今回は、一眼レフ時代のニコンのAPS-Cのレンズと比較してみます。


EF50mmF1.8と比べると、DX35mmF1.8のボケは騒がしくはありません。
デジタルの一眼レフ時代のスタートでは、Nikonは、APS-C(DX)にも、力を入れていました。これは、センサーの価格が高かったためでもあります。
一方、Canonは、APS-C(EFS)は、ズームレンズだけで、単焦点は、少ないです。35㎜相当のAPS-Cレンズは、ミレーレスのEF-M32㎜F1.4だけでした。
APS-Cセンサーに、フルサイズ用のレンズをつけると、中央部がクロップされます。中央部だけみれば、同じ35㎜のレンズであれば、フルサイズ用も、APS-C用も変わらないと言えます。ただし、設計の難しさ、コストの制約を考えれば、同じ価格帯であれば、フルサイズ用のレンズより、APS-C用のレンズの方が、性能が良くなるはずです。
フルサイズ用のEF50mmF1.8の価格は、APS-C用のDX35mmF1.8より、安価でしたので、画質の上で、DX35㎜F1.8がEF50mmF1.8より、よくなるのは当然とも言えます。

写真3は、前にも載せたAPS-C用のTTArtisan35mmF1.4です。
TTArtisanがコーティングが良くないので、逆光に弱いことが知られています。
とはいえ、最近の中華レンズは、一眼レフ時代の国産レンズの水準をクリアしていると思われます。

写真4は、2015年7月16日発売のAF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRです。
ボケは安定しています。ただし、このレンズは、約480g、約80mm(最大径)× 85.5mm(フィルター径72mm)あります。
MFTですと同じ画角であれば、「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」に相当します。
このレンズは、約320g、Φ68.4mm、全長約86mmになります。
筆者は、AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm f/3.5-5.6G(約560g、約77mm(最大径)×96.5mm)を使っていたこともあります。
18-200mmの560gは、レンズのサイズが大きいので、ある程度重いだろうと身構えますが、16-80mmの約480gは、身構えないので、感覚的には、より重いと感じました。
18-200mmの場合には、片手をレンズの下におきますが、16-80mmは、片手をレンズの下にはおかないので、グリップにかかる力が大きくなり、重く感じるのかも知れません。


写真5と写真6は、OMDSの60㎜マクロレンズです。
ボケには、クセはありません。
ミレーレス時代になって、レンズの性能がよくなったので、一眼レフ時代の「安価なレンズは、性能の悪いレンズ」という公式はあてはまりません。
APS-C、MFTとセンサーが小さくなると、同じ費用で、レンズの性能を上げることが容易になります。一方では、換算画角でなく、実画角は望遠側になります。その結果、被写体までの距離が同じ場合には、ボケ量が減ります。
レンズの性能(重量、価格)とボケ量はトレードオフの関係になります。
MFTで、重いレンズを振り回すのは、ナンセンスに思われます。
実用上のF値は、1.8あれば、ほとんどの場合には、問題がありません。
結局、MFTのF1.2の高価なレンズはあまり売れなくなります。
一方、MFTのF1.8のレンズは、安価で、性能が良いです。
これは、ユーザーには嬉しいですが、問題もあります。
安価で、性能が良いことは、メーカーの利潤が小さいことを示しますので、ビジネスの継続が困難になります。
特に、レンズ設計にかかる費用は、センサーサイズには関係しません。
EF50mmF1.8は、現在の水準でみれば、あまりよいレンズではありません。
色収差や騒がしいボケは、シーンによっては目だないこともあり、そうした場合には、EF50mmF1.8でもよい写真を撮ることができます。
しかし、その場合には、かなり多くの失敗写真を覚悟する必要があります。