第4のシナリオ

 

「ロシア産の天然資源の行方」で、次のように書きました、

 

—---------------------

 

今後のシナリオは次の3つが考えられます。

 

1)ロシアが戦争に勝って、独裁政権が続く。

2)ロシアは、戦争から撤退するが、独裁政権が続く。

3)ロシアが戦争に敗けて、独裁政権が崩壊する。

あるいは、クーデタで、独裁政権が崩壊したあとで、戦争から撤退する。

 

—-----------------------------------------

 

現在のウクライナの状況を見ていると、当初考えられた、1)の可能性は低くなっているように思われます。ロシアは、キーウの占領はできるかも知れませんが、ウクライナ全土を掌握することは困難です。

 

しかし、ロシアの対応をみていると、1)に向かって進み続けているようにみえます。

 

ウクライナへの支援の現状」では、

 

NATOは、本来は、NATOの勝利が明確であれば、あえて戦争を仕掛けることはないので、NATOには、戦争を防止する機能があるという前提(前提1)で活動している

 

と書きました。

 

しかし、この前提は、崩れているように思われます。

 

同様に、現在、NATOは、NATOが参戦するとロシアが核兵器を使う危険性がある(前提2)ので、「飛行禁止区域」を設定しないといっています。

 

しかし、前提1は、既に成り立っていないと思われます。

 

であれば、前提2が、未だに有効であると考える根拠は薄いように思われます。

 

ロシアが、通常戦で、シナリオ1)を達成できる可能性は、既に、低くなっています。

 

前提2は、ロシアが、核兵器をできるだけ使いたくない(前提3)の上になりたっています。

 

前提3と、外国にはできるだけ侵略戦争を仕掛けたくない(前提4)をくらべると、前提4が、成り立たないのに、前提3が成り立っていると考えることは、整合性を欠いています。

 

前提3が成り立たない、つまり、前提2は既に、無効であると考えると、ロシアは、第4の道に邁進しているように見えます。

 

この仮定に立つと、原子力発電所を占領することは、第4の道の勝利に向けた第1歩です。



NATOが、信じている前提2が崩れている場合、現在の作戦は、ミスリードになります。

 

そうでないことを願っていますが、現在起こっていることを整合的に説明できる仮説は、過去の前提の崩れた世界に突入したということです。

 

この視点に立てば、広島、長崎だけでなく、チェルノブイリや福島は、被害が局所的で止まることを示した実例になります。




「飛行禁止区域」を ウクライナ、欧米に悲痛な要求 ロシア対NATO戦闘の恐れ 2022/030/06 JIJI,COM

https://news.yahoo.co.jp/articles/c6044e9b3d442795675f9d46c77c83f0b3e59731