Nikkor-S Auto 50mm F1.4の色収差

Nikkor-S Auto 50mm F1.4は、1962年発売のレンズです。

 

1972年に多層膜化の改良がされ、1976年まで、14年にわたって生産されています。

 

後継レンズに、

NIKKOR-S C Auto 50mm F1.4 (1972年7月発売)

New Nikkor 50mm F1.4 (1974年11月発売) -

New Nikkor 50mm F1.4S (1976年4月発売)

Ai Nikkor 50mm F1.4 (1977年3月発売) 

Ai Nikkor 50mm F1.4S (1981年9月発売)

Ai AF Nikkor 50mm F1.4S (1986年7月10日発売)

があります。

 

Nikkor-S Auto 50mm F1.4は、Nikonの50mmF1.4の原点のレンズです。

テストのレンズは、単層コートと思われます。

 

1962年のカメラは、ニコンF(Nikon F)と思われます。

1971年に、ニコンF2Nikon F2)が出るまでは、スタンダートでした。

カメラのライフサイクルが長かったです。

ニコンFのシャッター速度は、B、1秒〜1/1000秒でした。

最近はE-PL10のような入門機でも、メカニカルシャッター:1/4000~60秒、電子シャッター:1/16000~60秒なので、シャッター速度の上限が1/2000秒の古い入門機にイライラすることもあります。

 

ニッコール千夜一夜物語」の「第四十四夜 Nikkor-S Auto 50mm F1.4」には、次のように、書かれています。

 

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このレンズの欠点は、開放状態のボケがあまり美しくないことが挙げられるかもしれない。球面収差が大きいため背景のボケがリング状になりやすく、また周辺のボケはビグネティングのためラグビーボール状に歪み、ボケが同心状に回転しているように写る場合がある。

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写真1と写真2が、Nikkor-S Auto 50mm F1.4(F1.4)で撮影しています。カメラは、MFTなので、レンズの中央だけを使っていることになります。

 

軸上色収差は出ていますが、時代を考えると、思ったより少ないと言えます。

 

色収差の出方は、フォトクレンダーに似ています。

 

一方、丸ボケの形が、レンズの中央付近でも、変形しています。

 

このレンズを以前にD40で使った時には、色合いがおかしいと思いましたが、darktableで調整すれば、色合いには、全く問題はありません。

 

現在でも普通に撮影できるレンズと言えます。

 

レンズの設計の進歩が遅いのか、非球面レンズとデジタル補正が原則になった2009年以降が進みすぎたのか、考えさせられます。

 

 

 

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写真1 Nikkor-S Auto 50mm F1.4

 

 

写真2 Nikkor-S Auto 50mm F1.4