「短い20世紀」と「長い20世紀」の終わり

「短い20世紀」も「長い20世紀」も、覇権の視点で歴史を見ています。

しかし、今、目の前で起こっていることは、覇権の問題でしょうか。

アメリカの後の覇権であれば、少し前までは、中国が、その可能性が一番高いように見えました。

しかし、中国は、人権問題に突入しているように思われます。頼みの経済が傾いてきたので、統制を強めているように見えるのですが、それを、裏づけるように、「恒大」破綻危機が出てきました。

ロシアは経済的には、小国ですが、軍事大国ではあります。しかし、プーチンが更に政権に残ろうとしているのは、危険な兆候です。

温暖化が問題で、脱CO2になれば、世界のパワーバランスは変わります。

DXや5Gが普及し、リモートワークが当たり前になれば、国境の意味は、従来とは違ってきます。

国境が、土地を基準にひかれた理由は、農業と地下資源が重要だったからです。自然エネルギーの効率が上がれば、地下資源の支配力は弱まります。国境の規定は、データのトラフィックになるのかもしれません。

日本国内のコロナの感染者数は減りましたが、原因は不明です。アフターコロナで、もとの世界に戻ることはないと思われます。

1990年以降、日本の企業の世界での売り上げシェアは下がっています。今後、高付加価値、高級品路線にした場合には、売り上げは減少します。トヨタでいえば、レクサスだけが、国内生産で、それ以外は、海外生産か、国内の無人工場で製造しているような状態です。雇用は確実に減ります。しかし、元には、戻れないので、こうした世界で生きていくことを考えるしかありません。つまり、生き残るには、それなりの覚悟が必要です。

覇権の世界史を、技術の世界史に置き換えれば、現在は、新しい技術に移動している最中であると思われます。

つまり、「20世紀技術」の終わりに、直面しているように見えます。それは、生き残りに必要な知識が、全く変わってしまった世界に突入していると考えられます。2000年くらい前であれば、火を起こしたり、動物を捕獲する知識がなければ、生き残れませんでした。しかし、現在は、そうした知識は不要になって、代わりに別の知識が必要になっています。

10年後には、同じように、技術や知識を中心に、世界が入れ替わっていると思われます。

これは、スマホを考えればイメージできると思います。

 

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