5)AIの仕事
5-1)CoPilot
政府は、コメの価格が下がらない場合などについて、説明をしています。
しかし、その説明には、利権を優先して、問題解決を放置している疑惑があります。
今まで、このような場合には、利害関係のない人の意見を聞く方法がありませんでした。しかし、生成AIは、そのハードルを取りました。
以下に、CoPilotの返答の例をあげます。
5-2)コメの価格が下がらない原因
日本のコメの価格が下がらない主な原因として、以下のような要因が挙げられます:
- 減反政策: コメの生産量を調整するために、農家に対してコメ以外の作物への転作を奨励する政策が長年行われてきました。この政策により、供給が抑えられ、価格が維持される傾向があります.
- 備蓄米の放出と買い戻し制度: 政府が備蓄米を市場に放出して価格を安定させようとしていますが、放出された米が十分に流通しない場合や、買い戻し制度があるため、価格が大きく下がらないことがあります.
- 流通の問題: 集荷業者や流通業者の間で、米の在庫が適切に市場に出回らないことが指摘されています。このため、供給が滞り、価格が高止まりすることがあります.
- 気候変動の影響: 最近の気候変動により、コメの生産量が不安定になり、供給不足が価格上昇の一因となっています.
- 需要と供給のバランス: 国内需要の変動や輸出の増加も、価格に影響を与えています.
これらの要因が複雑に絡み合い、コメの価格が下がりにくい状況を生み出しています。
5-3)中小企業の生産性が上がらない原因
日本の中小企業の生産性が上がらない原因として、以下のような要因が挙げられます:
- デジタル化の遅れ: 多くの中小企業では、古いシステムやアナログな業務プロセスが依然として使われており、効率化が進んでいません。
- 長時間労働の文化: 長時間働くことが成果と見なされる風潮が根強く、効率的な働き方への転換が進んでいない。
- 人材不足とスキルギャップ: 特にITやデジタルスキルを持つ人材が不足しており、新しい技術や方法を導入するのが難しい。
- 資金や設備投資の制約: 大企業と比べて資金力が弱く、新しい設備や技術への投資が難しい。
- 市場競争の激化: デフレや低価格競争の影響で、利益率が低くなり、付加価値を生み出す余裕が少ない。
これらの要因が複合的に絡み合い、生産性向上の妨げとなっています。中小企業が持続可能な成長を遂げるためには、デジタル化の推進や働き方改革、そして人材育成が重要です。
5-4)日本の漁獲量が減少している原因
日本の漁獲量が減少している原因には、以下のような要因が挙げられます:
- 乱獲: 長年にわたる過剰な漁業活動が魚の資源を枯渇させています。特に稚魚や幼魚を捕獲することが資源の回復を妨げています。
- 気候変動: 海水温の上昇や海洋環境の変化が魚の生息地や回遊ルートに影響を与えています。これにより、従来の漁場での漁獲量が減少しています。
- 海洋汚染: プラスチックごみや化学物質による汚染が魚の生息環境を悪化させています。
- 排他的経済水域の設定: 他国の漁場からの撤退や漁場環境の悪化が漁獲量減少の一因となっています。
- 外国漁船の影響: 一部の魚種では外国漁船による漁獲が影響を与えている可能性があります。
これらの要因が複合的に絡み合い、日本の漁獲量減少を引き起こしています。持続可能な漁業や環境保護の取り組みが重要です。
5-5)コメ農家の収入が上がらない原因
コメ農家の収入が上がらない原因には、いくつかの構造的な問題があります。以下に主な要因を挙げます:
- 生産コストの増加: 肥料や燃料費、機械の維持費などが急上昇しており、コメの価格が上がっても農家の利益が減少しています。
- 流通構造の問題: JAや商社がマージンを取るため、農家に直接利益が回りにくい仕組みがあります。
- 高齢化と後継者不足: 農業従事者の高齢化が進み、若者が農業を継がないため効率的な生産が難しくなっています。
- 市場の競争力不足: 小規模農家が多く、IT化の遅れや輸出への非積極性などが競争力を低下させています。
これらの問題を解決するためには、政府の支援策やスマート農業の推進、消費者による国産米の選択などが重要です。
5-6)まとめ
以上のように、大臣の説明のマスコミ報道を聞くより、CoPilotに尋ねる方がより有効な時間の使い方になります。
全く役にはたたないマスコミの報道を無視する人が出てきていますが、生成AIはその傾向を増強します。
ここで、「どうしたらコメの価格が下がるか」(コメの価格を下げる方法)を考えます。
CoPilotは、コメの価格が下がらない原因の第1は、減反政策であるといいます。
CoPilotは、以下の5つを原因としてあげています。
C1= 減反政策
C2= 備蓄米の放出と買い戻し制度
C3=流通の問題
C4= 気候変動の影響
C5=需要と供給のバランス
まとめれば、次になります。
E(Effect)=コメの価格
C(Cause)=(C1,C2,C3,C4,C5)
E<=C
ここで、仮に、C1に介入して、「コメの減反政策をやめたら、コメの価格がどうなるか」という問いをたてます。
この問いは、「E<=C1」というエスティマンドを作ることに対応します。
この場合には、(C2,C3,C4,C5)は交絡因子になり、調整を検討します。
同様に、C2からC5に介入した場合についても、問いを作り、各々エスティマンドを求めます。
仮に、交絡因子の影響を取り除いた5種類のエスティマンドができたと仮定します。
次に、前向き研究で、5種類のエスティマンドに対応したデータを集めます。
データが集まれば、因果推論ができます。
こうして、因果モデルができれば、C1からC5に介入した場合の政策効果の予測ができます。
原因のなかから、もっとも、効果の高い原因への介入を優先して行えば、コメの価格を下げることができます。
以上の説明では、CoPilotが指摘するコメの価格が下がらない原因には見落としがないという仮定が置かれています。
実際には、見落としがある可能性があります。見落としに気づいた場合には、再度エスティマンドを修正する必要があります。
また、CoPilotが指摘するコメの価格が下がらない原因は、統計学(相関、マッチング)で求められています。
この方法には、3つの問題点があります。
第1に、前向き研究で得られたデータでないとサンプリングバイアスがあります。
第2に、相関は、因果ではないので、交絡因子の見落としの可能性があります。
第3に、因果の方向が間違っている可能性があります。
このように、CoPilotが指摘する原因を使って、因果ダイアグラムをつくり、因果モデルを求める方法には、エラーが入る可能性があります。しかし、エラーは、データを収集して、間違いを訂正することで、漸近的には、ゼロに近付けることができます。
マスコミは、専門家の意見を引用する(権威主義)が好きですが、この方法には、反事実がないので、問題解決はできません。データに基づく因果推論は、専門家の意見より、はるかに科学的で有効です。
パールは、「統計的因果推論」で、「因果関係は数学科された」といいました。
「コメの価格を下げる方法」は、因果推論の数学の問題を解けば答えがわかります。
「コメの価格を下げる方法」がわからない人は、数学ができないのです。
因果推論をする(数学の問題を解く)ためには、強いAIが必要です。
2025年時点では、強いAIは、実用化されていませんので、数学の問題は、人間が解く必要があります。
強いAIが実用化すれば、人間は、AIに、「コメの価格を下げる方法」の答えを聞けばよいことになります。
そのときには、財務省だけでなく、政府の組織は、殆どが不要になります。
コメの価格以外の問題にも、同じ因果推論の手法が使えます。
5-7)加藤財相の話
加藤財相は、次のようにインタビューに答えています。
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公務員の人材流出などにより、役所の仕事や教育現場などが危機にひんしている。公務員の「賃上げ」のキーパーソンである加藤勝信財務相に、待遇改善の必要性を聞いた。
- 政治家が決断するための材料や選択肢を示す 中央省庁への期待は高い
――かつては、東京大学在学中に司法試験に受かり、成績がトップという人材が中央省庁に入るのが当たり前でした。現在は、むしろ外資系コンサルティング会社などの方が人気です。
(国家公務員の)人材確保はかなり難しくなっています。
――公務の現場は限界にきていませんか。今の機能を10年後も維持できるでしょうか。
教育現場には、さまざまな問題があり、持続可能ではないといわれています。
中央官庁では、より政策的な仕事が多くなる。最終的な判断は大臣や政治家がしますが、そこに至るまでのプロセスで、現状分析とか、どういう選択肢があるのかといった部分は、(官僚が)どこまで(判断材料を)つくってくれるのかが重要で、その点で、中央省庁で働く方々への期待は大きいのです。
――財務省はかつて公務員志望の学生から一番人気でしたが、最近はどうでしょうか。
財務省だけでなく、昔に比べると厳しくなってきたと採用の担当者から聞いています。
- 財務省解体デモの背景に「国民の困窮」 問題に対応する知恵を出し、役割をアピールする
――「財務省解体デモ」が行われているのは、採用にとってネガティブだと思います。職員に対してどういった話をしていますか。
デモの背景にどういう国民の思いがあるのか。やっぱり物価上昇とか、生活の厳しさがあると思う。政治として、そういった思いにどう対応するのか、そのための知恵を役所からどう出していくかです。
(財務省を志望して)来る人から見ると、確かにネガティブな部分はあるとは思いますが、そこのところをわれわれ自身がどう乗り越えていくのか(が重要)です。財務省なら財務省の、中央官庁なら中央官庁の仕事がどういうもので、どんな役割を果たしているのか、そして国民の皆さんの生活にどうつながってるのかをしっかりPRしていくということがすごく大事です。
今はインターネットやSNSがあるから、ああいうデモにもつながってるのかもしれないけれども、逆に言えば、ネット社会になった中で、SNSなどを使いながら、いかにタイムリーに発信していくのか勉強しなければいけないと思います。役所の広報は堅いですから。
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加藤財相が「財務省解体デモ」の影響と対応策を激白、中央省庁が国民に貢献していることを発信していく 2025/04/23 Diamond
https://news.yahoo.co.jp/articles/409ca4004691f7efacb056f08f4538d017c4f7d3
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出来る限り要約をしてみました。一部には、質問と解答が対応していない部分があり、そこは、要約できませんでした。
ポイントは次の部分にあります。
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最終的な判断は大臣や政治家がしますが、そこに至るまでのプロセスで、現状分析とか、どういう選択肢があるのかといった部分は、(官僚が)どこまで(判断材料を)つくってくれるのかが重要で、その点で、中央省庁で働く方々への期待は大きいのです。
>
ここにあるのは、段落の論理です。
大臣や政治家の最終的な判断に合わせて、現状分析と選択肢を提示することが官僚の仕事であるといっています。
段落の論理では、データと論理は主張を補強するものであって、データと論理によって、主張が変わることはありません。
政治主導とは利権主導の意味です。
段落の論理は、因果推論(科学の方法)とは対立します。
因果推論の科学では、答えを求めるためには、まず、問いを発する必要があります。
この問いは。例えば、「コメの価格を下げる方法は何か」といった問いです。
この問いの設定は、AIではなく、人間(政治家)が行います。
この問いの設定ができれば、「コメの価格を下げる方法」は、因果推論の数学の問題を解けば答えがわかります。
つまり、大臣や政治家が介入する余地はありません。
もちろん、そうなれば、利権が失われて、選挙に落選するかもしれません。
したがって、大臣は、「コメの価格を下げる方法」などの問題解決よりも、利権を優先したいといっています。
現状は、政治家の利権とAiの間のバトルが起こっていると見ることができます。
官僚になることは、国民の問題を解決するために働くことではく、政治家に同調して、利権の保全のために活動することになります。
この場合、どこでも食べていける優秀な人は、官僚にはなりません。