の減少のー6.0をトレンドと見てはいけません。

 

因果モデルで考えれば、原因は、若年層の貧困にあります。

 

貧困問題がなければ、コメが5kg5000円でも問題はありません。

 

原因が貧困問題である場合には、2000円の備蓄米では、問題は解決しません。