モノクローム写真を作った時に、そういえば、モノクローム写真の現像の説明は、普通は、モノクローム写真だけで、カラー写真がないことに気が付きました。
そこで、それならば、同じRAWファイルを、モノクロームとカラーで現像して、比較してみようというのが、今回の課題です。
写真1が、サンプル画像です。
写真1は、カラーをカラーキャリブレーションのグレータブでモノクロームに変更した段階です。
この画像を改善するためには、トーンイコライザーとフィルミックRGBを使います。
写真2が、トーンイコライザーです。中間トーンを正確に出すには、mask-postprocsessingの下のバーを範囲内で、できるだけ広く設定するように、mask exposure compensationとmask contrast compensationのスライダーを調整する必要があります。この調整は、細かくなりますが、中間トーンに劇的な変化が生じます。
写真3は、フィルミックRGBです。カラーの場合には、かなり好きかってに調整しています。モノクロームでは、その方法では、露光を合わせると、ヒストグラムの右端がそろわない、ヒストグラムの右端に露光を合わせると、画面の露光が合わなくなることがわかりました。結局、写真3のwhite relative exposureとblack relative exposureをピッカーを使って合わせることで、この問題が解決できることがわかりました。なお、デフォルトで、自動設定されるフィルミックRGBの曲線のパラメータと、ピッカーを使ったパラメータには、かなりの差があります。
トーンイコライザーとフィルミックRGBは、シーン参照ワークフローの中心をなすモジュールですが、クイックアクセスパネルには登録されていません。登録されなかった理由を、筆者は、モジュールの一部を簡単に表示してパラメータ設定することが難しいためだろうと考えていました。しかし、今回、モノクロームで、トーンイコライザーを使ってみると、使いこなすのは簡単ではないことに気づきました。ゾーンシステムを使って、中間トーンを極限まで表現することを狙わないのであれば、この2つのモジュールを外して、クイックアクセスパネルを作っても問題がないように思われました。
カラー写真も、同様の調整をしましたが、説明は、省略します。
写真4が、比較の画面です。写真5と写真6は、モノクロームとカラーの単独写真です。
確かに、モノクロームの方が、肌の部分などので、中間トーンが良く再現されていますが、劇的に改善という訳ではありません。
画像をみていただくとわかると思いますが、同じモノクロームでも、写真1よりも、写真5の方が露光が小さく(暗く)なっています。カラー写真も、筆者のいつもの現像に比べると露光が抑えられています。
これは、モノクロームで、中間トーンをできるだけ出すように、調整をした結果、露光がいつもより、小さな画像になり、カラー写真もこれに合わせたためです。
つまり、モノクローム写真の露光を基準に考えると、いつものカラー写真は、中間トーンの情報が失われていることになりました。
最初のテーマは、モノクロームとカラーで、中間トーンの表現の違いを見ることでしたが、実際に、現像を比較した結果、いつも現像は、明るすぎて、中間トーンが一部失われていることがわかりました。
人間の目は、明るい部分により強く反応するので、露光が、明るめで、中間トーンが少し、失われた画像の方が、正確な露光で、中間トーンが保存された画像より、良い画像であると判断しがちなのです。
その点では、モノクローム現像をすれば、正確な露光と中間トーンの感覚を養うことができると思われます。
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