(統一規格で比較することには価値があります)
1)マウントアダプターの購入
カメラにつけるマウントアダプターというものがあります。
カメラは、レンズが、センサー上に焦点を結びます。
ミラー付のカメラの場合、レンズとセンサーの間にミラーが入っていたので、レンズとセンサーの距離が大きくなっています。
最近のミラーレスカメラでは、このミラーがなくなったため、レンズとセンサーの間が狭くなっています。
つまり、古いミラー付きカメラ用のレンズを、新しいミラーレスのカメラに取り付けるには、ミラーの厚みの分だけ、下駄をはかせる必要があり、この下駄に相当するリングをマウントアダプターといいます。
マウントアダプターのレンズ側の形状を変更すれば、カメラメーカーとは、別のメーカーの古いミラー付きカメラ用のレンズを取り付けることもできます。
ただし、その場合には、オートフォーカスは効かないので、マニュアルで焦点合わせをすることになります。
古いカメラは、オートフォーカスではなかったので、昔の自然体にもどったとも言えます。
このオートフォーカスが効かない点に躊躇(ちゅうちょ)して、今まで、マウントアダプターは使っていませんでしたが、最近、思いなおして、購入してみました。
いままで、A1社のカメラで、レンズA2を使って撮影した画像と、B1社のカメラで、レンズB2を使って撮影した画像を比較して見ていました。
この方法でも、レンズA2とレンズB2の違いは、わかります。
今回は、A1社のカメラに、B1社のレンズを取り付けるマウントアダプターを購入しました。
その結果、同じA1社のカメラに、レンズA2とレンズB2をつけて比較することができます。
こうした話を書くと、写真に興味のない人は、何を面倒な話をしているのだろとあきれると思います。
日本にはカメラメーカーが多数ありますが、カメラやレンズの比較はしません。
カメラやレンズの性能比較をしているサイトは、99%が海外にあります。
海外のサイトの掲載内容を日本語に翻訳して紹介しているサイトは日本にありますが、独自に、比較しているサイトはありません。
日本語のカメラとレンズのサイトの過半数は、カメラメーカー、カメラ販売店、プロのカメラマンであり、カメラメーカーの利害関係者です。
その結果、日本語のサイトには次のバイアスがかかっています。
(1)カメラとレンズの弱点は書かない。
(2)高価な商品ほど性能がよい
2)レンズ性能比較の例
レンズの性能比較を紹介したサイトから、要点だけを引用します。
もとの情報は、クリストファー・フロスト氏の投稿したYouTube動画です。
ランキング対象レンズは価格が1000ポンド(約15万円)未満のレンズです。
Canon EFマウント対応レンズのランキングで、APS-C専用レンズは対象外です。
約150本のレンズのテストをもとにランキングを作っています。
高解像度レンズランキング
第10位:Canon EF40mm F2.8 STM 価格:約16,000円
第9位:Canon EF70-200mm F4 IS USM L 価格:約140,000円
第8位:Canon EF135mm F2 USM L 価格:約110,000円
第7位:Sigma 35mm F1.4 ART 価格:約86,000円
第6位:Venus Optics Laowa 105mm F2 (T/3.2) STF 価格:約700ドル
第5位:Samyang XP 14mm F2.4 価格:約1000ドル
第4位:Samyang 135mm F2 ED UMC 価格:約75,000円
第3位:Sigma 50mm F1.4 ART 価格:約98,000円
第2位:Sigma 85mm F1.4 ART 価格:約120,000円
第1位:Samyang XP 85mm F1.2 価格:1000ドル
クリストファーは、第1のレンズの解像度はキヤノンの高級単焦点レンズEF85mm F1.2L II USM(約19万円、15万円以下の調査対象の範囲外)をしのぐといいます。
Samyangは韓国、Sigmaは日本、Venus Opticsは中国のメーカーです。
これは、2017年の記事で、オートフォーカスに対応してるのは、Canon以外は、Sigmaだけです。最近では、ソニーのEマウント、フジフィルムのXマウントのように、マウントの技術情報を公開するカメラメーカーも増えています。その結果、韓国や中国のレンズメーカーがオートフォーカスに対応したレンズを拡充しています。
日本のカメラメーカーのレンズ性能は、韓国や、中国にメーカーに急速に追いつかれつつあります。
3)ジョブ型雇用の闇
マスコミが客観的な記事を書くためには、記者クラブで入手した発表内容をそのまま掲載するのではなく、発表内容のバックデータをあたって、客観性に問題がないかチェックする必要があります。
しかし、現在、マスコミは殆ど、チェックをしていません。
筆者は、調べものをする時には、マスコミの記事は、索引につかうだけでで、出典である各省庁のHPにあたります。マスコミの記事は、バックデータのチェックがなく、場合によれば、転記ミスさえあるので、使いません。
新聞の売り上げが落ちていて、有料配信数は伸びていませんが、これは、当然と思われます。
レンズの評価を間違えても人は死にませんが、大躍進のように経済政策を間違えれば人は死にます。大躍進では、飢餓で、2000万人以上が死んでいます。
マスコミには、バックデータをとって、政府の経済政策に間違いがないかをチェックする倫理的な責任があります。
政府の経済政策の旗振りをする経済学者もいますが、経済学者には、政府の経済政策に間違いがないかをチェックする倫理的な責任があります。
ジョブ型雇用をするには、能力や成果を評価する必要があります。
能力や成果を評価ができないとジョブ型雇用は成立しません。
レンズの評価は、ジョブ型雇用の能力や成果の評価より、はるかに容易なはずです。
問題を解く能力は、簡単な問題を解いて、次第に難しい問題にチャレンジすることで上がります。
日本で、ジョブ型雇用の評価が出来るようになっている状態を想定すれば、その時には、海外と同じように、カメラやレンズの比較をするサイトが国内にも多数出現しているはずです。
こう考えると、日本の社会が、ジョブ型雇用の評価が出来るようになるまで道のりは、とてつもなく長いです。
ジョブ型雇用の評価にいきなり取りかかるのは無理なので、改革は、身近なところから始めて、先入観や意識を改革しないと進みません。
これは長い道のりですが、王道はないと思われます。
引用文献
⾼解像度レンズランキングTOP10キヤノン⼀眼レフカメラ⽤(フルサイズ対応)
https://kobefinder.com/canonsharplens/