世界経済フォーラムが、1月に「仕事の未来レポート」を出しています。
概要説明は、以下の通りです。
<
今年の「仕事の未来」調査の回答者が予測した雇用とスキルの展望の変革は、世界中の企業、産業、政府、そして労働者に重大な影響を及ぼすでしょう。雇用主と労働者双方にとって、きめ細かな予測を立て、適切な人材戦略を策定し、雇用とスキルへの混乱を管理するための情報に基づいた意思決定を行うことが不可欠です。
今回の「仕事の未来レポート」は、2025年から2030年にかけての世界労働市場の見通しについて、複雑な状況を示しています。一方では、地経学的断片化の拡大、生活費の上昇、労働力におけるAIツールの広範な導入といった新たな要因が台頭する中、世界的なマクロトレンドは、政策立案者、雇用主、労働者にとってこれまで以上に複雑な環境を作り出しており、不確実性は依然として高いままです。他方では、近年実施されたリスキリング、アップスキリング、再配置の取り組みがデータに反映され始め、世界の労働力への影響が顕在化し始めているため、スキル陳腐化率は継続的に低下しており、世界の雇用見通しは非常に良好であると報告書は示しています。
あらゆる業界や地域の雇用主は、以前のレポートよりも、労働力と人材の課題に積極的に取り組む意識と意欲が高まっており、スキルベースの雇用ポリシーや、多様性、公平性、インクルージョンへのより戦略的な重点など、革新的なアプローチを実際的に活用することで、これに取り組んでいます。
しかし、スキルギャップは依然としてほとんどの業界や経済において変革を阻む主な障壁となっており、今年の「仕事の未来レポート」では、建設的なマルチステークホルダーの関与が求められる将来の優先分野の初期の兆候がいくつか示されています。これには、より広範かつ拡大する職務における積極的かつ動的な転職の必要性や、より高度な自動化とより広範な拡張の間の適切な将来のバランスに関する疑問などが含まれます。
この最後の点は、「仕事の未来」報告書の発足以来の核心的な信条を反映しています。すなわち、仕事の未来はより良い成果に向けて形作られるものであり、今日のリーダーたちが行う政策、ビジネス、投資に関する意思決定こそが、こうした成果と将来の行動の余地を決定づけるということです。世界経済フォーラムは、人的資本に関する2つの旗艦イニシアチブ、「リスキリング革命」と「ジョブズ・イニシアチブ」を通じて、未来を見据えた包括的な労働力の構築を積極的に支援しています。
私たちは、この報告書が、労働者、企業、政府、教育者、そして市民社会がより良く準備し、すべての人にとってより良い仕事の未来を築くための力となるよう、マルチステークホルダーによる野心的なアジェンダに貢献することを願っています。
>
<<
Future_of_Jobs_Report_2025
https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/
https://reports.weforum.org/docs/WEF_Future_of_Jobs_Report_2025.pdf
>>
この「仕事の未来レポート」は、2025年から2030年にかけての世界労働市場の見通しを書いています。
「仕事の未来レポート」は、この予測があたるというのではなく、「仕事の未来」について考える上で、必要な留意事項を並べたものです。
白書や青書も、政策を決定するときに、配慮すべき事項をまとめたものです。
ここには、推論に必要なデータが要約されています。
日本政府は、政策を決定するための背景となるデータを公開していません。
政府は、実質的には、減反政策を実施しています。
政府は、「コメ価格は、JAルートより2倍の高値で取引している直接取引増加で高止まり」しているといいます。
<
農水省が24年産米に関し、流通の各段階で売買される玄米60キロ当たりの価格を調べたところ、全国農業協同組合連合会(JA全農)など大手集荷業者を介さず、JA以外の業者らが農家から直接買い取るなどしたコメの「スポット価格」が今年1から4月時点で、JA経由の販売ルートの約2倍の高値になっていることが19日、判明した。
>
<<
コメ価格、直接取引増加で高止まりか JAルートより2倍の高値 2025/05/20 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/71c6644b79d05688108fe4d087ef2467d6a7be30
>>
これは、JAは悪くないというアリバイ作りにすぎません。
コメの価格が高い原因は、需給バランスにあります。
コメが不足しているので、あれば、輸入すれば、価格は下がります。
政府は、コメの価格は市場で決まるといいます。
一方では、転売や直接取引の販売価格に介入するつもりです。
これは、論理的に破綻しています。
1990年頃に、野菜の輸入が拡大するまで、野菜の価格は乱高下しました。
俗に、十一(といち)といわれ、野菜農家は、10年に1度の価格高騰時にもうければ、あとの9年が赤字でも元が取れると言われていました。
その頃の経験則は、需給バランスが1割不足になれば、価格は、2倍になるというものです。
この経験則を、コメに当てはまれば、恐らく、供給が1割不足していると思われます。
原因が、需給バランスにある場合、「高値で取引している直接取引増加」は、需給バランスの不足の結果であって、原因ではありません。
政府は、デ―タを示さずに、段落の論理を繰り返しています。
さて、話を、「仕事の未来レポート」に、戻します。
2025年の「仕事の未来レポート」は、今までの「仕事の未来レポート」の延長線上にあるのですが、実は、不連続な部分があります。
「地経学的断片化の拡大、生活費の上昇、労働力におけるAIツールの広範な導入といった新たな要因が台頭」は、そのことを示しています。
「仕事の未来レポート」では、AIの影響を2023年(2年前)からと考えています。そして、2030年までに、その影響は一巡すると考えています。
「仕事の未来レポート」は、今までのレポートのように、AIによってなくなる仕事という視点を採用していません。
郵便のように、ほぼなくなることが確定であるという扱いの事項もありますが、例外です。
多くの仕事では、仕事の方法について、スクラップとビルドが共存すると考えます。
そして、新しいスキルを身につけた人は、ビルド担当として、就職が容易になるという見通しを示しています。
東南アジアで、一人当たりGDPが一番高い国は、シンガポールです。
シンガポールの政策は、明快で、生産性の低い部門をづくラップして、生産性の高い部門をビルドしていく方法です。
つまり、「仕事の未来レポート」は、2030年までに、AIを中心に、シンガポール方式(生産性の低い部門をづくラップして、生産性の高い部門をビルドしていく方法)が、一般化すると予測してています。
日本は、シンガポール方式を拒否してきたので、30年間、ひたすら貧しくなりました。
「仕事の未来レポート」は、次の5年間に起こる変化は、過去30年の変化に匹敵すると主張しています。