ノーベル賞の季節

(日本の科学技術の問題点は出尽くしてるように思われます)

 

10月3日から、ノーベル賞の発表があります。

 

スウェーデンカロリンスカ研究所は、10月3日に、2022年のノーベル医学生理学賞を、独マックスプランク進化人類学研究所教授で、沖縄科学技術大学院大客員教授も務めるスバンテ・ペーボ氏(67)に授与すると発表しました。授賞理由は「絶滅したヒト族のゲノムと人類の進化に関する発見」です。

 

ノーベル賞の季節になると、過去の受賞者へのインタビュー記事がでます。内容は、日本の科学技術はどうあるべきかというものです。

 

今回は、折角の機会なので、引用してみます。

 

(1)大隅良典博士(2021/10/28)

 

大隅博士は、2021年10月8日に、岸田文雄首相が所信表明演説で、「成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現です」と、「日本が科学技術立国」は、すでに過去の産物であると首相自らが認めていたと指摘しています。

 

また、次のようにも言っています。

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日本には、必要なときに必要なお金が投資されるシステムがありません。

何に対しても「欧米で流行し始めたら日本でも導入しましょう」となってしまう。日本で新しい技術が生まれても、「日本の面白い技術だぞ」となかなか力を入れようとしないんです。

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これは、「欧米で流行し始めたら」というヒストリアンが跋扈していて、「日本で新しい技術が生まれて」もビジョンは認められないことを示しています。

 

(2)中村修二博士(2017/11/23)

 

部分的な抜粋です。

 

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米国では政府は大学の経営に口を出さない。日本では大学が一つ一つ文部科学省にお伺いをたてて、官僚主義で検討もされずに認められない。米国の研究者は自由だ。実力があれば資金を集め、大学と交渉していく。そしてスポンサーとなればロシアや中国など、米国の仮想敵国にさえ通い詰める。日本の大学は日本の企業だけを相手にして、チャンスをつぶしている。

 

工学系を目指す若者は、まず日本から出ることだ。そして企業を経験することを薦める。ただ日本は半導体や家電、太陽電池など、どの産業も地盤沈下している。学術界も産業界も沈んでいく国に留まり、それでも支援を求めて国にすがりつく日本の大学研究者にどんな未来があると思うか。若者には自分の脚で立ち、生き抜く術を身につけてほしい。

 

本来、こんなにも悲惨な状況に置かれていて、米国なら市民が政府を訴える。このインタビューは日本で読まれる限り、私の言いっ放しになるだろう。官僚や政治家、市民、日本は誰も動かない。米国なら司法を通じて市民が社会を変えることができる。日本は何も変わらない。それが当たり前だ、仕方ない、と思っているから沈んでいるということに気が付くべきだ。一度すべて壊れなければ、若い世代が再興することもできないのだろう。

 

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中村博士の記事は、5年前のものです。

 

問題点は、ほぼ出尽くしていると感じます。

 

5年間何も変わっていないと思います。

 

結論は、「まず日本から出ること」なのでしょうか。

 

日本に居る以上、英語での情報発信を増やしていくべきなのでしょう。

 

引用文献

 

「中国の科学技術力、圧倒的」大隅博士が語る、日本の科学の未来。選択と集中の果てにあるものとは? 2022/10/03 Business Insider(2021年10月28日に公開した記事を再掲)

https://news.yahoo.co.jp/articles/54075c6b3e9d51f171556a66f823989d783a64ab

 

ノーベル物理学賞受賞の中村氏「日本は研究者から選ばれない。上意下達が過ぎる」

どうなる日本の科学(7)米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授・中村修二

2017/11/23 ニュースイッチ

https://newswitch.jp/p/11126