darktableとLightroomの比較(9)

2-2)色の問題(つづき)

もう少し、カラーキャリブレーション色温度について検討します。

カラーキャリブレーションは2つの色温度モデルを持っています。

(1)daylightモデル

(2)黒体モデル

通常のカメラとRAW現像ソフトは、「(1)daylightモデル」だけです。darktableは、「(2)黒体モデル」を持っているため、「(1)daylightモデル」では、白色が再現できない場合でも、白色の再現ができることがあります。

Lightroomで、色温度という場合には、「(1)daylightモデル」の色温度を指していると考えるべきです。

さて、「(1)daylightモデル」が効いているので、CATのエラーは気にせずに、マスクを使い色温度を変えることにします。

アドビシステムズの説明に、「川の流れは色温度を低くして青みを出し」とありました。

川の水の温度は低いので、色温度を下げると、青くなると読めます。

つまり、被写体の温度と色の対応を考えることも可能です。

そこで、空と水面のある画像(これは筆者の撮影した画像で、RAWは公開していません)を編集して見ました。

(1)空と水面の露光のバランスを調整するため、露光モジュールのインスタンスを作り、水面の部分に描画マスクをつくり、水面だけ露光を明るくします・

(2)カラーバランスモジュールのインスタンスを作り、上記の水面の描画マスクをつかって、水面の色温度を下げます。

写真1の左がもとの画像で、右が編集後の画像です。

写真2は、全体が編集後の画像です。

被写体の温度を色温度に反映させるアイデアは悪くない気がしました。

写真2の空と比べると、水面の露光は、実際より高めで、色温度は実際より低めになります。水面の色温度を下げたことにより、露光が明るくなった水面が画面の中で軽く感じられなくなって、安定感のある絵に仕上がります。

 

 

写真1 (右:元の画像、左:水面の部分を描画マスクで、露光と色温度を補正)

 

 

写真2 水面の部分を描画マスクで、露光と色温度を補正

 

 

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https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-classic/how-to/deep-colors-tone-landscape-photo.html