国会答弁のシステム的欠陥

企業の意思決定

12月6日から、第207回臨時国会が、始まりました。

国会答弁が、ラジオとテレビのニュースで、中継されています。

実のところ、国会答弁は、原稿を読み上げるだけです。

重要な政治課題は、多くあり、優先順位をつけて、政策決定を行う必要があります。

討議して、組織の意思決定をする場は、国会に限りません。

企業であれば、重役会議や、各部署の会議で、方針を決めているはずです。

その時に、原稿を読み上げているような企業は、つぶれて、とっくに、淘汰されているはずです。

検討内容は、事前に、文字で配られます。

内容は、事前に読んでおくルールの組織と、アマゾンのように、会議の場で、時間を設定して、読む場合があります。

どちらの場合も、文字を読んで内容を確認するだけで、原稿を読み上げることはしません。

検討内容には、意思決定に必要な根拠となるエビデンスが、書かれているはずです。

質疑応答では、その場で、結論の出ないもの、エビデンスが不十分であるものは、再討議になります。エビデンスは不十分だが、リスクテイクを取った意思決定をする場合には、うまく行かなった場合の撤退の条件が明示されるはずです。

国会答弁

同じことは、国会討議でもできます。検討の中心は、文字で行うべきです。優先順位のリストは、必須です。

与党が、多数をとっていますから、採決をすれば、必ず与党の提案が通り、野党の提案は通りません。ここで、野党が抵抗しているような国会答弁は、茶番劇です。

野党は、法案は採決を通ることを前提に、根拠となるエビデンス、法案が所定の効果をあげなかった場合の将来の撤退条件に議論を集中すべきです。

このようにしておけば、過去に与党が採決で通した法案の事後評価ができます。事後評価は、法案成立から、1年以上たたないとできないと思われますが、過去に通した法案の成績表ができます。

成績の悪い法案が取り消されずに、残ったり、効果のない法案と類似の法案が提出されれば、そのことは、有権者にわかりますので、次の選挙で、不利になります。つまり、野党が与党と張り合える場は、法案に反対しているふりをする茶番劇ではなく、有権者に代わって、与党の法案を評価することです。

つまり、国会答弁を変えるには、国会答弁のシステムを変える必要があります。

これは、データサイエンスの視点で見れば、当たり前のことを言っているにすぎません。

政治の専門家からは、問題点の指摘ではなく、問題のある国会答弁を改善する提案を期待したいと思います。

補足

最近では、公務員の希望者が減少しています。国家公務員の希望者も減少しています。

しかし、現在の国会答弁の実態を考えれば、希望者が減るのは当然と思われます。

官僚は、国会の開催中は、国会待機がかかって、答弁の原案を作成させられます。

それが、茶番劇であることは、皆が知っています。

現在は、クラウド上で、共同作業をして、原稿を取りまとめることが普通です。

意見を集約する方法として、国会答弁が機能していないことは明白です。