パースペクティブのマニュアル補正

パースペクティブ補正(遠近補正)のモジュールがあります。

写真撮影で、レンズによる湾曲も、写真の特性の一つとして、レンズの幾何補正をかけない人もいます。しかし、広角レンズを使うと、それなりに湾曲がでます。

レンズの幾何補正で、湾曲は、ある程度は補正できます。

しかし、パースペクティブが揃わないこともあります。特に、建築の場合には、縦の線を平行に揃えることが基本です。

フィルム時代には、この目的で、アオリレンズを使う人もいました。

パースペクティブ補正(遠近補正)は、普通のレンズで撮影した写真の縦の線を平行に揃えることができます。

とはいえ、パースペクティブ補正は万能ではありません。

パースペクティブ補正では、三本線の自動モードで、縦の線を検出して、台形のアイコンをクリックすることで、縦の線を添えることができます。

ところが、この自動調整モードの精度は、あまり、高くはありません。

特に、換算24㎜以上の広角で撮影した場合には、マニュアルでの調整を試してみる価値があります。

それから、垂直でない縦の線を検出して、エラーを起こす場合もあります。

今回は、その例を示します。

写真1は、換算24mm(m4/3の12mm)で、撮影した建物の例です。

この建物の全面には、ねじれた縦線があります。また、電柱や、周辺の建物と比較しても、建物がかなりつぶれて見えます。

写真2では、線の検出はできていますが、斜めの線が多くなっています。

線の色の意味は、以下です。

  • 緑 垂直収束線

  • 赤 収束しない垂直線

  • 青 水平方向の収束線

  • 黄 収束しない水平線

  • グレー このモジュールに関係のない他の線

写真3では、rotationとlense shift(vertical)をマニュアルで調整しています。

写真4が、仕上がりです。

電柱が完全に、垂直には、なりませんでした。

この場合の対応は、基本的には、できるだけ下がって、望遠側で、撮影することになります。風景写真の場合、通常は、F8.0 以上に絞りますので、望遠側で、撮影しても、F値の明るさが不足することはありません。

とはいえ、後ろに下がって、望遠で撮影できない場合も、多くあります。

例えば、道路が狭く、後ろに下がれない場合、後ろに下がることはできるが、そのアングルでは、電線が入ってしまう場合などです。

ですから、やむを得ないときもあります。

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写真1

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写真2

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写真3

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写真4