3)絞り(1)
絞りの効果は、一般には、次の3つです。
E1)絞ることで、解像度を上げる。
E2)絞ることで、被写界深度を調整する。
E3)絞ることで、光源の光条をだす。
多くの撮影ガイドは、E1)とE2)を説明しています。
しかし、レンズの性能がよくなった結果、E1)の効果はほとんどありません。
特に、クロップセンサーの場合には、レンズ周辺の解像度低下がすくないこと、センサーピッチの影響で、絞りすぎると、回析の影響が出てしまいます。
クロップセンサーで、F8、フルサイズで、F11が回析の影響がでにくい限界の絞りになります。
ズム―レンズで、F2.8は、明るい高価なレンズになります。
一般的なレンズは、F4前後が一倍明るい絞り値です。
E1)の効果が期待できないとはいえ、絞り開放から、解像度が高いレンズは少ないので、一般には、1,2目盛絞って使えばよいといえます。
F4のズームレンズは、F2.8 のズームレンズより小型で軽量です。
F4のズームレンズで、性能のよいレンズは多数あります。
しかし、F4のズームレンズをつかう限り、表現の工夫として、F値を変えても、効果が小さくなります。
ですが、このことを書いている 撮影ガイドは少なく、フィルム時代の絞りの説明を踏襲している場合が多いです。
E3)について、絞れば、光条がでます。
一方、Photoshopなどで、人工的に光源と光条を簡単に入れることができます。
画像の劣化を考えると、Photoshopなどが優位になってしまいます。
風景写真では、太陽はキラーコンテンツなので、太陽の中に、主題を入れる構図が多く見られます。
これも、実際に無修正で撮影するためには、時間とアングルの制約があります。
Photoshopなどで、人工的に光源をいれた方が、問題のない写真になります。
写真1では、赤いフレアは発生していますが、Photoshopなどであれば、この問題はおこりません。