11)チャーチ「熱帯の朝」(1858)
「熱帯の朝(Morning in the Tropics)」(1858)は、チャーチの 高さ: 8 1/4 x 幅: 14 インチ (21 x 35.5 cm)の油絵せう。
メリーランド州ボルチモアにあるウォルターズ美術館(The Walters Art Museum)に収納されています。
2011年に、ウォルターズ美術館はオンラインコレクションの作品画像1万点をクリエイティブコモンズライセンスで公開しています。
「熱帯の朝」はその中の一点です。
写真1が、「熱帯の朝」です。
チャーチは、画面に水面や滝を入れる構図が多いです。
また、虹、太陽などをいれています。
「熱帯の朝」は、画面に「朝もや」と太陽を入れています。
太陽を画面に入れる構図は、観光パンフレットでは多用されています。
写真では、画面に人物の目があると見る人の注意がそこに集中します。
その場合に、目に写り込んだ光、白い点を入れることをキャッチアイ(キャッチライト)と言います。目を目立たせることが、人目を引く写真をつくるテクニックになります。
画面の太陽も同じような効果があるため、観光パンフレットでは多用されています。
なお、アイキャッチとは、テレビ番組やYou tubeの番組タイトルクレジットのことを指し、キャッチアイとは意味が違います。
画面に太陽を入れる手法が普及した原因には次があると思います。
(1)デジタルカメラになって、ダイナミックレンジが広がって、逆光写真が撮影しやすくなった。また、合成写真で、太陽を簡単に入れられるようになった。
(2)レンズのコーティング技術が向上して、太陽をいれた構図でも、フレアやゴーストがでにくくなった。
(3)写真をディスプレイで見ることが多くなった。ディスプレイの背後には光源があり、紙の場合とはことなり、太陽の再現は容易です。
写真のレタッチソフトによっては、太陽、月などのパーツがあり、画像に、太陽を張り込むことができます。
ただし、こうして書き込んだ太陽にはリアリティがありませんし、慣れれば、ある程度は、書き込まれた太陽であることがわかってしまいます。
そこで、ここでは、空を入れ替えることで、画面に太陽を入れてみます。
写真2は芝桜公園の写真ですが、空には雲がなく、単調です。
写真3は、太陽のある空の写真です。
写真4では、芝桜公園の空の部分をマスキングしています。
写真5では、マスクした部分を取り除いて透明にしています。
写真6では、透明な部分に、写真3の空を入れています。
写真2と写真6を比べれば、写真6の方が印象的です。
このように、チャーチの「熱帯の朝」の画面に太陽を入れるアイデアは風景写真に使うことができます。
Walters Art Museum
https://www.youtube.com/channel/UCwSqdTJyT0x7BJDNglhhH8w
米ウォルターズ美術館がオンラインコレクションの作品画像1万点をクリエイティブコモンズライセンスで公開 2011
https://current.ndl.go.jp/car/19275
ファイル:Frederick Edwin Church - Morning in the Tropics - Walters 37147.jpg
Morning in the Tropics The walters art museum
https://art.thewalters.org/detail/4216/morning-in-the-tropics/
Morning in the Tropics The walters art museum
https://art.thewalters.org/detail/4216/morning-in-the-tropics/