構図とクロップ(6)ミニマリズム(4)

1)アドビの解説

 

Photzyの解説よりも、分かり易いアドビの解説を見つけたので、ここから始めます。

 

アドビに、Aleks BaharloとNicole Morrisoが寄稿しています。

 

Less is more: A guide to minimalist photography. Aleks Baharlo, Nicole Morrison  Adobe

https://www.adobe.com/mt/creativecloud/photography/discover/minimalist-photography.html

 

2)主題とネガティブ スペース

 

構図のポイントは、主題と背景(地)です。

 

背景は、ネガティブ スペースとも呼ばれます。



ウィキペディアの英語版の解説は以下です。

 

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アートにおけるネガティブ スペースとは、画像の被写体の周囲および被写体間の空白のことです。ネガティブ スペースは、被写体そのものではなく、被写体の周囲の空間が興味深い形や芸術的に関連する形を形成している場合に最も顕著になる可能性があり、そのような空間は、画像の「実際の」被写体として芸術的な効果を得るために使用されることがあります。

 

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英和辞典では、negative spaceの意味は、何もない空間(unused space)、占有されていない空間(an unoccupied space)になります。

 

日本語では、間 (余白部分)という単語を当てることもあります。



究極の単純化は、主題とネガティブ スペースだけになります。

 

2-1)主題

 

主題は、ストーリー性のあるものが望ましいようです。

 

撮影時のできるだけ、主題以外がフレームに入らないようにします。

 

これは、非常に難しいので、ここが第1関門になります。

 

2-2)ネガティブ スペース

 

ネガティブ スペースは、主題に対する地ですが、ここは、何もない間であることが基本です。単色で塗りつぶすか、グラデーション程度で、ともかく、ネガティブ スペースに見えるモノに目を引かれてはいけません。

 

風景では、砂、海などがあれば良いですが、街中では、良いネガティブ スペースになる素材は少ないです。

逆に言えば、そのような要素が見えた場合には、ミニマリストの写真を試して見る価値があります。

 

なお、商品写真では、色紙の上で撮影することで、ネガティブ スペースが簡単に、得られます。

 

3)作例

 

写真1は、飛行機雲です。この場合、ミニマリストの写真にするには、木の枝を外して、水色の線で、クロップすべきです。

 

写真2は、公園の看板です。ネガティブ スペースに芝生以外が入らないように、水色の線で、クロップすべきです。

 

写真3は、滝です。ネガティブ スペースの表現は難しいですが、露光を下げ、ボカシを入れて、クロップした結果が、写真4です。

 

写真5は、バラです。ネガティブ スペースの上に、花の色が見えますが、ここは不適切です。また、間を表現するのであれば、フレームの中の花は、もう少し小さい方が、空間が感じられたと思います。これらは、撮影時の問題なので、クロップでは対応できません。

 

写真6は、松と筑波山です。主題は1つが原則ですが、写真6のように2つの場合もあります。写真6では、ネガティブ スペースの住宅と看板が、邪魔です。空と芝生で、地平線が描ければベストです。そこまでの編集は、darktableには荷がおもいので、krita等を使うべきでしょう。

 

写真7は、桟橋です。手前のテトラポットは、クロップできますが、遠景の山は、クロップでは修正できません。修正するならkrita等を使うべきでしょう。しかし、撮影時に山を外したアングルも可能だったはずです。撮影時に、ミニマリスト写真を想定しておくべきでした。

 

以上の写真は、お手本にはなりませんが、ミニマリストの写真のイメージはつかめると思います。

写真1 飛行機雲



 

 

写真2 公園の看板

 

写真3 滝



 

 

写真4 滝 





写真5 バラ



 

写真6 松





写真7 桟橋