10年前の2011年の写真教室

2011年は、10年前です。10年前に、Marc Levoy 先生が、スタンフォード大学で行った「Digital Photography」の講義をWEBで垣間見ることができます。

  • CS 178 - Digital Photography Spring Quarter, 2011 Marc Levoy

https://graphics.stanford.edu/courses/cs178-11/class-business.html

これを眺めていたら、10年前のデジカメ事情と現在のデジカメ事情の違いが見えて面白いです。

この講義では、カメラをもっていない、受講生にカメラを貸し出しています。入門機種ですが、講義の実習をするには、十分な機能をもった機種です。年次と、重量は、筆者が追加しました。

  • キヤノンA590IS(2008年、約175g 、驚くほど良い写真を撮る!)

  • 18-55mmf / 3.5-5.6(28-88mm相当)のNikon D40(2006年)(またはD3000、2009年)

D3000は、CMOSですが、他の2機種はCCDです。

darktableでいえば、表示参照ワーフローの時代です。RAWより、Jpegが主流の時代です。

ちなみに、キヤノンA590は、RAWに対応していません。ただし、スタンフォード大学では、使っていないと思いますが、CHDKというRAW撮影を可能にするファームウェアもあるようです。

残念ながら、Nikon用はないようです。Magic lanternといい、非公式ファームウェアは、キャノンの独壇場です。

https://chdk.fandom.com/wiki/A590IS

  • Magic lantern

https://magiclantern.fm/

 

キヤノンA590に対して、「驚くほど良い写真を撮る!」というコメントには微笑んでしまいます。

D40は、デジタル一眼レフで、最初に出た、普及機です。CCDで色がきれいなことと、なにより小型だったので、人気がありました。

この時代の「驚くほど良い写真を撮る!」という意味は、フイルムカメラを越えているという意味だと思います。ISOは、1600が上限ですが、フィルム時代を考えれば、十分な感度です。

つまり、シーン参照ワークフローが必要になる前の状態です。

10年の変化は大きかったと言えます。

カメラを購入する場合に、ついては、次のようなコメントがついています。


(1)カメラの選択

1)お金があれば、オートフォーカスではなく一眼レフを手に入れましょう 。

センサーが大きい = 特に暗い場所でのノイズが少ない 。

より大きな絞り = 被写界深度のより詳細な制御 が可能。

2)気にしなくてよい点

メガピクセル-ほとんどのカメラには多すぎます

ブランド-主要なブランドならどれでも十分です

本体-安価なもので問題ありません(そして軽量です)

3)レンズに気を配りましょう。

ズームは便利ですが、画像品質は固定焦点と異なります

広い焦点範囲(18〜250mm)のズームは、「ソフト」なので、避けてください

最大絞り(最低F値)が重要です。

 

(2)追加グッズ

1)低照度用の50mm f /1.8「高速」「プライム」レンズ

2)三脚

頑丈なのは良いですが、持ち運びには重いです。

ミニ三脚、フレキシブル三脚などを見てください。

3)フラッシュ

天井に向けた外部フラッシュは、被写体に向けた内蔵フラッシュよりもはるかに優れた写真を撮ります

4)ビデオ機能

5)SLR +標準ズーム+三脚で、500ドルあれば、揃います。


こんな、感じです。

最近は、広い焦点範囲(18〜250mm)のズームの性能は、各段に良くなっています。

また、手振れ防止が強くなったので、三脚を使わない(あるいは、場所によっては、使えない)ケースも増えています。

しかし、大筋では、現在でも、使えるアドバイスだと思います。

言い忘れましたが、このサイトは、ガンマ補正等、写真の基礎を復習するには、非常に優れたサイトです。筆者は、日本語のサイトで、このレベルまで、基礎に踏み込んでいるところを知りません。

 

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