今回は、トーンイコライザーのアドバンストタブを使います。
写真1が、サンプル画像です。
水色の楕円で囲んだ辺りは、雲の影で暗くなっているので、周辺に合わせてもう少し明るく(焼き込み)してみます。
赤色の楕円で囲んだ辺りは、暗いのですが、この画像全体に、暗い部分が少なく、のっぺりしていますので、更に、暗く(覆い焼き)して、絵に、メリハリをつけます。
写真2は、トーンイコライザーを使った時のエラーです。
この解消法は、過去にこのブログでも説明していますが、同じ内容は以下にも収録してありますので、ここでは、説明しません。
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darktable 3.6読本
https://novel.daysneo.com/works/435846bdeef3b48e11a6cb8090f80edd.html
写真3は、水色の部分の露光の修正です。マウスのポインターを露光を変えたいところにあてて、マウスホイールで、露光をプラス側に変更します。
この方法は、ゾーンシステムに依存していますので、マウスのポインターを置いた場所と同じゾーンの露光も同時に変わります。画像の中に、同じゾーンが多くある場合には、マスクを併用すべきです。トーンイコライザーには、廃止されたゾーンモジュールのように、ゾーンを等高線で表示する機能はありませんが、同じゾーンに見える部分に、マウスポインターを移動すれば、その位置の露光の値を確認できます。
写真4は、赤色の楕円の部分に、マウスポインターを移動して、そのゾーンの露光を変更しています。
写真5は、出来上がり画像ですが、問題があります。露光は通常は、注目して欲しい部分を明るくするように編集することが原則です。この写真では、主題は山(筑波山)ですから、山を明るくする方向に編集しています。しかし、写真5を見ると、この編集方針には、問題があります。
それは、山よりも、空の方が明るいので、山が浮かび上がって見えないのです。
そこで、方針を変えて、山が空とコントラストになるように、トーンイコライザーをつかって、山の明るい部分を暗く(覆い焼き)してみます。
写真6が、その結果です。写真5よりは、山が、目立ちます。
写真7は、写真6を仕上げたものです。
以上で、今回の操作の説明は終わりです。
以下は、おまけです。
山と空の明るさの違いに気づかなかったことが、余分な操作をした原因です。つまり、カラー写真でも、常に、モノクロの場合を頭の中に描ければ、無駄な編集はしないで済みます。
写真8では、カラーキャリブレーションのハンバーガーアイコンから、B&W Fujiを選んでいます。こうすると、すぐに、モノクロ表示が得られます。
写真9では、カラーキャリブレーションのハンバーガーアイコンから、basic channel mixerを選んでいます。こうするとカラーに戻りますが、元の設定が失われて、色がホワイトバランスをスルーした設定になり、色は変わってしまいます。つまり、「カラーキャリブレーションのハンバーガーアイコンから、B&W Fujiを選ぶ」のは、お薦めできません。
写真10は、モノクロームモジュールで、モノクロに変換しています。
シーン参照ワークフローでは、モノクロームモジュールは非推奨のモジュールですが、露光の状態をモノクロで確認するだけであれば、実害はないので、この方法を薦めます。
写真11では、カラーキャリブレーションモジュールをつかって、池の水の色を変更しています。これは、山が池により、くっきり、映っているような効果を狙っています。ここでは、パラメトリックマスクを併用しています。
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