この原稿は、kiss M/M2入門を前提に、標準ズームEF-M15-45mm F3.5-6.3を想定して書いています。
ズームレンズには、2種類の使い方があります。
(1)ファインダーまたは、モニターを除きながら、ズームして、構図を決めて、シャッターを押す。
(2)画角を固定して、シャッターチャンスを逃さないように、シャッターを押す。
フィルム時代のカメラでは、現像やトリミングに手間がかかったので、(1)の方法が主流です。モノクロームであれば、手間を厭わなければ、自分で現像やトリミングも可能でしたが、カラー写真では、(1)しか選択方法がありませんでした。
風景写真やポートレートは、(1)で撮影することができます。
(1)の方法で、撮影する初心者が多いと思われますので、この方法の説明は省略します。
一方、シャッターチャンスの少ないストリートフォトでは、(2)を使わざるを得ません。
(2)の場合には、フレーム内に被写体が写って入れば、後は、トリミングで、調整します。
(2)の方法では、最初に画角を決めて、ズームレンズを、その画角に設定したら、以降は、ズームはさせずに、シャッターを押します。この時に、変更するのは、露光または、シャッタースピードだけです。速く移動しているものや、ランプが点滅したりして、光が時間と共に変化している場合には、シャッタースピードを調整しますが、そうした例外的な場合を除けば、露光を調整します。カメラの撮影モードは露光優先モード(A)を使います。
露光は、絞ると解像度が上がりますが、絵が硬くなります。また、デジタルカメラでは、露光をF8または、F11より絞ると回析の影響で、解像度が下がりますので、通常が、F8またはF11が、F値の上限になります。下限値は、レンズの明るさで決まります。
(2)の方法を使う場合には、換算画角と写る範囲が、イメージできるようになることが必要です。あまり、細かな差は問題にならないので、EF-M15-45mm F3.5-6.3の場合は、広角端換算24mm(15mm)、望遠端換算72㎜(45mm)、換算50mm(32mm)、換算28㎜(18mm)の4種類に画角を固定して画角の違いがイメージできるように、トレーニングすればよいと思います。
Kiss M/M2は、(2)の方法の撮影に向いていると思います。それは、ボディとレンズが小さくて軽いため片手でも撮影できるからです。
もちろん、両手でしっかり構えて、カメラをぶれないように固定するのが基本ですが、シャッターチャンスを逃さないためには、片手の撮影もありだと思います。