東京都のオミクロン株のピークアウト予測(1)~コロナウイルスのデータサイエンス(246)

新型コロナウイルスについて、東京都は、2022/0/2/02に、新たに2万1576人の感染を発表しました。 先週水曜日(1万4086人)と比べ7000人以上増え、1日あたりの感染発表としては先月28日の1万7631人を上回り過去最多となりました。2万人を超えるのは初めてです。

東京都は、2022/02/02から「検査を受けず、医師が感染と診断した」“みなし陽性”の患者も感染者として発表していて、2022/02/02は2万1576人中、589人がみなし陽性の患者でした。

水曜の感染者数は、1週間前の1.53倍になります。

東洋経済のHPをみると、実効再生産数は、以下になっています。

1/24 2.0

1/31 1.5

これから、1.53倍は、1/31の1.5に近く、さほど大きくずれていない、ほぼ、トレンドにのっていると推測できます。

実効再生産数は、2.0から、1.5まで、0.5下がるのに、7日かかっていますので、1日当たりは、0.07の減少です。

そこで、1週間前と比べて、この程度の増加率の減少が続いた場合の試算を、図2と図3に示します。黒字は実測値、赤字は推定値です。

図2の、1日当たりは、0.07減少した場合、ピークは、2022/02/05の23273人です。

図3の、1日当たりは、0.06減少した場合、ピークは、2022/02/05の23802人です。

これから見ると、感染拡大の増加速度が線形に減少した場合には、今週の土曜日当たりがピークになります。来週も今週ピークと同じレベルの数字がでていますので、データのバラツキで、ピークが来週になる可能性もありますが、その先になることはなさそうです。

ワクチンの3回目の接種が話題になっていますが、新規感染者数のピークは、データを見る限り、今週末から、来週が山場と思われます。

ただし、問題点があります。

1)抗原検査 図1を、見るとわかりますが、抗原検査数は、未だ、PCR検査数より少ないです。

これは、カウントされていない抗原検査があることを示唆しています。

2)陽性率

図1の陽性率は36.3%です。トレンドからみると、陽性率が下がる傾向はみられません。

2022/01/25から、検査数が増えていませんが、感染者数が増えている理由は、陽性率の上昇にあります。 仮に、陽性率が50%まで、増えれば、検査をする前に、50%の確率で陽性だと言えることになります。このレベルでは、検査によるスクリーニングの効果はありません。

東京都は、2022/02/02から「検査を受けず、医師が感染と診断した」“みなし陽性”の患者も感染者として発表していることは、検査によるスクリーニングが破綻していることを意味します。

検査をうけるより、体調が悪くなったら、病院にいって、判断してもらう方法です。

仮に、数字の上の新規感染数のピークが、今週末から、来週に出てきても、検査数が絶対的に不足していること、陽性率が非常に高いことから、陽性者数の数字には、感染拡大の情報が反映されなくなっています。

現在の感染拡大の主な経路は学校です。

この状態では、「まん延防止等重点措置」は、効果が期待できません。

重症病床使用率の数字が問題になっていますが、陽性者数データに意味があり、感染拡大が下火になっているのであれば、仮に、50%を越えても、100%オーバーになるリスクは小さくなります。

陽性者数データが、実態を反映していないのであれば、作戦を変えなければなりません。

意味のない基準をつくって、それに縛られるのは、ナンセンスです。

重症病床使用率の将来予測をして、その数字が、100%を越えない、あるいは、余裕を見て、80%を越え無ければ、医療崩壊にはならないはずです。

デンマークでコロナ規制を全て解除しています。

その場限りの対応ではなく、集団免疫を獲得するためのロードマップが、必要と思われます。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

【速報】東京都で過去最多2万1576人感染 うち“みなし陽性”は589人 2万人超は初 病床使用率は51.4% 新型コロナ 2022/02/02 TBS NEWS

https://news.yahoo.co.jp/articles/5eea65537aa3831efc9843e20a924809ce06b33e

デンマーク、コロナ規制を全て撤廃 EUで初 2022/02/02 CNN https://news.yahoo.co.jp/articles/4b688e0a5c635b500a5592f3c71fb756f2357e1a

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図1 モニタリング項目(4)

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図2 増加率が、0.07/日減少した場合の試算

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図3 増加率が、0.06/日減少した場合の試算