10)103万円の壁
103万円の壁の問題は、筆者には、理解不可能です。
パラグラフの世界では、交渉するためには、評価関数を揃えることが基本です。
これが出来れば政策の違いは、評価関数を計算する手順の違いと、計算に用いるデータの違いに由来します。
したがって、この2点を付き合わせて議論すれば、合意に達します。
読売新聞は、次のように伝えています。
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国民民主党が「年収103万円の壁」の見直しを巡る与党との協議で、公明党が示した妥協案を受け入れるかどうかでジレンマを抱えている。国民民主内には、妥協すれば夏の参院選に向けて支持を失いかねないことへの警戒感が強い一方、協議が破談となれば、結党以来重視してきた政策実現の機会を逃すためだ。
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<< 引用文献
「年収の壁」妥協案に国民民主ジレンマ…「年収要件なし」譲れず、破談なら「政策実現」逸する恐れ 2025/02/28 読売新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3abed050e13a3d6cd64c18c640e976d040a3f22
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これは、国民民主には、交渉の当初から、交渉の着地地点に関するシナリオがなかったことを示しています。
パラグラフの世界では、交渉の本題に入る前に、交渉の方法を議論して、合意を作ります。
国際的な交渉の場合には、この手順をスキップすることはありません。
WTOや国連(WHOなど)は、この交渉の方法の合意が、組織になったものです。
トランプ大統領は、WHOからの脱退をしています。
これは、過激な行動ですが、交渉の方法を再構築する活動です。
そして、共和党の中には、交渉の方法を再構築すべきであると考える人も多くいます。
中国は、WTOに加盟しましたが、外資による株式の買い付けは、最大49%に制限されています。
つまり、中国は、WTOの外に、もう一つ交渉の方法を追加しています。
その結果、WTOの交渉プロセスは、当初考えたものと変質しています。
国民民主党は、労働者の手取りを増やすことを公約にしています。
その方法は、減税と社会保険料の引き下げになります。
これは、歳入の減少になりますので、歳出を減らす必要があります。
歳出を減らさないで、歳入を減らせば、差額は、将来へのツケになります。
ですから、評価関数を揃えるためには、評価関数には、歳入と歳出の2つの変数が含まれている必要があります。
国民民主党も、自民党も、歳入と歳出の2つの変数を議論していません。
つまり、「年収の壁」の問題は、交渉が始まる前から、妥協点がない(評価関数の最適解)ことは自明でした。
ここには、パラグラフの世界はなく、段落の世界があります。
政府は、法治主義を主張していますが、「法による支配」を無視しています。
ガソリン税のトリガー条項は、2025年には、実施しないといっています。
これは、課税の平等性、つまり、「法による支配」が、破綻した状態を1年続けるという主張です。
パラグラフの世界では、「法による支配」が、破綻した状態を続ける理由を説明する必要があります。
マイナンバーカードには、利便性の向上とコストの削減の効果が殆どありません。
パラグラフの世界では、マイナンバーカード(特に健康保険証利用)には、利便性の向上とコストの削減の効果を説明する必要があります。
この2点が説明できなければ、マイナンバーカードは実施できません。
政府は、マイナンバーカードの利便性の向上とコストの削減の効果を数字をあげて説明していません。
これは、政府が、段落の世界にあることを示しています。
法度体制では、政府はお上(最上位者)です。
下位者は、上位者に隷属するので、だまって、指示(命令)に従うルールです。
下位者の質問は、無視されます。
政府の説明は、段落の世界です。論理とエビデンスがないので、反論は不可能です。
11)インスタンスの問題
Ameba Timesは、次のように伝えています。
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2025年2月26日、衆議院予算委員会にて、立憲民主党のおおつき紅葉議員が高校無償化に伴う“便乗値上げ”について、「どうやって便乗値上げを防止していくんですか?」と質問しました。
これに、阿部文科大臣は「今後検討を進めたい」と回答しました。
おおつき議員は「大臣には具体策がないようですが、 総理は具体策がありますか?」と追及しました。
石破総理は「(便乗値上げを防止する)手法はこれから検討します」と答えました。
おおつき議員は「具体的に、学費以外に、例えば入学金、施設費、維持費、修学旅行費が、対象になるか? 例えば授業料が無償化になっても、それ以外の経費が便乗値上げになりますか」と質問しました。
これを受けて、文部科学省・望月初等中等教育局長は「今回の高校支援金の制度は、授業料をターゲットにしています。授業料の“便乗値上げ”だけが問題になります」と答えました。
そこで、おおつき議員は「入学金や施設費は、便乗値上げの対象外ですか」と重ねて質問しました。
望月初等中等教育局長は「就学支援金制度は、授業料の負担が対象です。授業料以外の経費に関しては、別途の検討になります」と答えました。
おおつき議員は「ぜひ議論はしっかりと煮詰めていただきたい」と訴えました。
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<< 引用文献
国会に緊張走る「えー!?」「これマズイですよ」…高校無償化→入学金・修学旅行費が“便乗値上げ”? 立憲・おおつき議員「総理、大臣にもまだ具体策ないですよ。大丈夫ですか?」2025/02/26 Ameba Times
https://news.yahoo.co.jp/articles/b95bde36b238e8b26955723cf4bd409cf08ecd7f
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この答弁は、段落の世界の出来事です。
パラグラフの世界では、「主題+説明+データ」が提示されます。
「高校無償化」は主題(オブジェクト)です。このオブジェクトに対応したインスタンスが、パラグラフには、データとして、含まれます。
例えば、次になります。
「高校無償化」(主題)とは、「高等学校の授業料の無償化のことです(説明)」。「A公立校高校の授業料は、X1万円、B私立高校の授業料は、Y1万円です(データ)」。
「便乗値上げ」(主題)とは、「高等学校の授業料の便乗値上げのことです(説明)」。「A公立校高校の授業料の便乗値上げは、X2万円、B私立高校の授業料の便乗値上げは、Y2万円です(データ)」。
もちろん、おおつき議員の期待している内容は上記とは異なります。想像すれば次になります。
「高校無償化」(主題)とは、「高等学校の授業料、入学金、施設費の無償化のことです(説明)」。「A公立校高校の授業料、入学金、施設費は、X1万円、B私立高校の授業料、入学金、施設費は、Y1万円です(データ)」。
「便乗値上げ」(主題)とは、「高等学校の授業料、入学金や施設、入学金、施設費の便乗値上げのことです(説明)」。「A公立校高校の授業料、入学金、施設費の便乗値上げは、X2万円、B私立高校の授業料、入学金、施設費の便乗値上げは、Y2万円です(データ)」。
このように、パラグラフの世界では、意見の食い違いが一目瞭然になります。
従って、議論が先に進みます。
パラグラフの世界では、「今後検討を進めたい」という回答は、パラグラフが作れません(私には、パラグラフを作る能力がありません)と解釈されます。
なにしろ、ここでの検討とは、オブジェクトのインスタンスを検討する意味ですので、「検討」は、「議論ができません」の同義語になります。
母国語の作文教育では、15年以上かけて、パラグラフを作る能力をブラッシュアップしています。
パラグラフの作文ができなければ、大学は卒業できません。
インスタンスのないオブジェクトは、形而上学なので、議論ができません。
おおつき議員の議論には、進展がなかったことになります。
段落の世界を追放しなければ、全く前に進みません。
段落の世界を追放して、パラグラフの世界(メンタルモデル)を採用すると法度体制が崩壊します。
便乗値上げ(オブジェクト)に対するインスタンスが提示できないことは、便乗値上げというオブジェクトが理解できていない(理解する能力がない)ことを示しています。
100円の商品の価格が、150円になるのは、値上げです。80円になるのは値下げです。
こうしたデータ(インスタンス)がなければ、値上げという言葉には、検証可能な意味はありません。
変わらない日本という人がいます。
あるいは、日本企業は変わらないという人もいます。
しかし、段落の世界を追放しない限り、議論ができませんので、変わるはずはありません。