勿来の関公園(福島県いわき市)
勿来の関をめぐって
勿来は、「来る勿れ」(くることなかれ)という歌枕で知られています。以北は蝦夷地なので、「来る勿れ」という意味です。
勿来の関は、勿来の関公園として整備されています。今回は、勿来の関公園に行ってきました。
いわき市のサイトなどでは、「歌枕」ではなく、「枕歌」という用語を以下のように使っています。
「来る勿れ」(くることなかれ)という枕歌で知られる文学上の関として知られています。
しかし、「枕歌」は、誤植と思われます。
勿来は、アメリカでいえば、Where the West Begins(これより西部が始まる)のテキサス州フォートワースに相当します。フォートワースには砦があります。
勿来の関公園にも、関所があれば、そこで、記念撮影をと思ったのですが、関所の写真は1枚も撮れませんでした。
ウィキペディアは、次のようにいっています。
「なこその関」は関といいますが、関所とはいいません。また、「なこその関」は、和歌など文学作品以外の古代の史料には記載がなく、所在地は分かっていません。
古代ギリシアの哲学者プラトンの著書「ティマイオス」と「クリティアス」の中で記述されたアトランティスに似ています。
勿来の関は、平安時代から近代前までに125首ほどの短歌形式の和歌に詠みこまれている歌枕(和歌の題材とされた日本の名所旧跡)です。
それでは不便だというので、江戸時代初期に、福島県いわき市勿来町を「なこその関」と見立てるようになり、観光地化したようです。
ですから、勿来の関公園には、次の施設がありますが、関所はありません。
2001年(平成13年):文学歴史館(1988年開館の観光施設)が供用再開。 2007年(平成19年):体験学習施設吹風殿が開館。平安貴族の邸宅風の建物と庭園をデザインした休憩所兼イベント会場です。
なお、百人一首の「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」は、京都の嵐山を歌っています。勿来の関とは関係がありません。
吹く風を なこその関と 思へども 道もせにちる 山桜かな
吹風殿の名前は、この和歌に由来しています。
基本的には、和歌の中に、「なこその関」という文字が入ります。
写真1は、吹風殿です。