1)太陽光の方向
マックス・フォスターさんは、太陽光の光の方向について、次のように書いています。
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太陽光の方向を理解する
(1)フロント ライト (背中の太陽) :色の分離を強化し、色を際立たせます。シーンが平面的で 2 次元に感じられる傾向もあります。
(2)サイド ライト (右または左に太陽を当てる) :画像に立体感と深みを加えます。光が拡散するため、太陽が低い位置にあるときに最もよく見える傾向があります。
(3)バックライト (目の前の太陽) :太陽フレアを避けるのは難しく、ダイナミックレンジは極端ですが、うまくやればユニークで美しいものになります。
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光線を基本の順光(Frontlight)、側光(Sidelight)、逆光(Backlight)に分けて説明しています。
これを読むと、なるほどと思いますが、実際には、光は、非常に複雑です。
問題の第1は、9時から3時の間の昼間であれば、3分類でも理解できます。
しかし、ブルーアワー、ゴールデンアワーになると、3分類は怪しくなります。
風景写真の場合では、ブルーアワーとゴールデンアワーが一番美味しい時間帯ですから、3分類が難しくなります。
Anne Mckinnellさんは、3分類をやめて、「8 types of natural light」で、次の8分類を提唱しています。強引なところはありますが、言わんとするところはよくわかります。
(1)Front light
(2)Sidelight
(3)Backlight
(4)Reflected light
(5)Diffused Light
(6)Dramatic Light
(7)Twilight
(8)Night
実例をあげて説明します。
時間は、夕陽のゴールデンアワーです。
雲がありましたが、夕陽は、雲にかからず、光線があたっています。
写真1が太陽を背にした順光です。
夕陽の赤い色があたって、風景はオレンジ色になっていますが、元の色が分かりにくくなっています。
写真1の光源は、太陽の光だけでなく、空からの拡散光もあります。
9時から3時の間の昼間であれば、太陽の光と、空からの拡散光は一致しますが、夕方になると、この2つは分離しています。写真1は、太陽光に対しては順光ですが、空からの拡散光に対しては逆光になっています。
写真2は側光です。
写真1よりは立体感があります。
写真3以降は、望遠の場合です。
写真3は、順光です。
2次元的に見えるということができます。
写真4は、逆光ですが、太陽がフレームに入らないように、少し向きをずらしています。
サイドライトと見なすこともできます。
完全に逆光にすると、色は飛んでしまうことが多いので、少しずらす必要があります。
観光ガイドの写真は、逆光が多いですが、不自然な写真も多いので、筆者は、Photoshopで太陽を入れている場合も多いと推測しています。
写真4は、写真3と同じ葉を撮影しています。
写真3には、セミの抜け殻が見えます。
写真4では、同じセミの抜け殻がシルエットになっています。
写真5が、側光です。
写真6も、側光です。
実は、写真4は、少しだけテブレを拾っています。
ゴールデンタイムは、時間の経過と共に、光の量が減っていきます。
暗い望遠レンズをつかうと、手ブレを拾ってしまいます。
三脚を立てた方がよかったと思います。
順光(Frontlight)、側光(Sidelight)、逆光(Backlight)は基本ですが、ブルーアワーとゴールデンアワーには、それだけでは、割り切れない事態が、発生します。
モニターで、手ブレと被写体ブレを確認しながら、撮影をすすめる必要があります。
引用文献
マックス・フォスター ファイン アート 写真ブログ
秋の色を撮影するための 15 のヒント
Max Foster Fine Art Photography Blog
15 Tips for Photographing Fall Colors
https://www.maxfosterphotography.com/gallery/tips-for-photographing-fall-colors/
Anne Mckinnell : 8 types of natural light
https://annemckinnell.com/ebooks/