オミクロン株のピークアウト予測~コロナウイルスのデータサイエンス(245)

東京都の感染者数が、増えています。

問題は2つあります。 

1)いつピークアウトし、その時の日感染者数がいくらになるか

2)重症率がどれくらいなるか

ピークアウトの予測

以下に、今後の感染予測を検索してみました。

1)google予測

2022/01/22のgoogleの予測では、2月上旬には、感染者数は、ピークアウトしません。

2)東京都のモニタリング会議

「2022/01/27の東京都のモニタリング会議では、感染者数の7日間平均は、1万0,467人と大幅に増加し、このままだと、来週2月3日には、1日あたりの感染者が2万4,074人に達するとの分析が示された」たそうです。 配布資料には、該当部分はみつかりませんでした。会議全体の動画が公開されています。1時間以上もあり、ざっと流したけれど、該当箇所は、不明でした。 会議が、資料の読み上げが主で、経営コンサルタント(ファーム)で、この形式で、会議をすれば、即、首になります。 要するに、議論するのではなく、事前シナリオを確認するだけの会議です。 ともかく、2万4,074人がピークアウトではないと推定しています。

3)西浦モデル

2022/01/19 「日本で1月に入って流行が始まったことを考えると、大規模流行に突入した場合には早ければ1月末とか、2月の上旬にピークになるかもしれない」と推定しています。 これは、インタビューで、西浦先生自身の公開情報には、たどりつけませんでした。

4)山猫総合研究所

2022/0/1/27 「シンクタンク山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏ら『CATs(Collective Analysis Teams=リアルタイム社会診断システム)』と呼ばれる構想を共有する有志メンバーが開発した予測モデルによると、東京都の新型コロナ新規感染者数は、2月上旬(1~9日)にピーク(7日移動平均で感染者数ピークは18,400~22,300人)を迎える」そうです。モデルの詳細は、不明です。

5)政策研究大学院大学、土谷隆教授(専門はOR)

2022/01/21 「土谷教授の予測では、東京都における第6波のピークは2月4日、新規陽性者数は3万668人に上ります」

ここでは、C=(真の陽性者数)/(行政が把握し発表する陽性者数)について、C=20とC=30とした時の予測です。

ちなみに、イギリスやフランスでC=10程度,南アフリカでC=100程度。

6)2022/01/25 名古屋工業大学 平田晃正

「1月終わりから2月10日までにピークをつける」そうです。ただし、C=10なので、この推定には無理があります。

7)まとめ

ピークアウトを予測しているモデルは、時期は、2月の上旬と考えています。

人数は、2万から3万人です。

東京都内の1月28日の感染確認は1万7631人でした。

1週間後は2月4日に2倍になれば、3万5千人です。最近は、前の週の2倍を切っていますので、2月上旬の人数の予測が、大きくずれることはないでしょう。

問題は、ピークアウトがおこるか否かです。

感染者数の割合

2021/09/28の緊急事態宣言の解除が決まった際の記者会見で、政府分科会の尾身茂会長は、感染が急速に減少した理由を挙げています。

  • 連休やお盆休みなど、感染拡大につながる要素が集中する時期が過ぎ、拡大の要素がなくなったこと、
  • 医療が危機的な状態となったことが広く伝わって、危機感が共有されたこと、
  • 感染が広がりやすい夜間の繁華街の人出が減少したこと、
  • ワクチンの接種が進み、高齢者だけでなく若い世代でも感染が減少したこと、
  • 気温や雨など、天候の影響があったこと。

しかし、今回のモデルで、ピークアウトがおこる原因は、集団免疫が出来たことにあると思われます。

2022/01/27の時点で、コロナウイルスに感染した人の割合は以下です。

英国 2022/01/26 累加感染者数1624万人/6700万人=24%

日本 2022/01/28 累加感染者数 248万1880人/12580万人=1.9%

土谷教授は、イギリスでは、C=10であるといっていますが、C=10であれば、240%になります。

つまり、コロナウィルスに感染したか否かではなく、オミクロン株に感染したか否かが問題になっています。

2022/01/26のbloombergによると「新型コロナウイルスの感染状況について英国で約10万人を対象に行われた大規模な調査で、今月陽性と判定された参加者のうち約3分の2は過去に感染歴があることが明らかになった。さらに7.5%が過去に感染したことがあるかもしれないと回答した」そうです。

つまり、英国では、何回目に感染するかが、問題になっています。

日本の1.9%に対して、C=20で、40%、C=30で、60%の人が感染したことがあることになります。

こう考えると、ピークアウトが2月の上旬より後に、ずれ込む可能性があると思われます。

重症化の割合

オミクロン株は、デルタ株に比べると、重症化率は低いです。

それでも、イギリスと比べると、既に感染した人の割合は少ないです。

ワクチン接種は、内閣官房によると、27日時点で3回目接種を終えたのは約316万人で、高齢者施設入所者ら1月末までの対象者1470万人の21%。英オックスフォード大の研究者らの集計サイトによると、全人口に対する接種率は2・5%にとどまり、英国の54・3%、米国の25・6%など先進7カ国(G7)の中で最も低い。

これから、考えると、重症化率は低いとは言え、イギリスよりも高くなることは、避けられないと思われます。

なお、経路不明者の割合が高く、検査の陽性率も30%を越えていますので、濃厚接触者の待機期間を調整する意味は、既にありません。

更に、PCR検査が不足していますので、待機期間を調整することは不可能と思われます。

つまり、問題は、どこで、集団免疫取得に、ストラテジーを変えるかという点につきると思います。

1月の新規陽性者数に関する分析と病床使用率の予測 2022/01/25 名古屋工業大学 平田晃正 https://www.covid19-ai.jp/ja-jp/presentation/2021_rq3_countermeasures_simulation/articles/article244/

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

-「まん防」を踊らされる日本国民に問い掛けたいこと 2022/01/25 ニューズウィーク パックン(パトリック・ハーランhttps://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2022/01/post-69.php

  • National and Subnational estimates for the United Kingdom (CMMID)

https://epiforecasts.io/covid/posts/national/united-kingdom/