ゼレンスキーとプーチン

ウクライナの戦況は、依然として、あまり動いていないようです。

 

ともかく情報が少ないので、わからないが正確な判断です。

 

マスコミでは、情報がない場合でも、視聴率を稼ぐために、無理筋で、ストーリーを作りあげます。ゼレンスキーとプーチンの性格とか、経歴に答えを求めようとします。

こうして、無理をすると、認知バイアスのかたまりのような推論になりますので、避けるべきです。

 

とはいえ、性格より確かな基準があります。

それは、年齢で、ロシアの大統領には、あとがありません。

ウクライナの大統領には、まだ、新しいことをすすめる時間があります。



ウラジーミル・プーチン(69)

ウォロディミル・ゼレンスキー(44)



それから、プーチンも、ゼレンスキーも政治を始めてから、10年たたずに大統領になっています。この10年という時間も重要です。

 

トップになるまでに時間がかかっていては、大きな変革はできません。

日本が失われた30年になり、変わらない日本と言われていますが、政治家がトップになるまでの時間、女性政治家のトップの割合をみれば、問題の所在がわかります。



欧州の女性政治家の現職のトップは、以下です。

 

この中で、最年長のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の政治家活動の時期は、ほぼ、岸田文雄総理に重なります。

しかし、マグダレナ・アンデション氏が、50代であることを除けば、他の女性政治家のトップは、50歳未満です。

 

故瀧本哲史氏は、クーンのパラダイム・シフトについて、学習によって人間がパラダイム・シフトできる可能性は低く、パラダイム・シフトは世代交代によってしか起こらないと指摘していました。



マグダレナ・アンデション(55)スウェーデン

ジャシンダ・アーダーン(41)ニュージーランド

カトリーン・ヤコブスドッティル(46)アイスランド

メッテ・フレデリクセン(44)デンマーク

サンナ・マリン(36)フィンランド

イングリダ・シモニーテ(47)リトアニア

カヤ・カッラス(44)エストニア

ウルズラ・フォン・デア・ライエン(63)欧州委員会委員長

 

EUには理事会(Council)、議会(Parliament)および委員会(Commission)という主要機関があり、それぞれの長はすべて英語でPresidentと呼ばれます。




ウクライナ戦況は判りませんが、ゼレンスキー大統領が、国際政治にパラダイム・シフトをおこしたことは確かです。

そして、プーチン大統領は、古いパラダイムの世代であると言えます。

 

さらに、ここにあげた女性政治家のトップには、ゼレンスキー大統領の新しいパラダイムを支持した人もいます。

 

英シェルは、露の天然ガス事業「サハリン2」から撤退することをきめました。

CEOのBen van Beurden氏は、63歳です、

日本では、「サハリン2」は、三井物産三菱商事が扱っています。

三菱商事のCEOの垣内威彦氏は、66歳です。

三井物産のCEOの安永竜夫氏は、61歳です。

安永竜夫氏は、Ben van Beurden氏より若いです。

しかし、安永竜夫氏は、2015年に、社内序列で32人抜きという異例の抜擢を受け、三井物産史上最年少で社長に就任しています。つまり、例外中の例外です。

また、2015年にまだ、社内序列を参考にしていたことには、おどろきました。



2022/03/01 17:30 NHKでは、三井物産三菱商事も、まだ、「政府やパートナーと検討」として、態度を決めていません。同じ記事で、官房長官の発言が紹介されています。

 

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松野官房長官は、午後の記者会見で「サハリン2への影響については、シェルの参画にかかわらず操業が継続されるため、現時点で日本のエネルギーの輸入に支障はないとの報告を受けている。政府としては、サハリン2プロジェクトを含むロシア関連事業は、エネルギー安全保障の観点も含め、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携しつつ適切に対応していきたい」と述べました。

 

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2022/02/28のニューズウィークのWorld Voiceで、石井直子氏は、イタリアの状況を次のように説明しています。

 

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2月25日から28日にかけて行われた世論調査の結果、ロシアによる攻撃を、許されないと非難する人が79%、理解できるとする人が9%、分からないと回答する人が12%で、イタリアのロシアに対する経済制裁に賛成する人が56%、反対者が18%、分からないと言う人が26パーセントとなっています。

 

イタリアで利用する天然ガスの最大供給国は、その37.8%を供給するロシアです。

 

世論調査では、ロシアへの経済制裁によって、より高いガス代を支払うことについて、払ってもいいと言う人が69%、そのつもりはないとする人が24%、分からないとする人が7%という結果になっています。

 

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つまり、イタリアの議論は、ロシアを支援することになる天然ガスの輸入を差し止めるべきか否かにあります。

 

日本が輸入するLNGのうち、ロシアは約8%を占めています。

 

欧米は、世界の銀行決済取引網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの一部銀行を排除するとの共同声明を26日に、発表しています。これらの制裁に日本も加わると首相が打ち出したのは27日です。

 

SWIFT排除に、サハリン2が含まれているのかは、今の所不明です。

 

経済的な利益を政治より優先するパラダイムは、今回の戦争で、崩れています。各国は、イタリアのように、どこまでの負担増に耐えるのかの検討に入っています。

 

日本では、パラダイムが変わっていません。

パラダイムを切り替えるには、世代交代が避けられないとも思われます。



選出もしくは任命された女性の政府首脳の一覧 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%B8%E5%87%BA%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AF%E4%BB%BB%E5%91%BD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E6%94%BF%E5%BA%9C%E9%A6%96%E8%84%B3%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

 

ウクライナ大統領、EU加盟申請書に署名 副長官がSNSで明かす 2022/03/01 朝日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/0e034db6bb664baf6a594fdb24989b073e8e458c

 

英シェル、露の天然ガス事業「サハリン2」から撤退…三井物産三菱商事の対応に注目  2022/03/01 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220301-OYT1T50092/

 

三井物と三菱商「政府やパートナーと検討」、サハリン2から英シェル撤退 2022/03/01 12:30 ロイター

https://jp.reuters.com/article/shell-mitsui-mitsubishi-idJPKBN2KY3A0

 

シェル「サハリン2」撤退 合弁事業進める日本商社 難しい対応 2022/03/01 17:30 NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220301/k10013506781000.html

 

ロシアのウクライナ侵攻とイタリア、ウンブリア 2022/02/28 ニューズウイーク World Voice 石井直子

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2022/02/post-36.php

 

日本、制裁で欧米を後追い 岸田首相は否定 2022/03/01 JIJI.COM

https://news.yahoo.co.jp/articles/f6821bab17754ec754be48d53e4a493bc772cfd5