生成AIと教育

2024年12月26日に、文部科学省 初等中等教育局は、「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」を公表しました。

 

<< 引用文献

初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン 2024/12/26 文部科学省 初等中等教育

https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_shuukyo02-000030823_001.pdf

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読んでみれば、内容は形而上学で、具体的に何をすべきかは、理解不可能です。

 

引用文献は、政府の関連書類だけです。

 

生成AIが出る前の2021年にUNESCOは、「AI and education Guidance for policy-makers」を出しています。

<< 引用文献

AI and education Guidance for policy-makers UNESCO

https://teachertaskforce.org/sites/default/files/2023-07/2021_UNESCO_AI-and-education-Guidande-for-policy-makers_EN.pdf

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この中に、次の教育におけるAI利用の政策ガイドラインがのっています。



表1 教育におけるAI利用の政策ガイドライン

 

 

2017年から2018年に、アメリカ、EU以外に、アルゼンチン、中国、エストニア、マレーシア、丸太、韓国、シンガポールアラブ首長国連邦ガイドラインを出しています。

 

この表は、以上の国が、AI教育先進国であることを示しています。

 

UNESCOは、2023年9月に、生成AIを含む「Guidance for generative AI in education and research」を公表しています。

 

<< 引用文献

Guidance for generative AI in education and research 2023/09 UNESCO

https://www.unesco.org/en/articles/guidance-generative-ai-education-and-research

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この文献は、公開されています。

 

この文献の引用文献は、まともです。引用文献だけでも、「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」が、無価値である判断できます。

 

第一生命経済研究所の鄭美沙氏が、この文献について、簡単な説明をしているので、引用します。 

Guidance for generative AI in education and research(直訳「教育・研究分野における生成AIのガイダンス」)とは、2023年9月にUNESCO(国連教育科学文化機関)が初めて公表した、教育・研究に関する生成AIのグローバルガイダンスです。

 

本ガイダンスは、2021年のUNESCO総会で採択された「人工知能の倫理に関する勧告」に基づき、生成AIの「人間中心」の活用を提唱しています。具体的には、生成AIの定義・説明、倫理的・政策的な論点と教育分野への示唆、規制の検討に必要なステップ、カリキュラムデザインや学習、研究における創造的な活用の可能性、長期的な影響等について紹介しています。各国政府には、データプライバシーの保護を含む適切な規制や教員研修等を求めているほか、ほとんどの生成AIが主に大人向けに設計されていることから、授業での使用は13歳以上に制限すべきとの提案もしています。

 

ガイダンスの締め括りでは、生成AIを教育と研究に役立てるべきとしつつ、AIを含むテクノロジーによって人間の能力を高め、包摂的なデジタルの未来を築くには、人間中心のアプローチが不可欠であることが強調されています。

<< 引用文献

【1分解説】Guidance for generative AI in education and researchとは? 2023/10/17 第一生命経済研究所 鄭 美沙 

https://www.dlri.co.jp/report/ld/283025.html

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2021年に創刊されたパキスタンの雑誌Hunarnama(現代の新興技術と関連スキルの灯台)の編集長のムハマド・ムクタール教授は、UNESOのレポートを次のように紹介しています。

ユネスコの出版物「教育と研究におけるジェネレーティブ AI に関するガイダンス」は、世界中の学術リーダーにとって必読の書です。この出版物は 1 年前に出版されたものですが、ジェネレーティブ AI と若者のトレーニングに関する重要な情報が含まれています。この小冊子は、学術リーダーが明日の責任ある人間中心のデジタル教室を構築するためのガイドとなります。このガイドは、すべての学術機関、政府、教育リーダーにとって必読の書であり、道徳的義務です。

<< 引用文献

UNESCO's Guidance for Generative AI in Education and Research Highlights Challenges for Academic Leaders Worldwide  2024/11 Hunarnama  Prof. Dr. Muhammad Mukhtar 

https://hunarnama.org/en/blog/unescos-guidance-for-generative-ai-in-education-and-research-highlights-challenges-for-academic-lea

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インドのIT教育は、既に、日本を超えています。

 

Hunarnamaの記事は、パキスタンのIT教育も、日本を超えている可能性が高いということを示しています。

 

今後、パキスタンでは、UNESCOの「Guidance for generative AI in education and research」をもとに、教育に関するAIの検討が進みます。

 

今後、日本では、「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」をもとに、教育に関するAIの検討が進みます。

 

この2つの文献は、比較できるレベルではありません。

 

今後、何が起きるかは、予測できます。

 

パキスタンは、パキスタン独自の「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」を作成する能力がないので、UNESCOの「Guidance for generative AI in education and research」をもとに、教育に関するAIの検討を進めます。

 

筆者には、日本政府にも、独自のガイドラインをつくる能力はないように見えます。

 

筆者には、この2冊のガイドラインを読み比べて、「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」の方が優れていると結論を出す人がいるとは、想像できません。

 

使い物にならない「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」の作成に、時間と税金を投入するよりも、UNESCOの「Guidance for generative AI in education and research」があれば、それで、十分に思われます。

 

なお、ムクタール教授は、「この出版物は 1 年前に出版されたものですが」と書いています。これは、生成AIの場合には、通常は、1年たつと、ガイドラインを書きなおす必要がありますが、「Guidance for generative AI in education and research」は、まだ、使用に耐えるという意味です。