洞峰公園のツマグロヒョウモン
ツマグロヒョウモンは、タテハチョウ科のチョウで、オスは、羽根がオレンジ色ですが、メスは、羽根が、オレンジ色と黒になります。
スミレ類を食草とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジーやビオラなども食べます。
ツマグロヒョウモンは、1980年代まで近畿地方以西にしかいませんでした。その後、生息域が北上し1990年代には、関東地方南部に広がりました。
最近では、関東地方北部(茨城県、栃木県、群馬県の3県)まで広がっています。
井上大成氏によると、ツマグロヒョウモンは 茨城県では、2003 年以前には散発的に記録されていただけでしたが、2004 年以降に定着したと考えられています(井上 2016)。
井上大成氏は、森林総合研究所における1997年から2016年までチョウ類群集の変化も調査しています。
森林総合研究所で、ツマグロヒョウモンが、初めて観察されたのは2007年です。
ツマグロヒョウモンは 2008 年に初めて、最優位種の 2 位になり,それ以降は 2010 年を除いて、2017年まで、すべての年で 2 位でした。
つまり、最近は、ありふれたチョウになっています。
ちなみに、最優占種は常にヤマトシジミです。
最近では、サトキマダラヒカゲ、モンシロチョウ、キタキチョウ、イチモンジセセリより、ツマグロヒョウモンの方が数が多いようです。
一方では、オオウラギンヒョウモンのように、絶滅したチョウもいます。
チョウも世代交代が進んでいます。
森林総合研究所(茨城県つくば市)構内におけるチョウ類群集の20年間の変化 井上 大成(2018) https://www.jstage.jst.go.jp/article/kontyu/21/4/21_18003J/_pdf/-char/ja
森林総合研究所千代田苗畑(茨城県かすみがうら市)のチョウ類相 井上 大成(2017) https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/bulletin/442/documents/442-3.pdf
様々な要因によるチョウの分布拡大 . 井上 大成・石井 実編 “ チョウの分布拡大 ”. 北隆館 , 8-32. 井上 大成(2016)