新しい資本主義の仕掛け人

久しぶりに、城繁幸氏のブログを見ていたら、「新しい資本主義」のブレイン(仕掛け人)は、原丈人氏だと書かれていました。

原丈人は、ベンチャーキャピタリストですが、どうも、活動の中心は、前世紀にあり、クラウドや情報の経済学の前の世代と思われます。

城繁幸氏は、原丈人氏の「新しい資本主義」を、次のように、まとめています。


「株主より従業員の雇用や賃金を重視って、それまんま終身雇用制度のことじゃないか。原さんの理想って誰にも相手されないどころか、半分くらいは既に日本で実現してるじゃん」


城繁幸氏を、ウィキペディアは次のように書いています。

「1997年に富士通に入社。富士通では人事部に勤務し、成果主義を導入した新人事制度導入直後から運営に携わった。2004年に退社し、富士通が行った成果主義の問題点や日本型成果主義の矛盾点を自著で主張している」

その富士通ですが、日経クロステックによれば、次のようになっています。


富士通は2019年3月末にも国内グループ会社を含めた45歳以上の社員2850人を対象に早期退職を実施した。

富士通の時田隆仁社長が大がかりな人事リストラクチャリングに踏み切ることが明らかになった。早期退職プログラムを富士通富士通Japanで始めており、追ってグループ全体に広げる。対象者は2022年2月末までに態度を決め、退社は3月末になるという。

狙いは2つ。第1は主力のテクノロジーソリューション(テクソリ)事業の営業利益率10%を達成するために人件費を圧縮すること。第2は顧客企業の情報システム部門を相手にしてきた中高年を出し、顧客の事業部門とDX(デジタルトランスフォーメーション)の商談ができる人材を増やすことだ。


富士通は、1997年に成果主義を導入したはずですが、実際は、「株主より従業員の雇用や賃金を重視して、終身雇用制度」が、続いていたようです。

電機や、機械のメーカーが、DXのために、リストラするのは、まだ理解できまが、ソフトウェアのベンダーが、リストラして、DXを進めるという記事は、悪い冗談にしか見えません。

「新しい資本主義」は、第2、第3の富士通を生み出すだけのように思われます。