21-4)DOGEの活動
読売新聞は、ワシントンポストは、次のように伝えています。
なお、ワシントン・ポストは、2024年11月5日の大統領選に向けて、民主党候補カマラ・ハリス副大統領を支持する社説を用意していましたが、2024年11月25日に、同紙を所有するジェフ・ベゾス氏の指示で掲載が見送られています。
つまり、ワシントン・ポストは、基本的には、民主党支持の購読者を想定して民主党支持の記事を書いています。
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ワシントン・ポスト(電子版)は、2025年2月6日、「政府効率化省(DOGE)」が、連邦政府のsensitiveなデータを大量に収集し、人工知能(AI)ソフトウェアに学習させていると報じた。同紙は、プライバシー保護などを目的とした政府内での従来のAI利用規則を「大きく逸脱している」と指摘している。
同紙によると、DOGEのチームは教育省の財務データへのアクセスを認められ、契約内容や出張費などの情報を収集した。民間のクラウドサービスを介してAIソフトにデータを学習、分析させている。政府から学生ローンを受け取る数百万人の個人情報も含まれるとされる。
バイデン前政権は情報漏れ防止やプライバシー保護のため、業務でのAI利用を原則禁止していた。実業家イーロン・マスク氏がトップを務めるDOGEは、AIの分析を使って教育省の機能縮小を目指しており、他省庁にも同じ手法を適用する計画という。
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<< 引用文献
トランプ政権、政府の機微なデータをAIで分析か…「AI利用規則を大きく逸脱」報道 2025/02/08 読売新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/a401dc753ca3adb1bc962bbd7dcc430870c5d025
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前回、AIの経営モデルの話をしました。DOGEは、AIの経営モデル(AIの分析)を使って教育省の効率化(機能縮小)を目指しており、他省庁にも同じ手法を適用する計画です。
AIの導入の進んでいる中国では、中国政府は、AIの経営モデルを使っているはずです。その性能は、毎年バージョンアップするので、一概に論じることはできません。
しかし、中国政府が、AIの経営モデルを導入して、アメリカ政府が、AIの経営モデルを導入しなければ、アメリカの政府の効率は相対的に劣勢になります。
アメリカは、中国との経済・軍事競争に負けてしまいます。
したがって、アメリカ国民ができる選択は、DOGEを受け入れるか、中国との経済・軍事競争を諦めるかの二者択一になります。
「プライバシー保護を優先して、中国との経済・軍事競争を諦める」か、「プライバシー保護規制を緩めて、中国との経済・軍事競争に取り組む」かの選択になります。
AIの経営モデルの受け入れ問題は、法度体制の放棄問題になります。法度体制の利害関係者である日本のマスコミは、民主党支持のワシントン・ポストの記事を引用します。法度体制に不都合な共和党支持のリバタリアンの記事は紹介しません。これは統計学でいえば、意図的にサンプリングハイアスを起こす方法です。
日本も、DOGEのようなAIの経営モデルの活動を受け入れなければ、際限のない増税が繰り返されることになります。そのためには、法度体制が崩壊することが前提になります。
21-5)戦略と反事実
日刊スポーツは、次のように伝えています。
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石破茂首相とトランプ米大統領は2025年2月7日午前(日本時間8日未明)、ワシントンのホワイトハウスで初の日米首脳会談に臨んだ。
会談後、両首脳は共同会見を開きました。共同会見の最後に、米国側の記者から石破首相に「トランプ大統領は『関税男』で知られる。米国がもし日本に関税をかけるとすれば、報復関税を行うか」との質問がでました。 石破首相はこれに対し「仮定の質問にはお答えしかねます、というのが、日本のだいたいの、定番の国会答弁でございます」と答えました。
この答えを、通訳で確認した米国側からはトランプ氏を含めて大きな笑いが起きました。
トランプ氏は笑いながら「ベリー・グッド・アンサー」を3回口にし、「ワオ」と驚いた様子をみせながら「総理は、自分が何をすべきか分かっているようですね」としてやったりの表情をみせた。そのまま会見は終わり、トランプ氏は石破首相と握手などはせず、先に会場を後にしました。
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トランプ米大統領、石破首相に「ベリー・グッド・アンサー」連発し大ウケ 日米首脳共同会見 2025/0/2/08 日刊スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6b10b581feda7be92ef6ac67f43c9532c02ef54
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法度体制は、無謬主義です。無謬主義では、ある政策の失敗を考えませんし、考えることはタブーになります。ある政策(プランA、事実)が、失敗した場合(プランBが出動する場合、反事実)を封印しています。戦略とは、プランA、プランB、・・・の複数のプランから、ベストなプランを選択する推論です。したがって、反事実(仮定の質問)を封印する無謬主義は、戦略を封印しています。無謬主義では、戦術の評価と修正もタブーです。これが、太平洋戦争で、日本軍が連戦連敗した主要因と考えられます。
無謬主義とは、法度体制の維持を最優先して、その他の問題は無視する意思決定法です。
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石破首相は「仮定の質問にはお答えしかねます、というのが、日本のだいたいの、定番の国会答弁でございます」と答えました。
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これは、日本の国会答弁は無謬主義であるという説明です。そして、明示されていませんが、コンテクストから考えば、石破首相自身も、無謬主義で対応しますという発言になっています。
アメリカでは、無謬主義(戦略はありません)という回答はあり得ません。
この答えを、米国側が、通訳に確認したのは当然です。
政策の議論は、戦略の議論であり、対立するどの政策プランがより良いかという議論になります。
この議論は、パラグラフの表現で示されます。政策(キーセンテンス)の後には、政策の説明とバックデータがからずつきます。そして、この2か所を点検して、比較して議論することで、最終的な政策合意がなされます。日本の政党は、法度制度に組み込まれているので、党議拘束があります。アメリカの政党は、法度制度に組み込まれていないので、党議拘束はありません。下位者(議員)が、上位者(政党の幹部)に命令する隷属関係はありません。
政策の議論ができなければ、連邦議会議員にはなれません。
戦略を持たない連邦議会議員はいません。
トランプ米大統領が、石破首相の「仮定の質問にはお答えしかねます」をどのように解釈したかは、確認しなければ、わかりません。
しかし、パラグラフの表現で考えれば、交渉とは、政策(キーセンテンス)の後には、政策の説明とバックデータを並べて、政策の説明とバックデータからギャップを埋めていく作業です。
この時に、どれだけ有利な交渉カード(政策、政策説明、バックデータ)を準備できるかで交渉の力関係が変わります。
したがって、場面を想定して、複数の交渉カードを事前に準備して、状況をみながら、最も効果のある交渉カードをストックから取り出して使うはずです。
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米国側の記者から石破首相に「トランプ大統領は『関税男』で知られる。米国がもし日本に関税をかけるとすれば、報復関税を行うか」との質問がでました。
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これは、石破首相は、どのような交渉カードをお持ちですかという質問です。
パラグラフの表現を使うアメリカ人の常識的な答えは、「報復関税もカードの1つですが、それ以外のカードも持っています。関税競争にエスカレートしないように報復関税以外のより弱いカードで対応できることを期待しています」です。
要するに、ここでは、今後の交渉を有利にする回答をすればよいので、「交渉カードはたくさん持っていますよ。関税などの無理難題をかけないでくださいね」と牽制すればよいわけです。実際に交渉カードを持っている必要は全くありません。
しかし、石破首相の返事は、常識的な答えではありませんでした。
石破首相の返事は、アメリカ側には、「私は、交渉カードをもっていません」と聞こえたと思います。
あるいは、「私は、戦略カードを持っていません。トランプ米大統領の政策に従います」と聞こえたと思います。
以上のように考えると、次の部分が納得できます。
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トランプ氏は笑いながら「ベリー・グッド・アンサー」を3回口にし、「ワオ」と驚いた様子をみせながら「総理は、自分が何をすべきか分かっているようですね」としてやったりの表情をみせた。そのまま会見は終わり、トランプ氏は石破首相と握手などはせず、先に会場を後にした。
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段落の表現とパラグラフの表現の違いを理解する必要があります。
段落の表現は、世界中で、パラグラフの作文教育をしない日本以外では通用しません。