日銀と国債の空売り（2022/07/04）～2030年のヒストリアンとビジョナリスト

（「日本銀行と海外ファンドの死闘」で、日銀が敗ける確率が、過去に例がないほど高くなっています）

日銀が、海外のファンドから、国債のショートを仕掛けられています、

この問題の背景には、日銀が国債の購入を増やした時点で、出口戦略がなかった点があります。

状況は時間とともに変わるので、時系列で経緯をみます。

留意点は2つあります。

（１）日本経済の規模は大きいので、少数のファンドがショートを仕掛けても、問題はありませんが、日銀の敗色が色濃くなれば、ほとんど全てのファンドがショートを仕掛けるようになります。こうなると、日銀に勝ち目はありません。

（２）素人目にも、日本だけが、金融緩和を続けることはできなくなるように見えます。2022/06/28のBloombergで、ＪＰモルガン・アセット・マネジメントの香港在勤ポートフォリオマネジャー、アルジュン・ビジ氏は、日本は、現在では日本はそうした政策を堅持する唯一の国で、日本が「国際的環境からますます懸け離れているようだ」と指摘しています。大幅な円安や輸入コストの上昇が企業や消費者を圧迫していることから、「日銀はいつかの時点で現在の政策枠組みの調整を余儀なくされるだろう」といっています。

日本国債をショートする手法は、「ウィドウ・メーカー」と呼ばれ、過去の空売りでは、全て日銀が勝っています。

１）2022/06/15

2022/06/14に、海外のファンドが日本国債をショートしていると明言しています。2022.06/15は日銀の政策修正を見込んだ投機的な売りが出て、国債先物が急落。取引を一時中断するサーキットブレーカーが発動される事態となりました。

この頃から、ファンド対日銀の構図が意識されるようになりました。

2022/06/15のNRIで、木内登英氏は、「通貨危機」に似た状況であるといっています。

2022/06/15のBloombergは、次のように試算しています、

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日銀は発行残高のほぼ半分の526兆円の国債を保有している。日銀のデータに基づいたブルームバーグの計算によれば、政策転換によって国債イールドカーブ全体が100ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上振れした場合、日銀は29兆円の含み損を抱えることになる。

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２）2022/06/24

1週間後です。

2022/06/24のBloombergは、海外投資家の日本国債売りが記録的ペースであると伝えています。