国民民主・玉木雄一郎代表の備蓄米「動物の餌になるようなもの」発言の報道には、問題が多いので、整理しておきます。
最初に整理しておきますが、2013年以降は、備蓄米を不作時に市場に戻すプロセスがなくなっています。
つまり、備蓄米を市場に放出するルールが制度には含まれなくなっています。
仮に、備蓄米を場に放出するルールがある場合、5年間保存する意味は全くありません。5年間保存するルールには、備蓄米を市場から隔離して戻さない目的があります。
パラグラフの論理でいえば、何の問題を解決するための備蓄米制度であるかという「問い」なしには、推論も議論もできません。
パラグラフの論理は、法度体制を崩壊させるので、段落の論理(共感の論理)へのすり替えが行われます。
1)5月18日
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読売新聞社が5月16から18日に実施した全国世論調査で国民民主党の支持率は4月から2ポイント減の11%で、報道各社の今月の世論調査でも前月からの下落が目立つ。
党内では、今月14日に元衆院議員の山尾(本名・菅野)志桜里氏や前参院議員の須藤元気氏ら議員経験者4人を参院選比例選に擁立すると発表したことが影響したと見る向きは多い。
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国民民主、支持率下落に危機感…山尾氏ら擁立にSNS「変な流れになってきた」2025/05/26 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250525-OYT1T50127/
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5月18日の世論調査はファクトです。
「議員経験者4人を参院選比例選に擁立すると発表」もファクトです。
「議員経験者4人を参院選比例選に擁立すると発表したことが影響」は、仮説であってファクトではありません。
2)5月28日
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国民民主党の玉木雄一郎代表は28日の衆院農林水産委員会で、小泉進次郎農相への質問の中で、政府が放出する備蓄米に関して「あと1年たったら動物の餌になるようなもの」と発言した。政府が放出する2021年産備蓄米を指しているとみられる。
政府は、約5年間の保存期間を過ぎた備蓄米を飼料用などとして売却しているが、交流サイト(SNS)上では不適切などとの批判が上がっている。
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備蓄米「1年で動物の餌」 国民民主党・玉木雄一郎代表、農水委で 2025/05/29 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28DMA0Y5A520C2000000/
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「あと1年たったら動物の餌になるようなもの」との発言は、ファクトです。
「交流サイト(SNS)上では不適切などとの批判」はファクトです。しかし、このファクトには、サンプリングバイアスがあります。
SNSでは、発信する人も割合は極めて低いので、意見には、代表性がありません。
マスコミは、通常は、SNSの意見には、バイアスがあり、マスコミの意見が正しいと主張します。
しかし、ここでは、その基本ルールをマスコミが破っています。
これでは、SNSがあれば、マスコミはいらないことになります。
3)5月30日
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交流サイト(SNS)を活用し人気を集めてきた国民民主党への風向きが変わりつつある。昨年の衆院選では「対決より解決」をスローガンに躍進し、その後も支持を急拡大してきた。しかし最近は、玉木雄一郎代表の言動に批判が寄せられて釈明に追われたり、方針を転換したりするケースも目立つ。報道各社の調査で政党支持率が軒並み下落するなど勢いに陰りもみられる中、国民民主は夏の参院選の「台風の目」でいられるのか。
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国民民主の人気にかげり? 目立つ釈明、玉木氏「餌」発言にも批判 2025/05/30 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250529/k00/00m/010/357000c
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5月18日の全国世論調査は、玉木氏の「動物の餌になるようなもの」発言の前に行われています。
つまり、玉木氏の「動物の餌になるようなもの」発言は、5月18日の全国世論調査で、国民民主党が下がった原因ではありません。
しかし、この報道は、玉木氏の「動物の餌になるようなもの」発言が、5月18日の全国世論調査で、国民民主党が下がった原因であると主張しています。
明言はしていませんが、そのように誤解することを期待しています。
また、「動物の餌になるようなもの」を「餌」と要約することは。不正確です。5年をすぎれば、餌米にするルールですが、それまでは、餌米ではないので、玉木氏は「動物の餌になるようなもの」といっています。
4)5月31日
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国民民主党の玉木雄一郎代表は30日夜、備蓄米を「あと1年たったら動物の餌になる」と発言したことについて、自らのX(旧ツイッター)に「私の発言はお米を待ち望んでいた皆さんにとって大変不快なものであったと深く反省しています」と投稿した。
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国民民主・玉木雄一郎代表、備蓄米「動物の餌」発言を「深く反省。後悔している」と投稿 2025/05/31 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20250531-RUI6VGLAPVP3HKTNM2S74ENKBM/
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5月30日に、玉木氏は、「私の発言はお米を待ち望んでいた皆さんにとって大変不快なものであったと深く反省しています」と投稿しました。
「あと1年たったら動物の餌になる」は、「動物の餌になるようなもの」と同様に、正確な表現です。一方、新聞のタイトルは、「動物の餌」と断定しています。
5)6月1日
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TBSをキー局とするテレビネットワークJNNが5月31日と6月1日に固定電話と携帯電話を使って世論調査を実施。それによると、国民民主の支持率は前回10・2%だったが、今回は3・4ポイント下落して6・8%。一方の立憲民主党は前回の5・6%に2・6ポイントを増やして8・2%、国民民主の支持率を逆転した。
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国民民主が支持率3・4ポイント急落で立民逆転 備蓄米「動物のエサ」発言で「玉木雄一郎代表」が大炎上、「消費者が求めるのは安い“ササニシキ”」発言に大いなる違和感 2025/06/03 デイリー新潮
https://news.yahoo.co.jp/articles/0fde4cf49ab6b083d23b828d92830af9afdf6aec
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6月1日のTBSの世論調査では、国民民主の支持率は前回の10・2から、3・4ポイント下落して6・8%になりました。これはファクトです。
「動物の餌になるようなもの」発言もファクトです。
しかし、この2つの間に因果関係があるかは不明です。
6)アジェンダ設定理論
「6月1日のTBSの世論調査の国民民主の支持率低下」と「動物の餌になるようなもの」発言の間には、因果関係が成り立つ可能性はあります。
しかし、「6月1日のTBSの世論調査の国民民主の支持率低下」が、他の原因で起こった可能性もあります。
「5月18日の世論調査の国民民主の支持率低下」と「動物の餌になるようなもの」発言の間には、因果関係はありません。
マスコミの報道は、媒介因子になってる可能性があります。
「動物の餌になるようなもの」発言=>マスコミの報道=>「6月1日のTBSの世論調査の国民民主の支持率低下」
その場合には、デープステート(既得利権のマスコミ操作)が影響していた可能性があります。
英語版のウィキペディアのアジェンダ設定は次のようにいいます。
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アジェンダ設定(agenda-setting)理論は、コミュニケーションメディアが、問題を特定し公表する能力を通じて、政府や国際機関の注目を集める問題の形成に重要な役割を果たし、世論を特定の問題に向けさせると示唆している。この理論は、メディアはどの問題が最も注目されるかを決定することで世論を形成できると示唆しており、様々な形態のメディアに広く研究され、適用されてきた。世論に影響を与えるニュース記事や話題が提示される方法は、メディアの影響を受ける。この理論は、ほとんどの個人がほとんどの問題について1つの情報源、つまりニュースメディアにしかアクセスできないという考えに基づいている。ニュースメディアはアジェンダを設定するため、ある事柄の重要性に対する見方に影響を与える可能性がある。
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一田和樹氏は、次のようにいいます。
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欧米で起きようとしている大手メディアのアジェンダ設定能力の減退は、日本でも起きる可能性がある。正確に言えば、メディアへの信頼や閲覧は減少しているので、すでに起きていると言った方がよいだろう。
「メディアは権力の番人」と言われるが、それができるのはアジェンダ設定能力があるからだ。なければ、いくら不正や問題を声高に主張しても多くの耳には届かないし、ヘタをすると陰謀論扱いされる。
誤解しないでほしいのは、大手メディアの凋落は外的要因もあるが、大手メディア自身にも問題があったことが大きいことだ。メディアに透明性があり、公正な競争をしていたなら、こうはならなかっただろう。変化はトランプ政権以前から起きていた。正しく現実を認識し、対応してこなかったツケが現在なのだ。
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アメリカ発「陰謀論が主流に」──民主主義と情報の未来、日本は対岸の火事か? 2025/06/02 Newsweek 一田和樹
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2025/06/post-64_1.php
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日本の研究者のアジェンダ設定理論の理解には、問題があります。
アジェンダ設定理論は、パラグラフの論理を前提としています。
「動物の餌になるようなもの」という議論は、段落の論理(共感)の世界にしかありません。
「動物の餌になるようなもの」という議論を、アジェンダ設定理論で扱うことはできません。
さらに、アジェンダ設定理論には、致命的な欠陥があります。
パールが主張するように、アジェンダ(問い)を数的言語で表現できれば、アジェンダの解決は、数学の問題になります。コンピュータサイエンティストは、この世界の住民です。「問い」とデータがあれば、この「問い」を解くことができるか、解くことができないかの判定が可能になります。解くことができない「問い」を議論することは時間の無駄です。
アジェンダ設定理論には、数的言語がないので、アジェンダが、「問い」になっているかという判定条件が欠けています。
パール流にいえば、表現は、内容より優先します。言語がなく「問う」ことができなければ、考えることはできません。