段落の論理の拡張(4)

6)論点の整理

 

6-1)パラグラフの論理

 

パラグラフの論理は、次の形をしています。

 

主題(結果)<=論理(原因)

 

主題(結果)<=データ(原因)

 

トランプ大統領の関税政策を例に説明します。

 

主題(結果):日本は、対等な関税政策(自由貿易)に違反している。

 

論理(原因):関税税率が対等である。非関税障壁がない。

 

コメの場合のデータを示します。

 

データ(原因):日本のコメの輸入関税税率は、800%であり、アメリカがコメを輸入する場合の税率に比べて著しく高い。

 

パラグラフの論理では、論理(原因)または、データ(原因)に、間違いが見つかった場合には、主題(結果)を再検討します。

 

「日本のコメの輸入関税税率は、800%」は、間違いである可能性が高いです。しかし、この数字を仮に、400%に入れ替えても、パラグラフの論理の結論(主題、結果)を変更する必要はありません。

 

したがって、800%は、大きな問題ではありません。

 

6-2)段落の論理

 

段落の論理は、次の形をしています。

 

主題(結果)=>論理(原因)

 

主題(結果)=>データ(原因)

 

ウルグアイラウンドの時の論理は、以下です。

 

主題(結果):「コメをひとつぶたりとも輸入してはならない」

 

論理(原因):

 

日本は、コメを輸入したことがない。

 

データ(原因):

 

貿易統計データをみれば、明治時代以降、食料不足時には、何度もコメが輸入されています。

 

「日本は、コメを輸入したことがない」という主張は、事実に違反します。

 

論理(原因):

 

コメは、日本人の主食の特別な作物である。

 

データ(原因):

 

コメは、単価が高く、保存性がよかったため、商品作物の中心でした。しかし、歴史的にみえれば、コメを主食とした日本の人口の割合は高くありません。農村部では、イモや雑穀が主食でした。

 

中国では、揚子江流域は、コメの食文化で、黄河流域は、小麦の食文化です。

 

日本の場合、コメの生産の北限は、関東から新潟のラインです。このライン以北での室町時代以前のコメの生産は限定的です。コメは、換金性が高いので、生産を希望する地主と農家が多く、江戸時代以降新田開発が繰り返されています。

 

6-3)無謬主義

 

ウルグアイラウンドでは、コメの輸入は、無謬主義でした。

 

コメの輸入が発生する場合のシナリオの検討は封印されたいました。

 

無謬主義は、段落の論理です。

 

データ(原因)と論理(原因)は、主張(結果)に合わせて捏造されます。

 

この推論は、逆向き推論なので、真の原因(論理、データ)を放置して、ダ三―の原因(論理、データ)に入れ換えます。

 

法度体制の公務員制度は、無謬主義です。そこには、段落の論理しかありません。

 

政府のトランプ関税対策も、マスコミの方法を見る限り、主題(結果)だけです。

 

たとえば、「あらゆる手段を駆使する」といった報道がありますが、これは、主題(結果)に合わせて、手段(論理、原因)を探索する逆向き推論です。

 

日本の政治家は、段落の論理を使い、主題(結果)の調整では、真のデータ(原因)と新の論理(原因、因果関係)を無視します。

 

主題(結果)の調整は、利害関係の調整のみに基づいています。

 

この推論は、原因から結果に向かう因果推論を無視しています。

 

この推論は、科学を無視しています。

 

アメリカは、パラグラフの論理が基本です。

 

100%パラグラフの論理でない部分もありますが、それは例外です。

 

たとえば、温暖化対策は、段落の論理でできています。

 

アメリカより、EUの方が、段落の論理に対して寛容です。

 

ドイツは、段落の論理で、自然エネルギーを拡大した結果、エネルギーコストの異常な上昇をまねいています。

 

温暖化対策は、必要かも知れませんが、因果法則を無視した逆向き推論をすれば、現実と乖離してしまいます。

 

官僚は、無謬主義を主張します。

 

科学の方法で推論すれば、無謬主義はありえません。

 

6-4)まとめ

ここまで、書いてきて、段落の論理では、意見の調整はなく、利権の調整しかないという理解について、考えてしまいました。

 

国会答弁をみても、「意見の調整はなく、利権の調整しか」みられません。

 

これは、民主主義の基本が崩壊していることを示します。

 

日本の政党は、党議拘束(Party discipline、政党規律)をかけます。

 

自由民主主義において党の規律が強化されるにつれ、低位の党員の大多数が単なるブランド大使となり、党全体の価値観を代表することを最重要任務とするブランド大使現象(The brand ambassador phenomenon)ケースが増えています。

 

党議拘束は、主題の選択を間違えると、段落の論理になります。

 

採決には、党議拘束は、不可欠ですが、議論の場では、党議拘束をはずす必要があります。

 

しかし、実際には、そうなっていません。

 

例えば、なぜ、コメの価格がさがらないかという疑問に対しては、データを無視した段落の論理が使われています。