レンズを巡る旅:レンズの種類(絞りー解像度)

一般に、レンズの種類の説明は、(ズーム、単焦)、画角、F値です。

これ以外の説明は、明確には、なされませんが、次の種類があります。

1)絞りー解像度

絞りと解像度の関係です。

 

1-1)古典タイプ

 

フィルム時代の古典的なレンズは、絞れば、絞るほど、解像度が上がります。

デジタルカメラでは、大きく絞ると回折の影響が出ますので。太陽をフレームに入れるような例外を除けば、F値の上限は、F8からF11です。フィルム時代の古典的なレンズは回析がないことを前提に設計されていますので、F16やF22まで絞って使う前提で設計されています。有名な写真家のアンセル。アダムスは、F32を愛用しています。

フィルム時代の古典的なレンズは、デジタル時代の基準では、F8以下では、解像度不足になります。

絞れば、絞るほど、解像度が上がるレンズで、デジタルでは、回析の影響から、解像度のピークがF8からF11にあるレンズは、古典タイプのレンズになります。

ピークのF値は、センサーピッチの影響を受けるので、センサーの小さなMFTでは、より小さなF5.6にピークが来ることがあります。


1-2)一般デジタルタイプ

デジタル時代になっても、絞り開放で、十分なレンズの解像度を保つことは、容易ではありません。F値が小さいと、絞り開放で、十分なレンズの解像度を保つためには、レンズは大きく重くなります。このため、一般的なデジタルレンズは、絞り開放では、解像度が低いですが、F4からF8で解像度のピークになります。

解像度のピークが、レンズの性能で決まっているのか、回析の影響で決まっているのかは、大きな問題では、普通は触れられません。

つまり、古典タイプと一般デジタルタイプの区別が難しい場合があります。ただし、一般デジタルタイプの方が、古典タイプより、ピークの解像度は高めになります。

 

1-3)フラットデジタルタイプ

 

絞りを絞っても、解像度が変わらないタイプのレンズです。絞り開放で、十分なレンズの解像度があるので、大型の高価なレンズに見られるタイプです。

 

1-4)まとめ

 

レンズのレビューをみると、少し絞ると解像度のピークがくるような説明がなされています。デジタルカメラのレンズは、ピークでも解像度の不足する問題レンズを除けば、一般デジタルタイプが圧倒的に多いので、「開放では、解像度は、あまいが、少し絞ると解像度のピークになる、あるいは、十分な解像度が得られる」というレビューが書かれます。素人は、こうしたレビューを見ると、レビューアーは、レンズ毎、F値毎の解像度のデータベースを頭にいれているように感じて、恐縮します。しかし、この手の表現は、レンズを、一般デジタルタイプに分類して書いているだけのことが多く、信頼性がない場合も多くあります。

 

1-5)古典タイプの作例

 

フィルム時代のレンズSMC Takumar 55mm F1.8と最近に中華レンズTTArtisan 35mm f/1.4 Cを比べてみました。

 

TTArtisan 35mm f/1.4 Cは、非常に難しいレンズです。

 

難しいという理由は、手放しで満足できる性能ではありませんが、サイズとF値とボケ量(最短撮影距離)を考えると、使用を中止できない魅力があります。

 

使うべきは、使わざるつべきか、それが問題になるハムレットレンズです。

 

一般には、古いフイルム時代の中古レンズをつかうよりは、TTArtisan 35mm f/1.4 Cの方が良いと考えられています。

 

しかし、SMC Takumar 55mm F1.8の方が、良い写真に見えます。

 

条件が同じではありませんが、写真のリアリティが違っている気がします。

 

ここでは、光学特性の分類を考えましたが、色のりやコントラストの影響は大きいことが分かります。

 

デジタルになってからのPetaxのレンスは、フィルム時代程の魅力がなくなったようにも

感じます。

 

写真1 TTArtisan 35mm f/1.4 C(F2.0)

 

 

写真2 TTArtisan 35mm f/1.4 C(F4.0)

 

 

写真3 SMC Takumar 55mm F1.8(F1.8)

 

写真4 SMC Takumar 55mm F1.8(F2.8)