26)フレームワークの課題
石破茂首相(自民党総裁)は2025年3月8日、党会合で「国家のためには、受けないことでもやらなければならない。受けることばかりやっていると国は滅びる」と述べました。
<< 引用文献
「受けることばかりやると国は滅ぶ」石破首相が持論 2025/03/05 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/320749d6a533ce8515c2318599d919ad3da61576
>>
この発言は、2つの解釈が可能です。
第1は、日本初の付加価値税である消費税を導入した竹下登首相のように、全く人気のない政策を採用する代わりに、最悪の場合には、政権交代も辞さないという見解です。
第2は、菅首相のように、(国民に)受けないことを強要したいという意味です。
菅首相は、「自助・共助・公助」をキーワードにしていました。
東京新聞は、次のように説明しています。
<
「自助・共助・公助」 主に、被災時の対応という防災・減災の分野と、保険や年金など社会保障の分野で用いられる概念。2020年9月の自民党総裁選の時から菅義偉首相は「自助・共助・公助、そして絆」を政策理念として掲げた。事実上の自助重視の考え方で、2020年10月の国会では立憲民主党の枝野幸男代表が「自助努力を迫る自己責任論が強まる中、追い込まれても頼ることをためらう風潮が広がっている」と批判した。
>
<< 引用文献
自助・共助・公助 2021/01/21 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/80517
>>
枝野幸男氏のように、「自助・共助・公助」は、責任を国民に押しつけるので問題であるという発言もなされました。
「自助・共助・公助」というフレームワークは、国際的には否定されています。
27)仙台防災フレームワーク
英国の防災に関する基本の法律は、「Civil Contingencies Act 2004」です。
<< 引用文献
Civil Contingencies Act 2004
https://disasterlaw.ifrc.org/dmi/dmi_country/39
>>
「2004」は、最初の法律が出来た年で、その後も頻繁にバージョンアップしています。
英国には、法の支配があるので、官僚の通達が法律の代わりになることはありません。
このため社会状況(統計学で言えば交絡因子)の変化に合わせて、法律は、頻繁にバージョンアップされます。
「Civil Contingencies Act 2004」の最新版は、「Sendai Framework for Disaster Risk Reduction 2015-2030」(仙台防災フレームワーク)に準じていると書かれています。
日本では、「仙台防災フレームワーク」の認知度は低いと思います。
国連防災機関(UNDRR)は、世界の防災計画を先導しています。
日本では、過去に大きな自然災害が起こっています。
国連防災機関は、世界中の専門家を集めて、日本の被災経験から、何を学んで、何をすべきかという議論をしています。
2015 年 3 月に仙台で、第3回国連防災世界会議が開催されました。パブリックフォーラムを含めると、延べ 15 万人が参加したこの会議では、それまでの「兵庫行動フレームワーク 2005-2015」を発展させて、「仙台防災フレームワーク 2015-2030」が採択されています。
以下に、国連防災機関の説明の一部を引用します。
<
国連防災機関(UNDRR)
https://www.undrr.org/our-work
国連防災機関(UNDRR)には、世界中の意思決定者がリスクをより良く理解し、リスクに応じて行動できるように支援するという大きな野望があります。
UNDRR では、災害が人々の幸福と地球の未来を脅かすことのない世界を思い描いています。持続可能な開発と 2030 アジェンダは、レジリエンスの構築という目標に向けて取り組むことなしには達成できません。
ミッション
包摂的で持続可能な開発と仙台防災枠組の目標を達成するために、災害リスク軽減に関する世界的な取り組みを加速するためのリーダーシップとサポートを提供します。
ビジョン
災害リスクが人々の幸福と地球の未来を脅かすことがなくなった世界。
インパクト
UNDRRは、新たな災害リスクの予防と既存のリスクの軽減に向けて世界的に活動し、災害リスク管理を通じてレジリエンスの強化を推進しています。
作業プログラム
2024~2025年の作業計画は、行動を加速する必要がある4つの分野を定義した2022~2025年の戦略に沿ったものです。
災害 > 対応 > 依存 > 繰り返しという悪循環を断ち切る時が来ています。これは、災害管理からリスク管理に重点を移すことを意味します。政府内だけでなく「社会全体」で、私たちの生活、建築、計画、投資のあり方について、その概念的変化をもたらすことが、UNDRR での私たちの仕事の中核です。
この道のりで欠かせないステップは、自然災害というものは存在しないという事実を認めることです。地震、洪水、干ばつ、サイクロンなど、予防できない自然災害は存在します。しかし、人々が被害に遭う可能性や脆弱性を減らすよう設計された、慎重かつ協調的な計画を通じて、その破壊力を抑えること、言い換えれば、大災害に発展するのを防ぐことはできます。
UNDRRは前向きな変化をもたらし、持続可能な開発目標に向けた進歩を加速させています。
私たちは、国連システムにおける災害リスク軽減の調整を主導する機関として、権威ある専門知識と 5 つの地域事務所での存在感を活かし、国や地方政府、政府間組織、市民社会、民間部門との関係を構築し、育んでいます。
リスクに関するよりよい決定には、リスクの複雑さと持続可能な開発との関係をより深く理解することが必要です。そのため、私たちはリスクを軽減し、より効果的に回復力を構築するための最新の高品質の技術情報とデータを収集、整理、共有しています。何百人もの専門家が、世界中の政府やその他の利害関係者にとって不可欠なパートナーである私たちの科学技術諮問グループで働いています。
私たちは各国と緊密に協力し、リスクを管理し、証拠に基づく政策を実施するための統合システムの構築と強化を支援しています。その方法は、地方、国、地域レベルのすべてのガバナンス領域で DRR (Disaster Risk Reduction)を主流化することです。包括的でアクセスしやすい多災害早期警報システム(EWS)の開発と展開は、この取り組みの重要な部分です。このようなシステムは人命を救います。平均すると、災害が発生したとき、そのようなシステムを導入していない国の死亡率は、導入している国の 8 倍です。
私たちは定期的に世界および地域のイベントを開催し、パートナー、専門家、国や地域のリーダーを集めて経験を共有し、災害のリスクから開発の成果を守るために設計された一連の目標と行動指針である2015-2030年の仙台防災フレームワークの進捗状況を検討しています。
私たちの活動は、防災・減災への公共部門と民間部門の両方の投資を奨励し、加速させることも目的としています。これは必要かつ達成可能であり、特にそのような資金が気候適応と統合されている場合には経済的にも理にかなっています。
2005 年の兵庫行動フレームワークの採択以降、その実施に関する各国・地域の進捗報告書やその他のグローバルな報告書に記載されているとおり、各国やその他の関連するステークホルダーの取組により、地方、国、地域及びグローバルのレベルにおいて、災害リスクの削減が進み、そのことが、いくつかのハザード3における死亡率の減少につながりました。
UNDRRと仙台防災フレームワーク
仙台フレームワークの実施
UNDRRは、仙台防災フレームワークの実施、フォローアップ、見直しを支援し、これを実現するために国連システム内での災害リスク軽減に関する活動を調整する任務を負っています。
優先行動
優先行動1:災害リスクの理解
災害リスク管理に関する政策及び施策は、脆弱性、能力及び人と資産のリスクへの暴露、ハザードの特性、そして環境のあらゆる側面において、災害リスクの理解に基づくべきである。このような知識は、発災前リスク評価、予防策と緩和策、及び災害に対する適切な備えと効果的応急対応の開発と実施において活用することができる。
優先行動2:災害リスク管理のための災害リスク・ガバナンスの強化
国、地域、グローバルのレベルにおける災害リスク・ガバナンスは、効果的かつ効率的な災害リスク管理のために大変重要である。明確なビジョン、計画、権限、指針、セクター内又はセクター横断的な調整、そして関連するステークホルダーの参加が必要となる。それゆえ、災害の予防、緩和、備え、応急対応、復旧のためには災害リスク・ガバナンスの強化が必要となり、また、その強化により、災害リスク削減及び持続可能な開発に関連した各条約の実施機関・機構の間の協働関係や連携を促進する。
仙台フレームワークの監視
強力な説明責任は、仙台防災フレームワークの基盤の一つである。
オープンエンドの政府間専門家作業部会が推奨する38の指標は、仙台フレームワークの7つの目標と、持続可能な開発目標1、11、13に反映されている関連側面の実施の進捗状況を追跡するために使用されています。国連加盟国は、仙台フレームワークモニター(SFM) を通じて進捗状況を報告します。
このオンライン プラットフォームは、リスク情報に基づいた政策決定を導き、それに応じてリスク軽減に向けてリソースを割り当てるツールでもあります。
7つの具体的目標
G1)2030 年までに災害による死亡者数を大幅に減らし、「2020 年から2030 年」の 10 万人あたり死亡率を「2005 年から 2015 年まで」に比べ下げる
G2)2030 年までに災害による被災者を 大 幅 に 減 ら し、「2020 年 か ら2030 年」の 10 万人あたり被災者数を「2005 年から 2015 年まで」に比べ下げる
G3)2030 年までに、災害による直接の経済的損失を国内総生産(GDP)との比較で減らす
G4)災 害 へ の レ ジ リ エ ン ス を 高 め、2030 年までに、医療や教育などの重要なインフラへの損害や基本サービスの途絶を大幅に減らす
G5)2020 年までに、国や地方レベルの防災・減災戦略を有する国の数を大幅に増やす
G6)2030 年までに開発途上国への国際協力を大幅に強化し、このフレームワークを実行するための持続的な支援を行う
G7)2030 年までに、多くの人が複合災害に対応した早期警戒システムや災害リスク情報を利用できるようにする
2023 年の多災害早期警報システムの世界的状況
リスクに関する知識もテクノロジーを通じて強化され、地元の関係者が遠隔地からデータを収集し(ドローンやスマートフォンのアプリケーションなどを使用して)、それをすぐに共有する(モバイルインターネット経由など)という新たな機会が生まれます。
警告の伝達と伝達は、特にモバイル ネットワークとインターネット接続の改善による技術の進歩の恩恵を受けています。
2027年の早期警報目標達成に向けた提言
データと知識の共有: 危険、脆弱性、露出、リスク、または警告の伝達と理解に影響を与える地元の伝統や言語などの関連情報に関するデータの共有は、あらゆる EWS の基礎となります。
実践コミュニティを開発する: 知識、ガイダンス、学んだ教訓を共有するメカニズムを確立することが不可欠です。
地域のオーナーシップと「社会全体」のアプローチを確保する: 地域の関係者 を EWS(早期警報システム) の設計、開発、実装、評価、改善、運用の中心に置く必要があります。
シミュレーションと演習を通じて主要な関係者を訓練し、計画をテストします。役割と責任、データフローと警報の伝達から、機器のテストや行動の練習(例:避難経路の徒歩による確認)まで、EWS (早期警報システム)のあらゆる側面をテストする機会を提供します。
主要プログラムと既存の取り組みを活用する: これらの活動を調整して活用し、重複によって時間とリソースが無駄にならないようにするために、あらゆる機会を模索する必要があります。
科学技術におけるイノベーションを最大限に高める: これには社会科学も含まれます。EWS は、警告が適切な行動につながる場合にのみ効果を発揮します。
持続可能で補完的な資金を活用する: 現在の資金提供者と潜在的な資金提供者 (政府、寄付者、慈善家など) を EW コミュニティとその会話に取り込み、共通の理解、緊急性、行動を確保する必要があります。
<< 引用文献
仙台防災フレームワークには、英語とUN公式言語(スペイン語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語)の翻訳があります。
非公式言語(ペルシア語、ポルトガル語、韓国語、ドイツ語)の翻訳もあります。
Sendai Framework for Disaster Risk Reduction 2015-2030
https://www.undrr.org/publication/sendai-framework-disaster-risk-reduction-2015-2030
Sendai Framework for Disaster Risk Reduction 2015-2030 (non-official language translations)
仙台防災フレームワーク 2015-2030(仮訳)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000081166.pdf
市民のための仙台防災フレームワーク 2015-2030 仙台市
https://sendai-resilience.jp/media/pdf/sfdrr_2.pdf
>>
「新しいテクノロジーによる新たな機会」には次のように書かれています。
<
リスクに関する知識もテクノロジーを通じて強化され、地元の関係者が遠隔地からデータを収集し(ドローンやスマートフォンのアプリケーションなどを使用して)、それをすぐに共有する(モバイルインターネット経由など)という新たな機会が生まれます。
>
これは、能登半島地震や大船渡の山林火災で、住民が撮影したスマホの被災データ(位置情報付写真)をあつめるシステムがあれば、よいことを示しています。住民が、被災状況の変化に気づいた時に、防災サイトに、写真を転送して、写真がGIS上に並べられれば、被害状況の把握が容易になります。その結果、消防、物資、救助などのリソース配分を適切に行うことができます。太平洋戦争のインパール作戦では、ロジスティックが破綻して多数の死者が出ています。おなじ間違いを繰り返さないためには、こうした情報収集が欠かせません。
仙台防災フレームワークでは、リスク管理を全面においています。
大船渡の山林火災では、これから、火災が延焼する可能性のあるエリアが、リスク管理の中心でした。こうしたリスクを評価し、リスク管理の精度をあげていくことが、仙台防災フレームワークの視点になります。
28)仙台防災フレームワークの扱い
仙台防災フレームワークの日本語訳は、仮訳しかありません。
国連防災機関(UNDRR)のHPには、日本語版の仙台防災フレームワークはありません。
国と自治体で、仙台防災フレームワークを扱っているのは、第3回国連防災世界会議が開催された仙台市だけです。
「仙台防災フレームワーク」には、次のように書かれています。
<
この道のりで欠かせないステップは、自然災害というものは存在しないという事実を認めることです。予防できない自然災害は存在しますが、大災害に発展するのを防ぐことはできます
生活、建築、計画、投資のあり方について、その概念的変化をもたらすことが、UNDRR での私たちの仕事の中核です。
>
「生活、建築、計画、投資のあり方について、その概念的変化をもたらす」と、法度体制が崩壊してしまいます。
「仙台防災フレームワーク」は、防災のジョブディスクリプションです。
防災を達成するための政府、企業、個人のジョブ型組織のあり方が書かれています。
「仙台防災フレームワーク」は、ジョブ型組織を前提としています。
中央防災会議の組織図をみれば、トップは、総理大臣で、関係省庁の大臣と幹部からなっています。有識者のアドバイスを受けますが、有識者の選抜は、関係省庁の幹部が行いますので、有識者は、利害関係者です。これは典型的な法度体制です。
これは、法治主義ではありますが、法の支配がないと言えます。
<< 引用文献
中央防災会議 組織図
https://www.bousai.go.jp/taisaku/soshiki1/soshiki1.html
>>
つまり、「仙台防災フレームワーク」を受け入れると、法度体制の中央防災会議が崩壊してしまいます。
これが、日本では、「仙台防災フレームワーク」が封印されている理由であると思われます。
東京新聞は次のように書いていました、
<
「自助・共助・公助」 主に、被災時の対応という防災・減災の分野と、保険や年金など社会保障の分野で用いられる概念。
>
「仙台防災フレームワーク」は、防災・減災の分野を対象にしています。
保険や年金など社会保障の分野にも、「仙台防災フレームワーク」のような基本政策ドキュメントがある可能性がありますが、筆者は、その文献を知りません。
しかし、政府、民間、個人がステークホルダーになる点では、この2つは共通しています。
つまり、ステークホルダー間のジョブと責任の分担は、「仙台防災フレームワーク」と似たものになると思われます。
「仙台防災フレームワーク」と同じように、保険や年金など社会保障の分野のジョブディスクリプションが必要になります。
石破茂首相は、医療費の支払いを抑える高額療養費制度の今年8月からの上限額引き上げを見送っています。
「仙台防災フレームワーク」で考えれば、この問題は、高額療養費制度の2025年8月からの上限額引き上げの検討を、ステークホルダーを排除して行ったことが原因です。言い換えれば、法度体制の維持を最優先して、政策を決めた後で、スタークホルダーの意見を聞くというアリバイ作りが失敗したと言えます。
ステーホルダー中心主義は、ジョブ分割による分散処理システムです。法度体制の司令塔中心主義とは対立します。ステークホルダー中心主義の欠点は、情報の共有と情報の維持管理のコストが膨大になることでした。しかし、インターネットとDX技術の進歩によって、そのコストはほぼゼロになりました。
ステークホルダー中心主義の次の問題は意見の調整と集約です。この問題は、発言が、パラダイムの論理で書かれている場合には、AIで集約可能です。段落の論理では要約できません。
つまり、2025年現在では、司令塔システム(法度体制)には、ステーホルダー中心主義に比べたメリットはありません
「仙台防災フレームワーク」で考えれば、高額療養費制度の2025年8月からの上限額引き上げの検討は、スタークホルダーを巻き込んで検討する必要があります。その場合の分担と責任は、ジョブ分割の方法として、フレームワークに書かれています。
政府が方針を決めた後で、意見を聞く方法では、ステークホルダー間の調整は不可能です。
ステークホルダー中心主義を実施するためには、法度体制を放棄する必要があります。
土木工学者の家田仁・政策研究大学院大学特別教授が「 文藝春秋 」4月号に緊急提言を寄稿しました。
<
家田氏は、(八潮市の)事故を受けて国土交通省が設置した有識者会議「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」の委員長に就任。これまでも日本の土木行政に深く関わってきた。
家田氏がまず指摘するのは、かつてのようにスクラップ&ビルドでインフラを更新していくことの限界だ。八潮市の事故を契機に国民はインフラの維持管理に対する責任意識を持ってほしいと述べた。
「今ある全てのインフラの面倒を見ることは人口減少の中、合理的でも現実的でもない以上、使い方を工夫したり、優先順位をつけて重点化をすることが必要です。それができるのは、オーナーである国民をおいてほかにありません」
>
<< 引用文献
「今あるインフラの面倒はもはや見切れない」八潮市で起きた陥没事故を受けて“土木学会のドン”が緊急提言 2025/03/10 文春オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/54389c4611782bbdd0502a88fcba263a5bea5ede
>>
家田氏は、「今ある全てのインフラの面倒を見ることは人口減少の中、合理的でも現実的でもない以上、使い方を工夫したり、優先順位をつけて重点化をすることが必要です。それができるのは、オーナーである国民をおいてほかにありません」といいます。
これは、ステークホルダー中心主義です。
一方、国土交通省が設置した有識者会議「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」は、法度体制の中に組み込まれています。
つまり、ここにも、「仙台防災フレームワーク」と同様に、法度体制とステークホルダー中心主義の対立があります。
家田氏の発言は、国土交通省は、法度体制の利権を捨てて、ステークホルダー中心主義にシフトすべきであると言っているように読めます。
一方では、国土交通大臣は、公明党の指定ポストであり、その背景には、国土交通省の大きな利権があると言われています。
「スクラップ&ビルドでインフラを更新していくこと」が、利権に相当します。
つまり、「国民はインフラの維持管理に対する責任意識を持ってほしい」と言われても、維持管理を不可能にした原因(スクラップ&ビルドでインフラを更新する利権)が、ステークホルダー中心主義の欠如(法度体制の維持)にあるのなら、納得できる国民は少ないはずです。