(DX対応では、文化財保存をすべきではない)
「本来の『特区』は、逆に、旧制度を温存する地域に適用すべきもの」と申し上げました。
今回は、この点を整理してみます。
建築が老朽化した場合には、普通は、建て直しをします。
建築が重要文化財の場合には、解体して修理し、場合によっては補強材を入れます。
しかし、この方法は、建て直しの場合に比べて、膨大な時間とコストがかかります。
したがって、例外的な方法です。
日本の企業は、DXが遅れています。
この問題に対して、政府は補助金を付けていますが効果はあまりありません。
日本の古い企業は、OJT中心で、業務は文書化されておらず、責任分担は曖昧です。
この企業組織は、老朽建築のようなものです。この組織を残したまま、DXを行うことは、重要文化の解体修理と同じアプローチです。膨大な時間とコストをかけなければDXは、成功しません。
企業組織には、文化財と同じように保存すべき価値はありません。
建て直しをすべきです。
同様に、現在の「特区」は、例外的に、従来の組織やルールを温存しなくてもよいエリアになっています。
これは、「特区」以外では、従来のルールを文化財のように保全する発想です。
この指定方法では、「特区」を除く、日本中が、文化財だらけになって、「変わらない日本」が出来上がります。
「変わらない日本」を抜け出すためには、「特区」は従来のルールを文化財並みに保存するエリアだけにすべきです。
特区にならないからといって、無法地帯になる訳ではありません。
各自治体が、個別にルールを作れば良いだけです。
これについては、1.17で、ダイアナ・チョイレーバ氏の記事を引用しています。