洞峰公園のツマグロヒョウモン~つくば市とその周辺の風景写真案内(909)

洞峰公園ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモンは、タテハチョウ科のチョウで、オスは、羽根がオレンジ色ですが、メスは、羽根が、オレンジ色と黒になります。

スミレ類を食草とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジービオラなども食べます。

ツマグロヒョウモンは、1980年代まで近畿地方以西にしかいませんでした。その後、生息域が北上し1990年代には、関東地方南部に広がりました。

最近では、関東地方北部(茨城県、栃木県、群馬県の3県)まで広がっています。

井上大成氏によると、ツマグロヒョウモン茨城県では、2003 年以前には散発的に記録されていただけでしたが、2004 年以降に定着したと考えられています(井上 2016)。

井上大成氏は、森林総合研究所における1997年から2016年までチョウ類群集の変化も調査しています。

森林総合研究所で、ツマグロヒョウモンが、初めて観察されたのは2007年です。

ツマグロヒョウモンは 2008 年に初めて、最優位種の 2 位になり,それ以降は 2010 年を除いて、2017年まで、すべての年で 2 位でした。

つまり、最近は、ありふれたチョウになっています。

ちなみに、最優占種は常にヤマトシジミです。

最近では、サトキマダラヒカゲ、モンシロチョウ、キタキチョウイチモンジセセリより、ツマグロヒョウモンの方が数が多いようです。

一方では、オオウラギンヒョウモンのように、絶滅したチョウもいます。

チョウも世代交代が進んでいます。

森林総合研究所茨城県つくば市)構内におけるチョウ類群集の20年間の変化 井上 大成(2018) https://www.jstage.jst.go.jp/article/kontyu/21/4/21_18003J/_pdf/-char/ja

森林総合研究所千代田苗畑(茨城県かすみがうら市)のチョウ類相 井上 大成(2017) https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/bulletin/442/documents/442-3.pdf

様々な要因によるチョウの分布拡大 . 井上 大成・石井 実編 “ チョウの分布拡大 ”. 北隆館 , 8-32. 井上 大成(2016)

写真1 ツマグロヒョウモン(メス)