フィルミックRGB(2)~darktable3.6読本(18)

シーン参照ワークフローを設定すると自動的に、フィルミックRGBが使用されます。表示参照ワークフローで、ベースカーブで満足して、トーンカーブに手を入れない使い方もあります。同様に、シーン参照ワークフローで、フィルミックRGBの自動設定で、満足していれば、設定をいじらなくとも問題はありません。あえて、フィルミックRGBの設定を変更する場合は、次の2つでしょう。

1)ダイナミックレンジを修正したい。

2)他のモジュールでも、処理できるが、画像劣化の少ないフィルミックRGBを使いたい。

 1− 1)画像全体のダイナミックレンジを広げたい。風景写真によくあるパターンで、変換曲線の直線部分が長くなります。

 1−2)特定の露光のエリアに、トーンを多く割り当てたい。人物写真で、肌色のグラデーションを細かく表現したい場合などで、割り当てた露光のエリアにビットが多く割り当てられるように、曲線を修正します。

2− 1)シーンタブで、ブラックポイントとホワイトポイントを調整する場合です。

2−2)ルックタブで、ミドル・トーンのサチュレーションを調整する場合です。

もちろん、他の使い方もありますが、入門としては、この辺りから、始めると良いと思います。

今回は、1-1)の操作をみます。

写真1が、ルックタブです。

まず、コントラストとラチチュードをみます。

オレンジ色の点は18%グレーの点middle-gray pointを示し、両側の白い点は ラチチュードlatitudeの範囲を示し、下部の曲線のオレンジ色の部分はスプラインのオーバーシュートovershootの問題を示します。

暗い曲線は、極端なシャドウとハイライトでサチュレーションcolor saturationがどのようにロールオフするかを示しています。

つまり、写真1に、緑色の線でいれたように、ラチチュードの範囲と暗い曲線の平らな部分が対応しています。

ここで、コントラストのスライダーを水色の矢印の方向に動かすと、曲線も水色の矢印の方向に回転して、傾きが急になります。

ラチチュードのスライダーを赤色の矢印の方向に動かすと、曲線は、ラチチュードlatitudeの範囲を示す2つの白い点が赤い矢印の方向に拡がります。また、暗い曲線も、ラチチュードを表す水平な部分が、赤い矢印の方向に拡がります。

写真2は、シャドウ/ハイライト・バランスとミドル・トーン・サチュレーションです。

シャドウ/ハイライト・バランスのスライダーを赤い矢印の方向に動かすと、赤い線で示した曲線のラチチュードの範囲(2つの白い点の間)が、赤い矢印の方向に移動します。

 

赤い線で示した、暗い曲線のラチチュードの範囲(水平な部分)は、赤い矢印の方向に移動します。

 

ミドル・トーン・サチュレーションのスライダーを水色の矢印の方向に移動すると、水色の線で示した暗い曲線のラチチュードの範囲(水平な部分)が、水色の矢印の方向に移動します。

 

ルックタブのスライダー操作では、オレンジ色の18%グレー点middle-gray pointは移動しません。

今回は、ここまでです。

 

 

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写真1 フィルミックRGB(ルックタブ)

 

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写真2 フィルミックRGB(ルックタブ)

 

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